米国債:3カ月物Tビルの金利がマイナスに、年初以降で初

米国債市場では、3カ月物Tビ ル(財務省短期証券)金利が一時、昨年の金融市場の凍結以来で初め てマイナスに転じた。高利回り資産の上昇ペースに経済成長が追いつ かないとの懸念が背景にある。

MSCI世界指数が過去8カ月で68%上げており、来年の企業収 益25%回復予想は織り込み済みとの観測から株式相場が下落。資金が 国債に流れた。セントルイス連銀のブラード総裁は18日、過去の経 験から見ると利上げは2012年初めまでない可能性があるとの認識を 示した。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)のキャンタ ー・フィッツジェラルドのチーフ債券ストラテジスト、ジョージ・ゴ ンキャルベス氏は「経済が行き詰まり、債券に代わる有望な投資先が 見つからない間は、投資家は米国債を買うだろう」と述べた。

ジェフリーズの米国債トレーダー、サラ・ソーベック氏(ニュー ヨーク在勤)によれば、1月に償還を迎える一部のTビルについて金 利がマイナスに転じた。3カ月物Tビルのレートは年初来の最低とな る0.0051%。6カ月物Tビルのレートは1958年以来の低水準に落 ち込んだ。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時24分現在、2年債利回りは前日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)低下の0.70%。2年債(表面利率 1%、2011年10月償還)価格は3/32上げて100 18/32。利回り は一時0.6759%と、昨年12月19日以来の低水準を付けた。

ブラード総裁

ソーベック氏は「投資家は早い段階で年末に備えつつあり、流動 性の確保に動いている」との見方を示した。

銀行はバランスシートにある資産の質を高めるため、年末にかけ て最も安全な年限の国債を購入する傾向がある。

2年債は前日、ブラード総裁の発言を受けて上昇した。RBCキ ャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、トム・ポーセリ、金利 ストラテジストのクリスチャン・クーパー両氏はリポートで、「ブラ ード総裁がこうした考えを明らかにしたことを極端な見解として片付 けるべきではない」と指摘。「最も弱気なアナリストの間でさえ、 2012年という可能性については聞かれなかった。だがこの考えは今、 信頼性が高まっている」と加えた。

新たな資産バブル

債券ファンド運用大手、米パシフィック・インベストメント・マ ネジメント(PIMCO)の共同最高投資責任者(CIO)、ビル・ グロス氏は、米連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利を過去最 低水準で維持していることを背景に、新たな資産バブルの「システミ ックリスク」が増大しているとの認識を示した。

グロス氏は同社のウェブサイト上で公表した12月の投資見通し で、「FOMCは米経済をリフレート(再膨張)させようとしている。 リフレーションの過程では短期金利を痛みを伴うほどの低水準まで引 き下げることが必要になるため、投資家は短期金融市場から、よりリ スクの高い債券や株式に資金を移すよう強制、または誘導されること になる」と解説している。

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