長期金利、デフレ宣言で金融緩和強まれば1%との声-6年ぶり水準へ

週末にもとみられる政府のデフレ 宣言で、日本銀行による金融緩和が強まれば、長期金利の指標である新 発10年国債利回りは1%程度と、2003年以来の超低金利水準に突入す る可能性があるとみられている。

菅直人副総理・国家戦略相は17日の会見で、20日に予定されてい る11月の月例経済報告の中で、物価情勢についてデフレについて何ら の表現が加わるとの考えを示した。

政府が、物価はデフレ的な状況との判断を示せば、物価の安定に責 任を負う日銀は金融引き締め方向の政策を取りづらくなる。実際、01 年3月-06年8月のデフレ局面では、日銀の金融政策が量的金融緩和 策をとった01年3月-06年3月と重なり合う。

追加金融緩和は債券相場にとって追い風だ。シティグループ証券チ ーフストラテジストの佐野一彦氏は、日銀が実際に追加金融緩和を実施 するかは不透明で、メインシナリオとは見ていないとしながらも「追加 緩和に踏み切るようなことがあれば、長期金利は1%程度まで低下す る」との見方を示した。

先行き景気の二番底懸念が強まると、日銀には金融緩和継続を事実 上約束する「時間軸効果」の強化策や国債買い入れ増額などが検討課題 に挙がる可能性が高いとみられている。UBS証券の道家映二チーフス トラテジストは、具体的に①資金供給オペの長期化②国庫短期証券の買 い取り増額③時間軸政策の強化④国債買い入れの増額や残存期間別割り 振りの変更-などを挙げた。

その上で、道家氏は「政治圧力の強さや円相場の動向などに左右さ れるものの、早ければ来月の金融政策決定会合で決まるだろう。国債買 い入れ増額などは来春ごろをイメージしている」と言う。

政府・日銀の定例協議

政府と日銀の定例協議の場が近日中に設けられることも、市場での 追加金融緩和の憶測につながっている。UBS証の道家氏は「政府はデ フレへの懸念を強めており、日銀への追加緩和圧力となる」と述べた。

もっとも、日銀は10月30日の金融政策決定会合で、12月末を期 限とする企業金融支援のための時限措置のうち、コマーシャルペーパー (CP)と社債の買い入れについて年内で停止し、企業金融支援特別オ ペは来年3月末まで延長した上で完了することを決めたばかり。

HSBC証券チーフエコノミストの白石誠司氏は、政府と日銀の定 例協議について、「日銀は、政府と協力するものの、金融政策でできる ことはなく、過大な要求をされても困ると説明する場になるのではない か」として、冷静な見方を示している。

菅担当相も17日の会見で、政府・日銀との連携については、日銀 の独立性を侵さない範囲で意見交換したいと述べた。

追加緩和で財政規律に懸念も

日銀の追加金融緩和によって、長期金利が低下すれば、政府の財政 悪化に対する危機感が薄れると危惧する声も聞かれる。結果的に財政再 建の遅れにつながり、需給悪化による悪い金利上昇を促すという副作用 が生じるというものだ。

RBS証券債券ストラテジストの徐瑞雪氏は、「長い目でみると、 政府はこれを口実に国債増発に向かいそうだ。財政規律が守られるか疑 問だと懸念している」と話す。

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