カタール:アジアで大型石化事業、8700億円-伊藤忠参加も

カタール国営石油傘下のカター ル・ペトロリアム・インターナショナル(QPI)は2015年をめど に中国の海南島とベトナムのホーチミン市近郊で石油化学製品を製造 するプラントの建設を検討している。建設費は計98億ドル(約 8737億円)に達する見通し。今後成長が見込まれるアジア市場で積 極策に出る。ベトナム事業には伊藤忠商事も参加する可能性がある。

QPIのナセル・ジャイダ最高経営責任者(CEO)が18日、 都内でブルームバーグ・ニュースのインタビューで明らかにした。カ タールは、年間約600万トンの液化石油ガス(LPG)生産量を来 年末には同1200万トンまで増やすことを計画しており、「増加分の ほとんどをアジア向けに供給したい」考えだ。

積極的な投資は、原料にLPGを利用するプラントを建設するこ とでLPG需要の拡大を狙ったもの。ジャイダ氏はアジア、とりわけ 中国市場が膨大な需要を秘めていると期待感を示した。石化製品の市 場獲得のほか、LPGの重要な販売先にもなることから、プラントの 建設は「一石二鳥だ」と語った。

海南島ではQPIと中国国内の石化メーカーのほか、中国海洋石 油が参加する可能性もあるという。プラントの建設には約58億ドル を投入する。年380万トンのLPGを分解するとともに、260万トン のオレフィンなど同300万トンの石化製品を生産する能力を備える。 ジャイダ氏は「10年の第2四半期までに中国政府に事業計画の承認 を申請したい」と語った。

ベトナムでも石化プラントを検討

トライゼン・インターナショナル(シンガポール)のコンサルタ ント、トニー・リーガン氏は「下流の市場に参入し、より消費者に近 い事業に取り組む必要があると考えるのは、産油国、産ガス国でしば しば見受けられる事例」と指摘。同氏は「産ガス国として、市場での 競争がより強まっていると感じ始めているのではないか」とみている。

中国海洋石油の広報担当の肖宗偉氏(北京在勤)は、海南島で投 資計画があるとは聞いていないとコメントしている。

QPIは「より消費地に近い地域に生産拠点を構える」という戦 略の下、ベトナムでも石化プラントの建設を計画。ジャイダ氏による と、ベトナム国営のペトロベトナムや伊藤忠商事のほか、タイ企業が 同計画への参加を検討しているという。最大40億ドルを投じて15 年ごろまでに、ホーチミン市近郊に海南島と同規模のプラントを建設 する考えだ。

伊藤忠は07年11月、QPIと海外の石油ガス上流開発、新エ ネルギー事業、石油化学の分野で協力することで合意している。伊藤 忠広報部によると、同社はベトナムでの石化プラント事業について検 討しているという。

オマーンで発電事業-丸紅や中部電力も

カタール国外でのエネルギー関連事業に投資しているQPIは、 オマーンでも日本企業と共同で発電事業に取り組むことをもくろむ。 ジャイダ氏は、オマーン政府が12月に実施する入札に、丸紅、中部 電力、カタール電力水利公社と共同で応札する計画があることを明ら かにした。

オマーンに天然ガスを燃料とする発電所を建設して電力を販売す る事業を計画しており、ジャイダ氏は「半数近くの株式をQPIが保 有する予定」で、その他の出資比率については現在交渉中だという。

中部電力の柴田敏充広報担当は、オマーンの発電事業への入札に ついて「現時点ではコメントできない」と話した。丸紅広報部の野村 容氏は「前向きに検討している」としたうえで、具体的な内容につい てはコメントできないと話した。

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