伊チョコ大手フェレロ、英キャドバリーに包囲網も-米クラフトに対抗

1964年に発売したチョコレートク リームの「ヌテッラ」の成功でイタリアの大富豪に上り詰めたミケー レ・フェレロ氏は今、英製菓会社キャドバリーの買収に乗り出して急 速に海外展開を進めるか、国産チョコのレシピにこだわり続けるかの 選択を迫られている。

フェレロ社は18日、キャドバリーに関する「選択肢検討の準備的 な段階」にあることを明らかにした。チョコレートの「デイリーミル ク」を手掛けるキャドバリーは米食品メーカー、クラフト・フーズか らの103億ポンド(約1兆5300億円)の買収提案を拒否している。

ミントタブレットの「ティクタク」や玩具のおまけ入りチョコ「キ ンダー・サプライズ」などを独自に開発し、世界4位のチョコレート メーカーにのし上がったフェレロにとって、企業買収を通じた事業拡 大は従来の経営戦略からの決別を意味する。キャドバリー買収の是非 をめぐりフェレロ氏と子息らとの間で意見が割れていると報道された が、フェレロ社は同氏や子息らに対するブルームバーグ・ニュースの インタビューに応じていない。

調査会社ユーロモニター・インターナショナルの食品会社アナリ スト、イルディコ・サライ氏は「フェレロにとっては間違いなく新た な方向だ。不可能な方向ではない」と述べ、「これまでのところ同社の 成長は純粋に自力によるもので、同社は買収に対して嫌悪感を持って いた」と指摘した。

「完全な同族会社」

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、非公 開企業のフェレロは米食品大手ハーシーと数週間にわたってキャドバ リーに対する共同買収提案を協議してきたという。ハーシー、フェレ ロはほぼ同時に発表文を出したが、いずれにも互いへの言及はなかっ た。

野村インターナショナルのロンドン在勤アナリスト、アレックス・ スミス氏は「完全な同族会社であるため、フェレロのスタンスや動機、 財務力を測ることは極めて難しい」とした上で、「業界再編に取り残さ れることが魅力的な計画とはならないだろう」と語った。

ユーロモニターによると、フェレロの世界のチョコレート市場シ ェアは7.3%で、西欧では13.2%のシェアを持ちトップ。2008年度の 同社の売上高は前年度比8.2%増の62億ユーロ(約8240億円)と、 キャドバリーの売上高の54億ポンドとほぼ同水準。

米誌フォーブスによると、ミケーレ・フェレロ氏はモンテカルロ 在住で、一族の資産は推定95億ドル(約8500億円)。2008年のイタ リアの長者番付で、ベルルスコーニ首相に代わって首位となった。

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