今日の国内市況:TOPIXは半年ぶり安値、債券堅調・ドルじり安

東京株式相場は下落し、6日続落 のTOPIXは終値で約半年ぶりの安値となった。新株発行による1株 価値の希薄化や日本航空の経営再建問題への懸念からみずほフィナンシ ャルグループが52週安値を更新するなど銀行株が売られ、信用警戒か ら消費者金融株も急落。増資発表の東京建物株急落の連想から、不動産 株も大幅安となった。

TOPIXの終値は前日比6.94ポイント(0.8%)安の850.06ポ イント。当面の下値めどとされていた7月13日安値852ポイントを4 カ月ぶりに下回り、5月1日以来の安値となった。日経平均株価の終値 53円13銭(0.6%)安の9676円80銭。東証1部の売買高は概算で22 億6380万株、売買代金は同1兆4084億円。値上がり銘柄数は572、値 下がり1020。

普通株の増資としては、過去最大規模となる1兆円規模の年内実施 が有力視される三菱UFJの決算発表を取引終了後に控え、買い手控え ムードの強い展開だった。資源価格の上昇を受けた前日の米国株高を好 感し、朝方こそ株価指数は高く始まったが、きのうと同様買いの勢いは 続かず、日航問題の混迷化が相場の下げに拍車を掛けた。

大手銀行グループへの増資懸念がくすぶる中、前原誠司国土交通相 は18日の衆院国土交通委員会で、日航について「法的整理をしないと は言ってない。破たんさせないと言った」と述べたと、ロイター通信が 報じた。市場では不良債権化の懸念から、銀行株に対する売りが加速し た。銀行は、TOPIXの下落寄与度1位だった。

みずほFGは一時162円と、金融危機さなかの3月10日に付けた 52週安値166円を8カ月ぶりに更新したほか、東証1部の売買代金1 位の三井住友フィナンシャルグループは5.9%安と大手銀行株の中で最 も下げが大きかった。このほか金融株では、米格付け会社のスタンダー ド&プアーズ(S&P)が発行体格付けを4段階引き下げた武富士が値 幅制限いっぱいのストップ安となり、信用警戒の連想からほかの消費者 金融株も軒並み急落した。

金融を発端として事業会社に広がっている増資不安は不動産株にも 飛び火。東京建物が公募増資による資金調達を17日発表したことで売 り込まれ、三井不動産や住友不動産、三菱地所などもそろって連想売り から急落。東証1部の業種別下落率で不動産は首位だった。

TOPIXが7月安値をきょう下回ったことは、3月以降の上昇相 場の中でのスピード調整という意味合いが崩れる可能性がある、との見 方も出ていた。

債券堅調-需給懸念緩和・米債高

債券相場は午後に堅調(利回りは低下)に推移。長期金利は約1カ 月ぶりに1.3%を割り込む場面があった。国債需給の悪化懸念が緩和し ているほか、前日の米債相場が小幅続伸したことも支えとなった。12 月には国債大量償還を控えており、投資家の潜在需要はおう盛との見方 が強まった。

現物市場で新発10年物の303回債利回りは前日比0.5ベーシスポ イント(bp)低い1.30%で始まった。午前の取引終盤からは0.5bp高の

1.31%で推移したが、午後に再び買いが膨らむと一時は1.295%をつけ、 新発10年債としては10月14日以来の1.3%割れを記録した。その後は

0.5bp低い1.30%で取引された。

303回債利回りは過去1週間に20bp弱も急低下し、多くの投資家 が買いそびれた感があるだけに、市場では潜在的な需要は強いとの見方 が有力だ。年末に向けて国債需給が締まるとみられることも、足元の金 利上昇を抑制する要因とされた。ただ、中長期的な需給悪化懸念がくす ぶるなか、当面は1.3%が節目として意識される展開ともいえる。

17日の米債相場が堅調推移を維持したことも支えとなった。米債 市場では10月の米生産者物価指数(PPI)の伸びが予想対比で小幅 にとどまったため、インフレが今後も抑制されるとの見通しが広がり、 長期ゾーンを中心に買いが優勢となった。

東京先物市場の中心限月12月物は、前日比3銭安い139円18銭で 開始した。その後は139円20銭を中心に上下9銭の値幅でもみ合った が、午後遅くには一時139円33銭まで上昇し、10月8日以来ほぼ1カ 月半ぶりの高値圏に到達。9銭高の139円30銭で引けた。

市場では10月以降に強まった需給悪化懸念が後退し、前週半ばか らは相場下落の巻き戻しが続いている。政府要人から来年度の新規国債 発行額を今年度第1次補正後の44兆円以下に抑える趣旨の発言が続き、 短期的には需給不安に起因する債券売りが出にくくなっている。

財務省はあす19日に20年国債(11月債)の入札を実施する。新 発20年債の表面利率(クーポン)は2.1%に据え置かれるとの見方が やや有力。その場合には前月に続いて9月発行の113回債と銘柄統合さ れるリオープン発行となる。あす午前に相場が一段と堅調に推移すれば 利率は2.0%に低下し、3月発行の109回債(1.9%)以来の低い水準と なる。発行予定額は1兆1000億円程度に据え置かれる。

ドルじり安-低金利の長期化観測

東京外国為替市場ではドルがじり安。米国の低金利政策の継続見通 しを背景にドル・キャリートレード(低金利のドルを借り入れ、高利回 り資産に投資する取引)が続くとの観測がドルの上値を重くした。

ユーロ・ドル相場は、前日の海外市場で付けた約2週間ぶりドル高 値、1ユーロ=1.4808ドルからドルが水準を切り下げて推移。ただ日 中の値幅は1.4859ドルから1.4907ドルと0.005ドルに満たなかった。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が低金利政策の継 続姿勢を示して以降、ドル・キャリートレードが再加速している。ただ ユーロの上値も重いとの指摘も聞かれる。

ドル・円相場は1ドル=89円台前半で30銭未満の値動き。一時は 89円9銭までドルがじり安となる場面も見られたが、89円ちょうどを 割り込む勢いはなかった。

前日の海外市場では米鉱工業生産が予想を下回ったことなどを嫌気 し、リスク回避の連想からドルの買い戻しが先行。しかし、その後はド ルが伸び悩み、この日の東京市場でもドルは小幅な値動きながら上値の 重い展開となった。

ユーロ・円相場は朝方に1ユーロ=133円ちょうどを付けた後、午 後には一時132円59銭までユーロ売り・円買いが進行。日本株の下落 がリスク回避的な円高の材料になっているとの見方もある。ただ、円買 いも続かず、その後は再び132円台後半でもみ合う展開となった。

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