米デルタ、スカイチーム:日航へ10億ドル超の支援策を用意

日本航空との提携に向け国際航 空連合間の競争が激しくなる中、米デルタ航空は日航に対し10億ドル 超(900億円規模)の支援策を用意している。デルタが18日に発表し た。日航をアジアでの有力パートナーとして、デルタ陣営に引き込み、 他のアラインスとの競争に備える。

支援パッケージの内訳は、デルタを筆頭に国際航空連合スカイチ ームと協力して、優先株や普通株などの増資引き受けで5億ドル(約 445億円)、売り上げ保証で3億ドル(約267億円)、アライアンス 移籍関連で2000万ドル(約18億円)、資産担保融資で2億ドル(約 178億円)。デルタは米アメリカン航空と日航の争奪戦を繰り広げてい る。

日航はアメリカンと同じ国際航空連合のワンワールドに2007年加 盟し、現在ではアジアの中核的な存在となっている。スターアライアン スには全日本空輸が加盟しており、デルタが中心となるスカイチームに は日本の航空会社が参加しておらず、アジア地域の路線網の確保で出遅 れている。

デルタのエドワード・バスティアン社長は18日、都内で記者団に 対し、日航がスカイチームに加盟すれば年間4億ドルの増収が可能との 見通しを示した。日航が決断すれば1年以内に移行可能と指摘。さらに 日航を財務面でもサポートする用意があるとし、議決権のない株式でチ ームで5億ドル分の引き受けを検討しているとした。日航との提携は主 力金融機関などの関係者と協力して「迅速に決めたい」と強調した。

またバスティアン社長は、日航と組んでもデルタが持っている成 田空港の発着枠を放棄するつもりはないとし、「既存の成田の発着枠は 何らかの形で活用するつもり」と述べた。日航との提携については「各 地域の最も強い相手と組み流通量を獲得することが戦略」と強調した。

アメリカンとTPGは1300億円規模の出資も

一方、アメリカンと米投資ファンドのTPGは日航に対し、普通 株と優先株の取得で1300億円規模の出資を提案する可能性がある。2 人の関係者が明らかにした。

日航の西松遥社長は13日の決算会見で、海外航空会社との提携交 渉について、デルタやアメリカンとそれぞれ交渉中とし、「検討中であ り、いまは答えられない」と述べた。その上で、「スムーズにいくよう にと考えればアメリカン航空だろう」とし、「アライアンスを移行すれ ば金もかかるし、システムも構築しなければならない」などと述べた。

野村証券金融経済研究所の村山誠シニアアナリストは第一印象と しながらも、「2社が支援を競い合う状態は日航には極めて都合の良い 環境だ」と指摘。その上で、「同規模の支援なら、日航はデルタ側へは 移行せねばならず、アメリカンが有利ではないか」と述べ、アメリカン 側にとどまる方が移行の手間が省けるとの見解を示した。

三菱UFJ証券の姫野良太アナリストは、競合2社のいずれも強 みがあり、ネットワークの規模ではデルタ、将来性のある海外空港など を影響下に置いているのはアメリカンとみている。まず日航の経営再建 問題がどう決着するのかが重要であり、日航がいずれの海外陣営と組ん でも財務面で早急な改善を期待しにくいだろうと語った。

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