三菱UFJが1兆円増資に動く、「厳しい世界」ライバルに先手

三菱UFJフィナンシャル・グルー プが、最大1兆円規模の公募増資計画を発表した。昨年の金融危機を受 け、自己資本の質や量を厳格に評価する国際的な規制強化の流れが強ま る中、狭義の中核的自己資本(コアTier1)の拡充に踏み切る。み ずほフィナンシャルグループなども資本増強を迫られている。

増資計画では26日から1年内に1兆円を上限とした普通株式を発行 する。三菱UFJの畔柳信雄社長は、この金額について「グローバルに 信頼いただけるレベル。トップの銀行と伍していけるレベル」と強調し た。三菱UFJの公募増資は過去1年で2回目となる。

三菱UFJの2009年9月末の連結コアTier1比率は6.83%。1 兆円の増資で同比率は1%程度高まり、米JPモルガン・チェースの

8.2%、英HSBC(6月末)の8.8%に近づくことになる。格付投資情 報センター(R&I)の久保太郎シニアアナリストは「規制対応として 自己資本は十分な水準に達するだろう」とみる。

20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議などでは国際的に 展開する銀行の自己資本規制の強化が議論されている。年内にもコアT ier1の算定根拠などを明確化し、2010年に最低自己資本比率などの 基準を設定する方針。G20では新基準について12年から段階的に実施す る必要性を強調している。

MFグローバルのニコラス・スミス氏は、大手邦銀にとって「厳し い世の中だ」とこの流れを指摘。ただ、三菱UFJについては「最初に増 資を発表することで競合他社に先手を打つ形になった」と評価した。

三井住友、みずほも資本増強「迫られる」

UBSによると、普通株と内部留保などで構成する連結コアTie r1比率はみずほFG(6月末)が4.4%、三井住友フィナンシャルグル ープは5.9%(同)にとどまる。R&Iの久保シニアアナリストは、「大手 邦銀は国際的な規制強化の流れの中で自己資本の拡充を迫られている」 との見方を示した。

三菱UFJ、みずほ、三井住友はリーマン・ショック以降、合計2 兆円程度を調達した。市場への影響に配慮して引き受け証券会社との間 で自主的に実施を見送っている次の増資までの期間は、前回増資が約1 年前で先に「解禁」となっていた三菱UFJに続き、三井住友が12月、 みずほが来年の1月に明ける。

18日まで出そろった大手邦銀6グループの09年4-9月期の連結 決算では、利益合計が前年同期比20%増の4763億円となった。しかし、 その中身は本業の低迷を国債取引など市場部門の好調が補う形にとどま った。景気低迷で利益圧迫要因となる不良債権の増加懸念も残っている。

国内で過去最大規模の公募増資発表の翌日の19日、三菱UFJの株 価は一時前日比で6%近く下落、みずほは年初来安値、三井住友も年初 安値水準まで下げている。調達金額の基準となる株価が下落すると、一 定金額を集めるための発行株式数はさらに増加することになる。

--取材協力:伊藤 小巻 山崎 朝子 河元 伸吾 Editors: Kazu Hirano Takashi Ueno

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