11月18日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update2)

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルがユーロに対して下落。セン トルイス連銀のブラード総裁が、過去の経験を踏まえると政策当局は 利上げを2012年前半まで実施しない可能性があるとの考えを示した ことが背景。

英ポンドは対ユーロでほぼ2カ月ぶり高値から反落。イングラン ド銀行(英中央銀行)が今月の金融政策委員会で資産買い取りプログ ラムの規模を250億ポンド拡大したが、この決定が全会一致ではな かったことが議事録で示されたことがきっかけ。チリのペソは対ドル で08年7月以来の高値に上昇。同国の最大輸出品目である銅価格の 値上がりが買い材料になった。

クラリデン・ロイ(チューリヒ)のマネジングディレクター、サ ンディープ・マルホトラ氏はブルームバーグテレビジョンとのインタ ビューで、「長期的にはドルは引き続き下落基調にある」と指摘。 「米消費者が今後直面する制約や米国の巨大な債務負担を考慮すれば、 成長分野をめぐる構造転換が続くだろう」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時11分現在、ドルは対ユーロで前日比

0.6%安の1ユーロ=1.4966ドル(前日は同1.4876ドル)。ユーロ は対円で0.8%高の1ユーロ=133円77銭(前日は同132円77 銭)。ドルは対円で0.1%高の1ドル=89円38銭(前日は同89円 25銭)。

ドルは1ユーロ=1.50ドルに接近した時点で下げ止まった。B MOキャピタル・マーケッツの外国為替取引マネジングディレクター、 C・J・ガブジー氏(トロント在勤)は、誰もがドル売りを急いでい るわけではないと指摘した。

ブラード総裁はセントルイスでの講演で、米連邦準備制度理事会 (FRB)の「今後の主要な課題」は、インフレを誘発することなく 景気支援に向けた主要手段である1兆7250億ドルの資産購入プログ ラムを調整していくことだと述べた。

資産バブル

同総裁はさらに、いつ引き締めに転じるかの議論では、「低過ぎ る金利を長く維持し過ぎることが資産バブルを生み出す恐れがあると いう考えが、重要な論点になるだろう」と付け加えた。

クリーブランド連銀のピアナルト総裁は前日、リセッション(景 気後退)からの回復は、「緩慢かつ起伏の多い」軌道を辿ることにな るだろうとの見解を示した。ブラード、ピアナルト両総裁はともに来 年、連邦公開市場委員会(FOMC)での投票権を有する。

コメルツバンクはFOMCが利上げの用意があると示唆するまで、 ドルの対ユーロでの上昇はなさそうだと指摘する。

キャリー取引

アンチェ・プレフケ氏などコメルツ銀行のアナリストらは顧客向 け調査リポートで、「利上げ開始への期待がない限り、ユーロ・ドル 相場の明確な反転はないだろうと考える。ドルは低金利を背景にキャ リー取引で絶好の調達通貨であり続けるだろう」と記述した。

ドルは対ユーロで一時下げ幅を縮小する場面もあった。米商務省 が発表した10月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換算、以下同 じ)が52万9000戸に減少したことが背景。ブルームバーグ・ニュ ースがまとめたエコノミストの予想中央値では60万戸への増加が見 込まれていた。前月改定値は59万2000戸(速報値59万戸)。

英ポンドは対ユーロで1%安の1ユーロ=89.38ペンスと、5日 ぶりに下落。前日は同88.34ペンスと、9月15日以来の高値に値上 がりしていた。ポンドはこの日、対ドルで0.4%安。

イングランド銀行の議事録によれば、キング総裁ら9人から成る 政策委員メンバーは資産買い取り規模を拡大し2000億ポンドにする ことに7人が賛成票を投じた。スペンサー・デール氏が据え置きを求 めたほか、デービッド・マイルズ氏は400億ポンドの拡大を主張し た。

