東京外為:ドルじり安、キャリー継続期待で上値重い―値幅は限定的

東京外国為替市場ではドルがじり 安となった。米国の低金利政策の継続見通しを背景にドル・キャリー トレード(低金利のドルを借り入れ、高利回り資産に投資する取引) が今後も続くとの観測がドルの上値を重くした。

ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で付けた約2週間ぶりドル高 値、1ユーロ=1.4808ドルからドルが水準を切り下げて推移。ただ日 中の値幅は1.4859ドルから1.4907ドルと0.005ドルに満たなかった。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の酒井聡彦営業推進役は、大きな 流れとしては、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が低 金利政策の継続姿勢を示して以降、「ドル・キャリートレードの再加 速が進んでいる」と説明。半面、ユーロの上値も重いと言い、目先は ユーロ・ドルの動きを注意して見る必要があるとしている。

ドル・円相場は1ドル=89円台前半で30銭未満の値動き。一時は 89円9銭までドルがじり安となる場面も見られたが、89円ちょうどを 割り込む勢いはなかった。

ドル安トレンドは変わらず

前日の海外市場では米鉱工業生産が予想を下回ったことなどを嫌 気して、リスク回避の連想からドルの買い戻しが先行。しかし、その 後はドルが伸び悩み、この日の東京市場でもドルは小幅な値動きなが ら上値の重い展開となった。

野村証券金融市場部の高松弘一ヴァイスプレジデントは、「大き な流れとしてのドル安トレンドは変わっていない」と指摘。ただ、米 国の感謝祭の祝日を控えて「どんどんリスクテークという感じはない 」ともいい、ファンドの決算時期である11月末が近づく中、「様子見 というか持ち高調整をしている向きもあると思う」と語っていた。

この日は米国で10月の住宅着工件数や消費者物価指数(CPI) が発表される。住宅市場の回復とインフレの抑制が確認されれば、米 国の低金利政策が長期化するとの観測からドルを借り入れ、高利回り 資産に投資するドル・キャリー取引に安心感が広がる可能性がある。

一方、みずほ証券の林秀毅グローバルエコノミストは、住宅指標 が予想を下回れば、「リスク収縮的な動きが促され、ドルの買い戻し が後押しされる可能性もある」と指摘する。ただ、米金融当局が低金 利政策を維持するという大前提の下で、「緩やかなドル安」という基 調に変化はないとしている。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、 10月の住宅着工件数は年率60万件と昨年11月以来の高水準に達する見 込み。一方、10月のCPIは9月に続き前月比0.2%の上昇にとどまる 見通しとなっている。

日本株軟調で円買いも

ユーロ・円相場は朝方に1ユーロ=133円ちょうどを付けた後、午 後には一時132円59銭までユーロ売り・円買いが進行。三菱UFJ信託 銀の酒井氏は「世界的には株はそれほど下がっていないはずだが、日本 株は増資の話などで下がっており、これがリスク回避的な円高の材料に なっている可能性はある」と分析。ただ、円買いも続かず、その後は再 び132円台後半でもみ合う展開となった。

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