11月17日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルが対ユーロで3日ぶりに上 昇。円も値上がりした。10月の米鉱工業生産指数が市場予想より 小幅な上昇にとどまったことを受け、利回りの高い通貨への需要が 後退した。

南アフリカ・ランドは主要通貨のうちドルに対して最も下げが きつかった。南アフリカ準備銀行(中央銀行)が同通貨の上昇を 「懸念」していると表明したことが背景。英ポンドは対ユーロで2 カ月ぶり高値に上昇。イングランド銀行(英中央銀行)の金融政策 委員会(MPC)メンバーが前日、刺激策をあまりにも長期間維持 すれば、インフレ誘発のリスクを冒していると指摘したことがきっ かけ。

バンク・オブ・ノバスコシアの通貨ストラテジスト、サチャ・ ティハニ氏は「市場はリスク主導の相場上昇が行き過ぎではないこ とを、経済のファンダメンタルズで確認したがっている」と指摘。 「多くの通貨がなお今年の高値を追う勢いをみせているが、こうし たバリュエーションではリスクに対する見返りは限られている」と 述べた。

ニューヨーク時間午後4時6分現在、ドルは対ユーロで前日比

0.7%高の1ユーロ=1.4870ドル(前日は同1.4970ドル)。ユー ロは対円で0.4%安の1ユーロ=132円80銭(前日は同133円33 銭)。ドルは対円で0.3%高の1ドル=89円30銭(前日は同89円 5銭)。

英ポンドは対ユーロで一時0.8%高の1ユーロ=88.34ペンス。 イングランド銀行の金融政策委員会メンバー、アンドルー・センタ ンス氏は前日の講演で、「リセッション(景気後退)時の火消しの 役割から、低インフレに支えられた順調な環境においての経済のか じ取りという、よりなじみのある役目にわれわれの任務が変わりつ つあると願いたい」と発言した。

英政府統計局(ONS)が発表した10月の英消費者物価指数 は、前年同月比1.5%上昇となり、8カ月ぶりに加速した。

ポンドの見通し

シティグループのテクニカルアナリスト、トム・フィッツパト リック氏(ニューヨーク在勤)は顧客向けリポートで、ユーロは対 ポンドで前日にダブルトップのネックラインを割り込んだため、1 ユーロ=87.31ペンスに下落するとの見通しを示した。

ダブルトップは相場が2回連続で高値を付けるチャート・パタ ーンを指す。両高値に挟まれた谷の部分であるネックラインを割り 込むことは下落トレンドの可能性を示唆する。

南アフリカ・ランドは対ドルで1.8%安。南ア中銀のマーカス 総裁はランドの上昇について、経済にとっては「良し悪し」だと述 べた。

ドル指数

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE) のドル指数は前日比0.5%上昇の75.297。

同指数は前日74.679と、08年8月以来の安値を付けた。バー ナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、FRBはドルの価 値変動を「注視」しており、その金融政策が「強いドルを確実なも のにする」と述べたものの、支援材料にはならなかった。

FRBが17日発表した10月の米鉱工業生産指数(製造業、鉱 業、公益事業の生産を対象、季節調整値、2002年=100)は前月比

0.1%上昇した。伸び率はブルームバーグがまとめた予想中央値

0.4%より小幅だった。9月は0.6%上昇と、速報値の0.7%上昇か ら下方修正された。

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は、強いドルは世界の 利益にかなうと述べ、バーナンキFRB議長が16日の講演でドル 相場について発言したことは「非常に重要だ」との見解を述べた。

オバマ米大統領と人民元

オバマ米大統領は、中国の胡錦濤国家主席との首脳会談で、よ り市場メカニズムに基づいた為替相場への移行を継続する必要性を 強調した。

人民銀は11日に公表した四半期報告で、政策当局が人民元の相 場形成メカニズムを「国際的な資本の流れと主要通貨の動きに基づ いて改善していく」との方針を表明した。

◎米国株式市場

米株式相場は3日続伸。鉱工業生産指数が予想を下回る伸びに とどまったものの、原油や金属相場の上昇が商品関連銘柄を押し上 げた。

米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が株式を購入したこ とが明らかになったエクソンモービルとウォルマート・ストアーズ が高い。10億ドルの債務返済を発表したスプリント・ネクステル は続伸。

