長期金利1カ月ぶり1.3%割れ、需給懸念緩和や米債高-潜在需要強い

債券相場は午後に堅調(利回りは 低下)に推移し、長期金利は約1カ月ぶりに1.3%を割り込む場面があ った。国債需給の悪化懸念が緩和しているほか、前日の米債相場が小幅 続伸したことも支えとなった。12月には国債大量償還を控えており、 投資家の潜在需要はおう盛との見方が強まった。

損保ジャパン・アセットマネジメントの平松伸仁シニアインベスト メントマネジャーは、財政悪化懸念を背景に外国人投資家が主導した金 利上昇が巻き戻されており、現状水準は居心地が悪くないといい、「年 末にかけては再び金利低下の方向でみている」との見方も示した。

現物市場で新発10年物の303回債利回りは前日比0.5ベーシスポ イント(bp)低い1.30%で始まった。午前の取引終盤からは0.5bp高の

1.31%で推移したが、午後に入って再び買いが膨らむと一時は1.295% をつけて、新発10年債としては、10月14日以来の1.3%割れを記録し た。午後4時15分現在では0.5bp低い1.30%で取引されている。

303回債利回りは過去1週間に20bp弱も急低下したことで、多くの 投資家が買いそびれた感があるだけに、市場では潜在的な需要は強いと の見方が有力だ。大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グ ループリーダーは、引き続き海外勢の先物買い戻しが相場上昇をけん引 しているとしながらも、「戻り売りが思った以上に少ないことからは、 投資家が押し目買いスタンスであることがうかがえる」という。

12月に国債大量償還

年末に向けて国債需給が締まるとみられることも、足元の金利上昇 を抑制する要因として意識された。岡三証券の坂東明継シニアエコノミ ストによると、12月は国債の大量償還によって約1兆円の需要超過に なるため、「2010年度予算編成に伴う増発懸念は根強いものの、償還 資金の消化目的の買いニーズが先週からすでに出ている」といい、今後 も投資家の買い需要に支えられて金利は安定すると指摘した。

17日の米債相場が堅調推移を維持したことも支えとなった。米債 市場では10月の米生産者物価指数(PPI)の伸びが予想対比で小幅 にとどまったため、インフレが今後も抑制されるとの見通しが広がり、 長期ゾーンを中心に買いが優勢となった。

ただ、中長期的な需給悪化懸念がくすぶっているなかで、当面は

1.3%が節目として意識される展開ともいえる。損保ジャパン・アセッ トの平松氏は、長期金利はゼロ金利時代に1.2-1.6%のレンジを形成 していたとしたうえで、「1.3%割れから一段と金利が低下するにはき っかけが必要で、金余りを背景とした都銀勢による債券購入や、景気の 想定以上の悪化といった材料がほしい」ともいう。

あす20年国債入札

財務省はあす19日に20年国債(11月債)の入札を実施する。新発 20年債の表面利率(クーポン)は2.1%に据え置かれるとの見方がやや 有力で、その場合には前月に続いて9月発行の113回債と銘柄統合され るリオープン発行となる。あす午前に相場が一段と堅調に推移すれば利 率は2.0%に低下して、3月発行の109回債(1.9%)以来の低い水準と なる。発行予定額は1兆1000億円程度に据え置かれる。

113回債利回りは前日から2.05-2.065%で推移しており、市場では 生命保険会社や銀行などの買いが指摘されたが、あすの入札がやや低調 となることへの警戒感もある。大和住銀投信の伊藤氏は利率が2.0%に 下がることを嫌気した買いが前倒しで入った可能性もあるとみており、 「結果的に2.0%、2.1%のどちらに決まっても、需要を先食いしたお それがある」として、低調な結果を警戒する。

三菱UFJ証券の稲留克俊債券ストラテジストは、20年債の2% 台前半は今年度に入って以降で最も低いレベルにあたり、下期に超長期 債を積極的に購入する姿勢を示す生保にとっても絶対水準不足は否めな いと分析。そのうえで、「大量償還を控えての債券インデックスのデュ レーション伸張に伴う需要だけでは力不足」との見方も示した。

先物は1カ月半ぶり高値圏

東京先物市場の中心限月12月物は、前日比3銭安い139円18銭で 開始した。その後は139円20銭を中心に上下9銭の値幅でもみ合った が、午後遅くには一時139円33銭まで上昇して、10月8日以来ほぼ1 カ月半ぶり高値圏に到達。結局は9銭高の139円30銭で引けた。

市場では10月以降に強まった需給悪化懸念が後退して、前週半ば からは相場下落の巻き戻しが続いている。実際、政府要人から来年度の 新規国債発行額を今年度第1次補正後の44兆円以下に抑える趣旨の発 言が続いたことで、短期的には需給不安に起因する債券売りが出にくく なっている。

--取材協力:池田祐美 Editors:Hidenori Yamanaka, Tetsuzo Ushiroyama

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