NY外為:ドルは対ユーロ下落、連銀総裁発言で利上げに距離感

ニューヨーク外国為替市場では ドルがユーロに対して下落。セントルイス連銀のブラード総裁が、過 去の経験を踏まえると政策当局は利上げを2012年前半まで実施しな い可能性があるとの考えを示したことが背景。

英ポンドは対ユーロでほぼ2カ月ぶり高値から反落。イングラン ド銀行(英中央銀行)が今月の金融政策委員会で資産買い取りプログ ラムの規模を250億ポンド拡大したが、この決定が全会一致ではなか ったことが議事録で示されたことがきっかけ。チリのペソは対ドルで 08年7月以来の高値に上昇。同国の最大輸出品目である銅価格の値上 がりが買い材料になった。

クラリデン・ロイ(チューリヒ)のマネジングディレクター、サ ンディープ・マルホトラ氏はブルームバーグテレビジョンとのインタ ビューで、「長期的にはドルは引き続き下落基調にある」と指摘。 「米消費者が今後直面する制約や米国の巨大な債務負担を考慮すれば、 成長分野をめぐる構造転換が続くだろう」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時11分現在、ドルは対ユーロで前日比

0.6%安の1ユーロ=1.4966ドル(前日は同1.4876ドル)。ユーロ は対円で0.8%高の1ユーロ=133円77銭(前日は同132円77 銭)。ドルは対円で0.1%高の1ドル=89円38銭(前日は同89円 25銭)。

ドルは1ユーロ=1.50ドルに接近した時点で下げ止まった。BM Oキャピタル・マーケッツの外国為替取引マネジングディレクター、 C・J・ガブジー氏(トロント在勤)は、誰もがドル売りを急いでい るわけではないと指摘した。

ブラード総裁はセントルイスでの講演で、米連邦準備制度理事会 (FRB)の「今後の主要な課題」は、インフレを誘発することなく 景気支援に向けた主要手段である1兆7250億ドルの資産購入プログ ラムを調整していくことだと述べた。

資産バブル

同総裁はさらに、いつ引き締めに転じるかの議論では、「低過ぎ る金利を長く維持し過ぎることが資産バブルを生み出す恐れがあると いう考えが、重要な論点になるだろう」と付け加えた。

クリーブランド連銀のピアナルト総裁は前日、リセッション(景 気後退)からの回復は、「緩慢かつ起伏の多い」軌道を辿ることにな るだろうとの見解を示した。ブラード、ピアナルト両総裁はともに来 年、連邦公開市場委員会(FOMC)での投票権を有する。

コメルツバンクはFOMCが利上げの用意があると示唆するまで、 ドルの対ユーロでの上昇はなさそうだと指摘する。

キャリー取引

アンチェ・プレフケ氏などコメルツ銀行のアナリストらは顧客向 け調査リポートで、「利上げ開始への期待がない限り、ユーロ・ドル 相場の明確な反転はないだろうと考える。ドルは低金利を背景にキャ リー取引で絶好の調達通貨であり続けるだろう」と記述した。

ドルは対ユーロで一時下げ幅を縮小する場面もあった。米商務省 が発表した10月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換算、以下同 じ)が52万9000戸に減少したことが背景。ブルームバーグ・ニュー スがまとめたエコノミストの予想中央値では60万戸への増加が見込ま れていた。前月改定値は59万2000戸(速報値59万戸)。

英ポンドは対ユーロで1%安の1ユーロ=89.38ペンスと、5日 ぶりに下落。前日は同88.34ペンスと、9月15日以来の高値に値上 がりしていた。ポンドはこの日、対ドルで0.4%安。

イングランド銀行の議事録によれば、キング総裁ら9人から成る 政策委員メンバーは資産買い取り規模を拡大し2000億ポンドにする ことに7人が賛成票を投じた。スペンサー・デール氏が据え置きを求 めたほか、デービッド・マイルズ氏は400億ポンドの拡大を主張した。

チリのペソは対ドルで一時1%高。ニューヨーク商業取引所(N YMEX)のCOMEX部門の銅先物相場3月限は1ポンド=3.193 ドルに達し、08年9月以来の高値を付けた。

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