一方、キャタピラーとITTは下落。10月の鉱工業生産は自 動車生産や機械需要が減少したため、全体の伸びが市場予想を下回 った。

S&P500種株価指数は前日比0.1%高の1110.32と、終値ベ ースとしては2008年10月2日以来の高水準となった。ダウ工業株 30種平均は30.46ドル(0.3%)上昇の10437.42ドル。同じく13 カ月ぶり高値となった。主要6通貨に対するインターコンチネンタ ル取引所(ICE)のドル指数は0.6%上昇し、75.310。

LPLファイナンシャル(ボストン)の最高投資責任者(CI O)、バート・ホワイト氏は「現在の相場にはまだ上値余地がある と考えている。リーマン・ブラザーズ・ホールディングスが破たん する以前の水準をまだ下回っている。当時よりも状況は格段に改善 している」と述べた。

半値戻し

S&P500種はこの日の上昇で、2007年10月に付けた最高値 からの下落分の半値戻しにあと1%未満に迫った。同水準を上回る と、チャートアナリストは上昇が続くと判断する可能性もある。リ セッション(景気後退)終息観測を背景に、3月に付けた12年ぶ りの安値から64%戻している。ただ、リーマンが破たんする直前 の2008年9月12日の水準を超えるにはあと13%上昇する必要が ある。

ウォルマートは0.9%高。エクソンは0.8%上げた。監督当局 への届け出によれば、バフェット氏率いる米保険・投資会社バーク シャー・ハサウェイは9月30日時点でエクソン株を約128万株保 有。16日終値で換算すると、時価総額は約9500万ドル。ウォルマ ートの株式保有は90%増やした。時価総額は20億ドル。

フリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールドは 1%高。中国の需要が引き続き高いとの思惑から銅相場が上昇した ことが買い材料。S&P500種の素材株指数は0.9%高と、全10セ クター中で上昇率トップ。

鉱工業生産

キャタピラーは0.9%安。10月の鉱工業生産指数は0.1%上昇 と、予想の0.4%上昇を下回った。ITTは1.3%下落。

スタイフェル・ニコラウスの運用担当者、チャド・モーガンラ ンダー氏は「鉱工業生産指数は米製造業の弱さと需要の弱さを示し ている。数日は楽観的な見方が弱まる可能性がある」と指摘した。

ターゲット、ホーム・デポ

ターゲットは3%安。11月の平均販売価格が下落したことを 明らかにするとともに、2009年11月-10年1月の既存店売上高が 減少するとの見通しを示した。

ホーム・デポは2.4%安。2009年8-10月(第3四半期)決 算は、純利益が前年同期を8.9%下回った。前日に通期見通しを下 方修正した同業のローズは1.2%下落した。

◎米国債市場

米国債市場では30年債が4営業日続伸。10月の米生産者物価指 数(PPI)の伸びが市場予想より小幅だったことで、インフレは 抑制されるとの米連邦準備制度理事会(FRB)の見通しが裏付け られたことが背景。

FRBのバーナンキ議長は16日、低インフレにより政策当局 は長期にわたって政策金利を低水準で維持する余地があることを示 唆。17日朝方発表の9月対米証券投資統計によると、海外投資家 による米国債投資は、447億ドルの買い越しとなった。8月は280 億ドルの買い越しだった。

RWプレスプリッチの政府・機関債トレーディング担当マネジ ングディレクター、ラリー・ミルスタイン氏は、「きょうの統計は きのうのバーナンキ議長の発言を裏付けるものだ」とした上で、 「短期債ではリターン(投資収益率)はあまり得られない」との見 方を示した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時19分現在、30年債利回りは前日比2ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01ポイント)低下の4.26%。30年債(表面 利率4.375%、2039年11月償還)価格は10/32上げて102ちょう ど。

