ドルと円が上昇、高値警戒感でリスク資産圧縮-金反落がきっかけ

東京外国為替市場では、ドルと円 の買い戻しが進む展開となった。金先物相場が5営業日ぶりに反落す るなど、リスク資産圧縮の動きが警戒されて、ドルと円に資金を戻す 動きにつながった。

クレディ・スイス証券経済調査部の小笠原悟エコノミストは、米 金融当局が緩和策を続けているなかで、いわゆる「ドルキャリー」取 引が相場のテーマとなってドル安が進み、利上げ期待のある通貨が選 好されてきたと指摘。相場に行き過ぎ感が生じている中で、「これまで 買い上げたリスク資産を解消しようという動きが出やすい」と説明し ている。

円は主要16通貨に対して全面高の展開となった。対ユーロでは一 時1ユーロ=132円80銭と、前日のニューヨーク時間午後遅くに付け た133円64銭から水準を切り上げている。ドル・円相場は円買いがや や優勢となり、一時1ドル=89円3銭をつけたものの、ニューヨーク 時間午後遅くの89円32銭に比べて小動きにとどまった。

また、海外投資家の決算を控えて、リスク資産圧縮に伴うドルの 買い戻しが出やすい面もあり、ドルは主要16通貨中、円以外の15通 貨に対して上昇。ユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.4904ドルと、 ニューヨーク時間午後遅くの1.4963ドルからドルが値を戻している。

リスク資産に高値警戒感

ニューヨーク金先物相場は前日の海外市場で過去最高値を記録し ていたが、アジア時間の取引では、5営業日ぶりに反落。金先物相場 の相対力指数(RSI、14日ベース)は70を上回っており、買いの過 熱感が示されている。

東海東京証券金融市場部の二瓶洋トレーディンググループマネー ジャーは、北米のファンドを中心としたレパトリエーション(自国へ の資金回帰)の動きが目立つ中、過去最高値の更新が続いていた金先 物相場などのリスク資産に対する高値警戒感も生じており、「いったん ドルに資金を引き揚げる動きが出やすい」と説明している。

また、前日に発表された10月の米住宅着工件数が市場の予想を下 回る弱い内容となり、クレディ・スイス証の小笠原氏は、足元の米指 標は強弱入り混じっている状況で、「リスク資産向け投資に対する警戒 感が出て来ている可能性はある」と指摘する。

この日の米国時間には、新規失業保険申請件数や10月の景気先行 指標などの経済指標が発表される。

米金利先安観くすぶる

一方で、米セントルイス連銀のブラード総裁は18日にセントルイ スで行った講演で、「過去2回のリセッション(景気後退)を見ると、 いずれの場合も連邦公開市場委員会(FOMC)は金融引き締めを開 始するまでに、2年半から3年の間を置いた」とした上で、「これを指 標とするならば、次の引き締め開始は2012年前半になる」と語った。

英国銀行協会(BBA)によると、3カ月物ドル建てロンドン銀 行間取引金利(LIBOR)は前日に0.27%を割り込んで、過去最低 水準を更新している。

この日はダラス連銀のフィッシャー総裁やフィラデルフィア連銀 のプロッサー総裁が講演する予定で、引き続き低金利策の長期化観測 が警戒される。

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