チリのペソは対ドルで一時1%高。ニューヨーク商業取引所(N YMEX)のCOMEX部門の銅先物相場3月限は1ポンド=3.193 ドルに達し、08年9月以来の高値を付けた。

◎米国株式市場

米株式相場は小反落。セールスフォース・ドット・コムやオート デスクが示した収益見通しはアナリスト予想を下回り、売り手掛かり とされた。

エンジニアリング設計ソフトウエア最大手のオートデスクは 10%安。中核市場での雇用消失で業績回復が難しくなっているとの 見解を示した。インターネットベースの顧客管理ソフト販売最大手セ ールスフォース・ドット・コムは3.1%安。

一方、バンク・オブ・アメリカ(BOA)が上昇し、相場全体 の下値は限定的になった。資産家ジョン・ポールソン氏が率いるヘッ ジファンド運営会社はBOAについて、評価損の減少に伴い2011年 末までに株価が約2倍に上昇するとの見通しを示した。コルゲート・ パルモリブとEトレード・ファイナンシャルは買収観測を背景に上昇 した。

S&P500種株価指数は前日比0.1%安の1109.80。ダウ工業株 30種平均は11.11ドル(0.1%)下落の10426.31ドル。ニューヨー ク証券取引所(NYSE)の騰落比率は2対3。

オーク・アソシエーツの運用担当者、ロバート・スティンプソン 氏は「良好な決算発表を受けて期待が高まったが、現在決算を発表し ている企業は高い期待値に沿うのが困難になりつつある」と指摘した。

業績

第3四半期決算を発表したS&P500種構成企業の80%で1株 当たり利益が予想を上回っており、ブルームバーグのデータが残る 1993年以降で最高となっている。ただ、減益は9四半期連続と過去 最長。

S&P500種は3月に付けた12年ぶりの安値から最大で64%戻 し、継続事業の実績ベースでの株価収益率(PER)は約22倍と、 ブルームバーグがまとめた週間データで2002年以来の高水準となっ た。

オートデスクの2009年11月-10年1月(第4四半期)の一部 項目を除いた1株利益見通しは最大24セントと、アナリスト予想の 平均(25セント)を下回った。

セールスフォース・ドット・コムは09年11月-10年1月(第 4四半期)の1株利益を14-15セントと予想。ブルームバーグ・ニ ュースがまとめたアナリスト予想の平均は15セントだった。

BOA株は3.7%高と、ダウ平均の構成銘柄では上昇率首位。ジ ョン・ポールソン氏率いるヘッジファンド運営会社ポールソンは投資 家向け四半期リポートで、BOAの株価が2011年末までに29.81ド ルに上昇する可能性があると予想。「各銀行は2012年には現在の評 価損サイクルを通過、成長への視界が開けるだろう」と分析した。

BOAを中心に買いが入り、S&P500種の金融株指数が上昇。 セクター別ではほかにヘルスケア株指数と通信サービス株指数が上げ た。

シティの株価見通し引き上げ

シティグループのトビアス・レブコビッチ氏はS&P500種の年 末の予想を1100に、来年末予想を1150に引き上げた。企業業績の 改善と低金利が理由。

1930年代以来の急激な回復を遂げているS&P500種に、ウォ ール街のストラテジストは追いつくことができないでいる。S&P 500種は前日に1110.32で終了。ブルームバーグがまとめた10社の 2009年予想の平均を5.2%上回っている。

レブコビッチ氏の新たな予想はS&P500種が今から年末にかけ てほぼ横ばいとなり、前日終値から2010年末までに3.6%上昇する ことを意味している。

クリスティアナ・バンク・アンド・トラストの資産担当者、トー マス・ニューハイム氏は「今後3-6カ月、株式相場は値固め局面に 入り、横ばいになるとみている」と述べた。

住宅建設株は堅調

パルト・ホームズは4.6%高。シティグループが投資判断を「中 立」から「買い」に、目標株価を11ドルから12ドルへ引き上げた ことがきっかけ。シティはパルト株が市場で「正当に評価されていな い」と指摘した。