対米証券投資統計によれば、米国債の保有額では中国が引き続 き7989億ドルと世界最大。前月比でみると保有額は18億ドル増加 した。次いで日本が前月から203億ドル保有を拡大して7515億ド ルだった。

「ハト派的スタンス」

BNPパリバの金利ストラテジスト、セルゲイ・ボンダルチャ ク氏は「対米証券投資の数字は長期的な流れはプラスで、外国人投 資家による米国債買いが勢いを増しつつあることを示している」と 分析した。

10月のPPI全完成品は前月比0.3%上昇。食品とエネルギー を除いたコア指数は市場予想に反して0.6%低下した。

バーナンキ議長は16日の講演で、「銀行の貸し渋りの影響で、 一部企業は事業拡大や雇用の能力が限定される」と述べた。

ジェフリーズ・グループの主任テクニカルストラテジスト、ジ ョン・スピネロ氏(ニューヨーク在勤)は「低インフレと経済面で のたるみ(スラック)に関する強調は、長期にわたる低金利という FRBのハト派的なスタンスが長期化するというメッセージをいま 一度強めるものだ」と指摘した。

「あらゆる懸念」

ブルームバーグ・ニュースが実施した調査によれば、18日に 発表される10月の消費者物価指数は前月比0.2%上昇と2カ月連 続での上昇が見込まれている。前年同期比では0.3%低下と予想さ れている。

モルガン・キーガンの債券セールス・トレーディング・調査責 任者、ケビン・ギディス氏は、「あすの消費者物価指数を見るまで は、インフレの見通しは分からない」とし、「回避不能なインフレ が差し迫っているとの懸念があるだろうが、これを裏付ける証拠は まだ現実には存在しない」と述べた。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は続伸。中央銀行や投資家の間で代替 投資としての金需要が拡大するとの観測が背景。

国際通貨基金(IMF)は16日、モーリシャスの中央銀行に金 2トンを約7170万ドルで売却したと発表した。IMFが送付した 電子メールによると、今回の売却は、低所得国向けの低利融資を強 化するため金403.3トンを売却する計画の一環。今月はすでにイン ド準備銀行(RBI、中央銀行)が、金200トンを購入したことが 発表されている。今月に入って金相場が値下がりしたのは1営業日 だけ。前日は一時、オンス当たり1144.20ドルを付け、過去最高値 を更新した。

ナショナル・セキュリティーズのチーフ・マーケット・ストラ テジスト、ドナルド・セルキン氏(ニューヨーク在勤)は「金市場 での主要テーマは実物資産への需要拡大。特にアジアからの需要 だ」と語る。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物12月限は前日比30セント高の1オンス=1139.40ドルで取引を 終了した。中心限月の取引としては月初から9.5%値上がりした。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は続伸。18日発表される米エネルギー 省の石油在庫統計で減少が示されるとの見方が買いを誘った。

ブルームバーグ・ニュースがまとめた調査によると、先週の留 出油在庫は85万バレルの減少が見込まれている。米石油協会(A PI)は17日夕に在庫統計を発表する。

エネルギー顧問会社、オイル・アウトルックス・アンド・オピ ニオンズのカール・ラリー社長は「エネルギー省、APIにか かわらず、すべての関心が在庫統計に向かっている。大きな変化が 示されることを期待している市場参加者が多数いる」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は 前日比0.24ドル(0.3%)高の1バレル=79.14ドルで終了した。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は反落。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FR B)議長が米経済の回復に向け「重大な」試練に直面していると発 言したことを嫌気し、前日に13カ月ぶり高値を付けたダウ欧州 600指数は値下がりした。

アイルランドの住宅ローン大手、アイリッシュ・ライフ・アン ド・パーマネントが大幅安。同社は2011年までの評価損見通しを 上方修正した。パブの経営で英2位のエンタープライズ・インも安 い。同社は通期の純利益が前年比で減少した。一方、英輸送サービ スのアリバは3カ月ぶり大幅高。ゴールドマン・サックス・グルー プが同社株の買いを推奨したことがきっかけ。

