TOPIXは半年ぶり安値、増資や信用警戒で金融や不動産株に売り

東京株式相場は下落し、6日続落 のTOPIXは終値で約半年ぶりの安値となった。新株発行による1株 価値の希薄化や日本航空の経営再建問題への懸念からみずほフィナンシ ャルグループが年初来安値を更新するなど銀行株が売られ、信用警戒か ら消費者金融株も急落。増資発表の東京建物株が急落した連想から、不 動産株も大幅安となった。

プリンシパル・グローバル・インベスターズの板垣均社長は、「日 本経済はデフレが進んでいるだけで、名目値では2期連続で何の成長も していない」と指摘。銀行と不動産株の動きは景気に先行性があり、 「企業収益にはデフレーターがない。両業種の下げは単に増資懸念だけ によるものではなく、もっと弱気相場が来る前触れだ」と述べた。

TOPIXの終値は前日比6.94ポイント(0.8%)安の850.06ポイ ントと、当面の下値めどと見られていた7月13日安値852ポイントを 4カ月ぶりに下回り、5月1日以来の安値水準となった。日経平均株価 の終値53円13銭(0.6%)安の9676円80銭。

普通株の増資としては、過去最大規模となる1兆円規模の年内実施 が有力視される三菱UFJの決算発表を取引終了後に控え、買い手控え ムードの強い展開だった。資源価格の上昇を受けた前日の米国株高を好 感し、朝方こそ株価指数は高く始まったが、きのうと同様買いの勢いは 続かず、日航問題の混迷化が相場の下げに拍車を掛けた。

みずほFGは年初来安値、きょうは不動産へ飛び火

大手銀行グループの増資懸念がくすぶる中、前原誠司国土交通相は 18日の衆院国土交通委員会で、日航について「法的整理をしないとは 言ってない。破たんさせないと言った」と述べたと、ロイター通信が報 じた。明和証券の矢野正義シニア・マーケットアナリストによると、 「巨額の融資をしている銀行にとって不良債権の可能性が出てくる」と し、銀行株に対する売りが加速したと見る。銀行指数はTOPIXの下 落寄与度1位だった。

みずほFGは一時162円と、金融危機さなかの3月10日に付けた 166円を下回り、8カ月ぶりに年初来安値更新したほか、東証1部の売 買代金1位の三井住友フィナンシャルグループは5.9%安と大手銀行株 の中で最も下げが大きかった。このほか金融株では、米格付け会社のス タンダード&プアーズ(S&P)が発行体格付けを4段階引き下げた武 富士が値幅制限いっぱいのストップ安となり、信用警戒の連想からほか の消費者金融株も軒並み急落した。

また、金融を発端とした増資不安が不動産株にも飛び火。東京建物 が公募増資による資金調達を17日発表したことで売り込まれ、三井不 動産や住友不動産、三菱地所もそろって連想売りから急落。東証1部の 業種別下落率で不動産は首位だった。

りそな銀行アセットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・ストラテジ ストは、「業績が予想より良いというのは世界共通。世界中が米国と連 動しているのに、日本だけ動きが違う。増資ラッシュと通貨高がその背 景」と指摘。きょうは東建物の増資発表を受け、「不動産業界に増資懸 念が広がった」と話している。

「スピード調整でなくなる可能性」

TOPIXが7月安値を付けた日の日経平均は9050円。明和証の 矢野氏は、「銀行株のこれまでの下落場面では個人投資家が買い出動し ていた。信用取引で追い証(追加担保の差し入れ義務)が発生して処分 売りが出ていることが、きょうのTOPIXや新興市場の下げに表れて いる」と指摘。TOPIXが7月の安値をきょう下回ったことは、現在 の下げが3月以降の上昇相場の中でのスピード調整ではなくなる可能性 がある、と危惧していた。

東証1部の売買高は概算で22億6380万株、売買代金は同1兆 4084 億円。値上がり銘柄数は572、値下がり1020。

IHIは5日続落、JR東日本は高い

個別材料では、メリルリンチ日本証券が格下げしたIHIが5日続 落し、モルガン・スタンレー証券が格下げしたいすゞ自動車は3日続落 した。一部証券の格上げできのう急伸したユナイテッドアローズは一転 売りが膨らみ、一時ストップ安まで売られた。東証1部値下がり率上位 には、タクトホームやフージャースコーポレーション、ケネディクス、 ゴールドウインなどの不動産関連、アイフルやプロミスなど消費者金融 が多数入った。

半面、17日付の日本経済新聞夕刊が、高速道路無料化の予算要求 が見直し対象になると報じたことを受け、ゴールドマン・サックス証券 が素直にポジティブな影響があるとしたJR東日本やJR東海など陸運 株の一角が上昇。世界半導体統計が2010年世界半導体市場の規模見通 しを前年比12%増に上方修正した影響で、東京エレクトロンやアドバ ンテスト、信越化学工業など半導体製造装置株も高くなった。

新興市場は続落した。ジャスダック指数の終値は前日比1%安の

44.79と6日続落。東証マザーズ指数は1.4%安の368.29と12日連続安 で、大証ヘラクレス指数は1.4%安の513.51と8日続落。

個別では、不動産業界に対する増資警戒から、ダヴィンチ・ホール ディングスやアセット・マネジャーズ・ホールディングスなど不動産関 連株が大幅安。4-9月期業績の計画未達が引き続き嫌気されたUTホ ールディングスは3日連続のストップ安となった。売買代金上位では楽 天、グリー、エヌ・ピー・シーが安い。

半面、メリルリンチ日本証券が投資判断の買いを強調したジュピタ ーテレコムが4日ぶり反発。09年12月期業績は会社計画を上回る可能 性が高いとし、いちよし経済研究所が目標株価を引き上げたエリアリン クはストップ高。売買代金上位ではセブン銀行、ACCESS、日本通 信が高い。

--取材協力:池田 亜希子 Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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