OECD:10年の加盟国成長率は1.9%へ-2倍に上方修正(Update1)

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【記者:Mark Deen, Simon Kennedy】

11月19日(ブルームバーグ):経済協力開発機構(OECD)は 19日発表した経済見通しで、加盟30カ国の成長率予想を従来予想の 2倍に上方修正した。中国など新興市場国が世界の景気回復の原動力 となっていることから、2011年はさらに成長が加速すると予想した。

OECDは加盟する先進国全体の成長率が10年に1.9%となり、 11年には2.5%に加速すると予測。6月時点には10年の成長率を.7% と見込んでいた。今年は3.5%のマイナス成長となる見込み。

OECDは、米国とユーロ圏が来年、プラス成長に戻る見込みで あるものの、各国の政府債務の増大が成長の足かせとなるとの見通し を示した。

OECDのチーフエコノミスト代行、ヨルゲン・エルメスコフ氏 はインタビューで「現在は複数の加盟国が進行中の回復を支えている」 とした上で、「家計と企業、金融セクターのバランスシート調整の必要 性という強い逆風があるため、回復ペースはなお緩慢だ」と付け加え た。

OECD加盟国の総生産が金融危機前の08年1-3月(第3四半 期)の水準まで回復するのは、11年7-9月(第3四半期)と予想さ れている。

日米欧

OECDはこの日の報告で、米国の10年成長率見通しも2.5%と 6月時点の0.9%から上方修正。ユーロ圏については0.9%成長を予想 し、前回のゼロ成長から予想を引き上げた。日本は1.8%(前回予想 は0.7%)の成長が見込まれている。OECDは中国についての予想 も10.2%成長に上方修正した。

エルメスコフ氏は「OECD加盟国外、特にアジアの状況は、は るかに勢いがあるようだ」とし、「OECD外諸国は資産価格急落がそ れほどひどくなかったことに加え、景気の落ち込みに対して賢明な対 策を取った」と分析した。

今回初めて示した11年の成長率予想は、米国が2.8%、ユーロ圏 が1.7%、日本が2%、中国は9.3%。

OECDは加盟国では成長ペースが鈍いことから、大半の国・地 域の中央銀行は景気回復に伴う金融政策引き締めで慎重に行動する必 要があると指摘した。加盟国の失業者数は10年末までに、07年に比 べ2100万人増えると予想している。失業率は9%と、5.6%から上昇 する見込み。

非伝統的措置

報告では、非伝統的な措置は「膨大な流動性の突出」を解消する ため今後数カ月の間に引き揚げが必要となるものの、政策金利はイン フレ圧力が顕在化し始めるまで引き上げるべきではないとの見解を表 明した。

エルメスコフ氏は「回復は弱く、余剰生産能力は大きい」と述べ た。同氏によると、OECDの予想は、米金融当局と欧州中央銀行(E CB)が10年末近くまで利上げを開始せず、日本銀行は11年いっぱ い政策金利を0.1%で据え置くとの見通しを前提としている。

OECDはECBの政策金利が11年末までに2%(現行1%)と なり、現在、事実上のゼロ金利政策を取っている米国ではフェデラル ファンド(FF)金利の誘導目標が同時期までに2.25%まで引き上げ られると予想している。

OECDは、前例のない流動性注入により新たな資産バブルへの 懸念が浮上し、政策当局はこれに留意する必要があるものの、現時点 ではバブルは出現していないとの認識を示した。エルメスコフ氏は「リ スクはあるが現実に起こっていることではない」とし、「現時点の状況 では、金利を極めて低い水準とする以外の選択肢はほとんどない。た だ、それがバブル発生のリスクとなり得ることは認識しておく必要が ある」と語った。

慎重

OECDはまた、各国・地域中銀と政府は景気刺激措置の引き揚 げを伝える際に市場を不安定化させないよう注意する必要があると指 摘した。

エルメスコフ氏は報告で、「政策による異例の取り組みが景気の悪 化度合いに歯止めをかけ、ほんの半年前には大方が予想できなかった ほどの回復をもたらすことに成功したように見受けられる」とし、「今 は危機時の政策からの出口戦略を策定するべき時だ」と続けている。

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