ダウ欧州600指数は前日比0.4%安の250.36で引けた。前日 は08年10月以来の高値で終了していた。同指数は3月9日付けた 年初来安値からは58%上昇。株価収益率(PER)は56倍と03 年以来の高水準となっている。

バーナンキ議長は前日のニューヨークでの講演で、「なお重大 な試練に直面している」と語り、「融資の流れは依然として抑制さ れ、経済活動も弱く、失業率も高過ぎる水準にある。将来的に揺り 戻しに直面する可能性がある」と続けた。

FRBが発表した10月の米鉱工業生産指数(製造業、鉱業、 公益事業の生産を対象、季節調整値、2002年=100)は前月比

0.1%上昇した。伸び率はブルームバーグがまとめた予想中央値

0.4%より小幅だった。9月は0.6%上昇と、速報値の0.7%上昇か ら下方修正された。自動車生産の落ち込みが響いた。

KBLリシュリュー(パリ)のアナリスト、ブノワ・ドブロシ ア氏は、「慎重であることが一番だ」と指摘。「信用市場の回復は 引き続き困難だ。信用の回復なしに新たな経済成長は難しいだろう。 当社では、株式相場は年末にかけ現在の水準にとどまるか下落する とみている」と述べた。

FRBはこの日、公定歩合による銀行向け窓口貸し出しの最長 期間を現行の90日から28日に縮小すると発表。これを受け株式相 場は下げ幅を拡大した。欧州中央銀行(ECB)のシュタルク理事 は金融危機対策として講じた緊急措置を引き揚げる時期が迫りつつ あるとの見解を示した。

17日の西欧市場では、18カ国すべての主要株価指数が下落。 ダウ・ユーロ50種指数は前日比0.7%安、ダウ・欧州50種指数は

0.4%下げた。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではドイツ10年債相場が上昇。世界的な景気回復 が足踏みするとの懸念から株式相場が下落し、安全資産としての国 債需要が高まった。

独10年債利回りは1週間ぶり低水準となった。バーナンキ米 連邦準備制度理事会(FRB)議長は16日、銀行融資の縮小と低 迷する労働市場という経済の「向かい風」が、米国の景気回復ペー スを抑制するとともに、長期にわたり記録的低水準にある金利を正 当化する可能性があると発言した。アイルランド政府は17日、今 年最後の国債入札を実施し、2014年償還と19年償還の国債を計 10億ユーロ売却した。

カリヨンの債券ストラテジスト、オーランド・グリーン氏(ロ ンドン在勤)は「現時点では、国債相場を圧迫するする要素はあま りない。供給面では一連の長期債入札が終わりつつあり、消化不良 の懸念が和らいだ」と語った。

ロンドン時間午後4時50分現在、10年債利回りは前日比4ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.28%と、10日 以来の低水準を付けた。同国債(表面利率3.25%、2020年1月償 還)価格は0.35ポイント上げ99.75となった。

◎英国債市場

英国債相場は上昇。イングランド(英中央銀行)がこの日、市 場より高い価格で17億ポンド相当の英国債を買い取ったことが手 掛かりだった。

2038年償還の国債(表面利率4.75%)は利回り4.23%前後 で取引されていたが、英中銀の買い取り入札での落札利回りは加重 平均で4.21%だった。ロンドン時間午後4時22分現在は4.17%と なった。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RB S)の英金利ストラテジスト、ジェイソン・シンプソン氏は「英中 銀は市場よりも高い価格で買い取った。これが総じて相場への支援 要因となった」と語った。

10年債利回りは前日比8ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01ポイント)低下の3.67%。2年債利回りは1.27%と、前日 を6bp下回った。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 楽山 麻理子 Mariko Rakuyama +1-212-617-4903 mrakuyama@bloomberg.net Editor: ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net Editor: Yoshito Okubo 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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