日経平均4カ月ぶり安値、増資懸念で金融株に売り圧力-為替警戒も

東京株式相場は続落し、日経平均 株価が4カ月ぶりの安値に沈んだ。増資による1株利益の希薄化が懸念 された三菱UFJフィナンシャル・グループをはじめ、銀行や証券株が 総崩れ。為替の円高や景気の先行きに対する根強い懸念もあり、輸出関 連株の下げも大きくなった。

日経平均株価の終値は前日比127円33銭(1.3%)安の9549円47 銭と3日続落。心理的節目で、7月17日以来となる9500円を一時割り 込んだ。TOPIXは12.35ポイント(1.5%)安の837.71と7日連続 安。東証1部33業種のTOPIXへの下落寄与度1位は銀行で、電気 機器と輸送用機器が続いた。

MDAMアセットマネジメントの福島毅執行役員は、「余裕を持た せて自己資本規制に対応するには、三井住友フィナンシャルグループと みずほフィナンシャルグループももう1度増資をせざるを得ない」と指 摘。また、企業の増資が市場に悪影響を与えているのは、「損失を計上 しながら経営者が責任を取らず、事業の選択と集中も十分行わないうち に増資する企業が多い」ためと話している。

三菱UFJが最大1兆円を調達する新株式の発行計画を正式発表し たが、悪材料出尽くしとはならなかった。朝方こそ小動きで始まったも のの、その後はじり安展開。きのう7月安値を割り込んだTOPIXに 続き、日経平均も当面の下値めどと見られていた10月6日の安値 (9628円)を下抜けたことで、「株価の低迷はしばらく続くとして好 業績銘柄にまで一斉に換金売りが出た」と、水戸証券の吉井豊投資情報 部長は話す。

金融株への売りが止まらず、3大金融グループだけでなく、野村ホ ールディングスなど証券株も急落。MDAMの福島氏は「三菱UFJが 増資を発表すれば悪い材料が出尽くすと期待してポジション(持ち高) を組んでいた向きが、株価の反応の悪さを見て処分売りを出した可能性 もある」と見ていた。

日本株の弱気度は02年11月以来

輸出関連株の下げもきつい。米セントルイス連銀のブラード総裁は 18 日、米金融当局が利上げを開始するのは2012年の初め以降になるか もしれないとの見方を示唆。大和証券SMBC金融証券研究所・投資戦 略部の高橋和宏部長によると、「円高圧力が12年まで続きかねず、輸 出関連は業績の上方修正期待が持ちづらくなっている」という。

一方、米メリルリンチが実施した投資家調査によると、今後1年間 に日本株をオーバーウエートしたい投資家(アンダーウエートを引いた ネット)は、10月のマイナス20%から11月はマイナス27%と、弱気 度合いが2002年11月の水準まで高まった。三菱UFJ投信の関口研二 戦略運用部長は、「グローバルにファンダメンタルズは改善に向かって いるが、日本株は円高や増資による需給の悪化という固有の要因や、米 株の上昇ピッチの緩みからもたついている」と指摘していた。

一部では下げ止まりの兆しも

全般は依然として売り優勢ながら、東証1部売買代金上位ではオリ ックスやジーエス・ユアサ コーポレーションが取引終了にかけて高く なるなど、先行して下げていた銘柄の一角には下げ止まりの兆しが出て いる。新興3市場でも午後にはミクシィがプラスに急浮上するなど、大 きく値を戻す銘柄が相次いだ。

水戸証の吉井氏は、同証券独自の日経平均のテクニカル指標が10 月5日以来の売られ過ぎを示唆したとし、「前回は翌日の6日から5連 騰に向かっており、経験則上からはいつ反発してもおかしくないところ まで来ている」と話していた。

東証1部の売買高は概算25億5825万株、売買代金は同1兆4866 億円。値上がり銘柄数は482、値下がり銘柄数は1070。

Fリテイリ急落、三菱レは値上がり1位

個別では、創業60周年記念キャンペーンは粗利にはポジティブで ないとし、JPモルガン証券が「アンダーウエート」を強調したファー ストリテイリングが急落。三菱レイヨン買収で最終合意し、買収に伴う 資金調達への懸念が高まった三菱ケミカルホールディングスは8カ月ぶ りに上場来安値を更新した。政府税制調査会による租税特別措置の見直 し対象にナフサ免税も加わる可能性があるとし、クレディ・スイス証券 が「アンダーパフォーム」を強調した三井化学も大幅安。

半面、三菱ケミHによる買収で株式公開買い付け(TOB)価格 380円が意識された三菱レは、ストップ高(制限値幅いっぱいの上昇) で東証1部の値上がり率1位。シティグループ証券が投資判断を「中 立」へ引き上げたアイフルは同2位と急伸した。増資による資金調達額 が最大126億円(従来182億円)に減少する見通しと発表した曙ブレー キ工業は8日ぶりの大幅反発となった。

マザーズは算出以来最長の13日連続安

新興市場は高安まちまち。ジャスダック指数の終値は前日比

0.02%高の44.80ポイントと7日ぶりに小幅反発したが、東証マザーズ 指数は0.3%安の367.09ポイントと指数算出以来の13日連続安、大証 ヘラクレス指数は1%安の508.42ポイント。

個別では、事業会社売却でアウトソーシング事業の収益改善がフル に反映される体制になるとし、いちよし経済研究所が強気の投資判断を 強調したUTホールディングスがストップ高比例配分となった。バリュ エーション対象期間や妥当修正PER(株価収益率)の変更から、三菱 UFJ証券が目標株価を引き上げた楽天は4日ぶり反発。

半面、東証1部市場で需給不安が高まる中、売り出しを控えたグリ ーが大幅続落。売買代金上位ではセブン銀行、オンコセラピー・サイエ ンス、日本通信、日本風力開発が下げた。

--取材協力:池田 亜希子 Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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