10月の住宅着工件数が11%減と予想外のマイナスになったにも かかわらず、パルトを中心に住宅建設株は上昇した。S&Pの住宅株 指数(全12銘柄)は0.7%高。

◎米国債市場

米国債市場では10年債が下落。米セントルイス連銀のブラード 総裁が18日、過去の経験から見ると利上げは2012年までない可能 性があるとの認識を示したことで、インフレが加速するとの見方が強 まった。2年債は上昇した。

2年債と10年債の利回り格差は5営業日ぶりに拡大。ブラード 総裁はセントルイスでの講演で、過去2回のリセッション(景気後 退)から見ると、次の「引き締め」開始は12年前半になると語った。 10月の米消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は市場予想を上 回る伸びとなった。米財務省は来週実施する2年、5年、7年債の入 札規模を19日に発表する。

バークレイズの金利ストラテジスト、アンシュル・プラダン氏 (ニューヨーク在勤)は、「市場はFRBに対し、必要以上に長期に わたる低金利の維持はインフレにつながるとのシグナルを送ってい る」と分析。「加えて、CPIの上昇率が予想を上回ったことや、あ すの入札規模発表も国債には重しとなっている」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時12分現在、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の3.37%。10年債(表面利率

3.375%、2019年11月償還)価格は11/32下げて100 2/32。

金融政策に最も敏感な2年債利回りは2bp低下の0.75%。一 時は0.7328%と、1月23日以来の低水準を付けた。10年債との利 回り格差は6bp拡大し2.62ポイント。

資産バブル

米調査会社ライトソンICAPによると、来週実施される入札で は、発行額は2年債が440億ドル、5年債が420億ドル、7年債は 320億ドルと見込まれている。

ブラード総裁は講演で、米金融当局にとっての中心的課題はイン フレを誘発することなく資産購入プログラムを調整することだと語っ た。さらに、いつ引き締めに転じるかの議論では、「低過ぎる金利を 長く維持し過ぎることが資産バブルを生み出す恐れがあるという考え が、重要な論点になるだろう」と付け加えた。

米労働省が発表した10月のCPIは前月比0.3%上昇となった。 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値では

0.2%と見込まれていた。

インフレ期待

10年債と10年物インフレ連動債の利回り格差は2.20ポイント となった。過去5年間の平均は2.17ポイント。

モルガン・スタンレー・スミス・バーニーの債券ストラテジスト、 ケビン・フラガナン氏はブラード総裁のコメントについて、「なおも 米金融当局が利上げに急いでいないという印象を与えており、そこか らインフレ期待が高まったことが長期債売りの一因となった」とし、 「長期にわたる低金利というメッセージは依然として続いており、イ ンフレ期待を高めている」と分析した。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は続伸、過去最高値を更新した。下落基 調にあるドルに替わる投資先としての需要が高まった。

金は一時、オンス当たり1153.40ドルまで買い進まれた。ドル はこの日ユーロに対して最大0.8%安まで下げた。主要6通貨に対す るインターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は年初から前 日までに7.3%低下。その間に金は29%値上がりした。

アーチャー・ファイナンシャル・サービシズの商品アナリスト、 スティーブン・プラット氏(シカゴ在勤)は「市場参加者はドル下落 への防衛として金に買いを入れている。この先ドルは一段と下落し、 金に資金を分散化させる動きがみられるだろう」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前日比1.80ドル(0.2%)高の1オンス=1141.20ドルで 取引を終了した。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は続伸、一時はバレル当たり80ドルを上 回る場面もあった。午前に発表された米エネルギー省の統計では原油 や留出油、ガソリンの在庫減少が明らかになった。製油所は一部施設 の稼働を停止し、原油輸入も減少した。

同統計によると先週の原油在庫は88万7000バレル減少して3 億3680万バレル。ブルームバーグ・ニュースがまとめた予想では 30万バレルの増加が見込まれていた。ガソリンと留出油の在庫も減 少した。

エナジー・セキュリティー・アナリシス(マサチューセッツ州ウ ェイクフィールド)の石油市場担当ディレクター、リック・ミュラー 氏は「原油、ガソリンおよび留出油に対する需要がある。在庫統計の 数字は非常に強い材料だったようだ」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前 日比0.44ドル(0.56%)高の1バレル=79.58ドルで終了した。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は続落。金属相場の上昇で資源株が上昇したものの、 米国で発表された10月米住宅着工件数の予想外の減少が嫌気された。

ドイツ製薬・化学企業バイエルは下落。アラブ首長国連邦(UA E)のアブダビ首長国100%出資のファンド国際石油投資(IPI C)が、バイエルを買収の標的にしているとの報道を否定したことか ら売りが膨らんだ。食品小売り大手のウィリアム・モリソン・スーパ ーマーケッツも下落。マーク・ボランド最高経営責任者(CEO)が 退社、英衣料品小売り最大手マークス・アンド・スペンサー・グルー プに移籍することが嫌気された。

一方、スイスの資源大手エクストラータなど鉱山株は上昇。銅相 場が1年2カ月ぶり高値をつけたのが背景。

ダウ欧州600指数は前日比0.3%安の249.65で引けた。米商務 省が発表した10月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換算、以下 同じ)は前月比11%減の52万9000戸だった。

ロベコ・アセット・マネジメント(パリ)の投資部門ディレクタ ー、イブ・マイヨ氏は、「市場は不安定だ。景気動向が懸念されてい る。力強い回復というものに対して懐疑的になっており、相場は勢い を失いつつある」と述べた。

18日の西欧市場では、18カ国のうち11カ国で主要株価指数が 上昇。ダウ・ユーロ50種指数は前日比0.1%高、ダウ・欧州50種指 数は0.4%下げた。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではドイツ国債相場がほぼ変わらず。世界的な景気回 復の足踏みで安全資産に対する投資家需要が維持されるとの観測が広 がる中、ドイツ政府は50億ユーロ規模の2年債入札を実施した。

独10年債利回りは1週間ぶり低水準まで1ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)未満の水準。中国人民銀行(中央銀行) 貨幣政策委員会の樊綱氏は18日、中国が不動産と商品市場のバブル に直面しているとの認識を示した。また、イングランド銀行(英中 銀)がこの日発表した金融政策委員会(MPC)議事録で、当局者ら が融資促進に向けた中銀預金金利引き下げについて協議したことが明 らかになった。フランスとスペインは19日に国債を入札する。

ラボバンク・グループのシニア市場担当エコノミスト、エルビ ン・デグロート氏(ユトレヒト在勤)は、「市場関係者はインフレに ついてかなり楽観的で、中銀がブレーキを踏む可能性をあまり警戒し ていない。これが国債への前向きな環境を作り出している」と述べ、 「供給面での大きな影響はない。現時点では需要は依然として強い」 と付け加えた。

ロンドン時間午後4時40分現在、10年債利回りは3.28%で推 移。同国債(表面利率3.25%、2020年1月償還)価格は前日比

0.03ポイント下げ99.71となった。2年債利回り1.30%と、前日を 1bp下回った。

◎英国債市場

英国債市場では、2年債相場が上昇。同利回りは前日比1ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.26%となった。一方、 10年債利回りは3.68%と、前日から1bp上昇した。

イングランド銀行(英中央銀行)が18日発表した金融政策委員 会(MPC)議事録によれば、当局者らは今月5日の会合で資産買い 取りプログラムの規模を250億ポンド拡大することを賛成多数で決 めた。メンバーのうち1人が据え置き、もう1人はより大幅な拡大 を求めた。

カリヨンの債券ストラテジスト、オーランド・グリーン氏(ロン ドン在勤)は「イングランド銀は予想されていたよりもはるかにハト 派的だった。これが短期債を若干押し上げる要因となった」と語った。

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