NY外為:ドル上昇、米指標が予想下回りリスク志向後退

ニューヨーク外国為替市場では ドルが対ユーロで3日ぶりに上昇。円も値上がりした。10月の米鉱 工業生産指数が市場予想より小幅な上昇にとどまったことを受け、利 回りの高い通貨への需要が後退した。

南アフリカ・ランドは主要通貨のうちドルに対して最も下げがき つかった。南アフリカ準備銀行(中央銀行)が同通貨の上昇を「懸 念」していると表明したことが背景。英ポンドは対ユーロで2カ月ぶ り高値に上昇。イングランド銀行(英中央銀行)の金融政策委員会 (MPC)メンバーが前日、刺激策をあまりにも長期間維持すれば、 インフレ誘発のリスクを冒していると指摘したことがきっかけ。

バンク・オブ・ノバスコシアの通貨ストラテジスト、サチャ・テ ィハニ氏は「市場はリスク主導の相場上昇が行き過ぎではないことを、 経済のファンダメンタルズで確認したがっている」と指摘。「多くの 通貨がなお今年の高値を追う勢いをみせているが、こうしたバリュエ ーションではリスクに対する見返りは限られている」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時6分現在、ドルは対ユーロで前日比

0.7%高の1ユーロ=1.4870ドル(前日は同1.4970ドル)。ユー ロは対円で0.4%安の1ユーロ=132円80銭(前日は同133円33 銭)。ドルは対円で0.3%高の1ドル=89円30銭(前日は同89円 5銭)。

英ポンドは対ユーロで一時0.8%高の1ユーロ=88.34ペンス。 イングランド銀行の金融政策委員会メンバー、アンドルー・センタン ス氏は前日の講演で、「リセッション(景気後退)時の火消しの役割 から、低インフレに支えられた順調な環境においての経済のかじ取り という、よりなじみのある役目にわれわれの任務が変わりつつあると 願いたい」と発言した。

英政府統計局(ONS)が発表した10月の英消費者物価指数は、 前年同月比1.5%上昇となり、8カ月ぶりに加速した。

ポンドの見通し

シティグループのテクニカルアナリスト、トム・フィッツパトリ ック氏(ニューヨーク在勤)は顧客向けリポートで、ユーロは対ポン ドで前日にダブルトップのネックラインを割り込んだため、1ユーロ =87.31ペンスに下落するとの見通しを示した。

ダブルトップは相場が2回連続で高値を付けるチャート・パタ ーンを指す。両高値に挟まれた谷の部分であるネックラインを割り込 むことは下落トレンドの可能性を示唆する。

南アフリカ・ランドは対ドルで1.8%安。南ア中銀のマーカス総 裁はランドの上昇について、経済にとっては「良し悪し」だと述べた。

ドル指数

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は前日比0.5%上昇の75.297。

同指数は前日74.679と、08年8月以来の安値を付けた。バー ナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、FRBはドルの価値 変動を「注視」しており、その金融政策が「強いドルを確実なものに する」と述べたものの、支援材料にはならなかった。

FRBが17日発表した10月の米鉱工業生産指数(製造業、鉱業、 公益事業の生産を対象、季節調整値、2002年=100)は前月比

0.1%上昇した。伸び率はブルームバーグがまとめた予想中央値

0.4%より小幅だった。9月は0.6%上昇と、速報値の0.7%上昇か ら下方修正された。

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は、強いドルは世界の利 益にかなうと述べ、バーナンキFRB議長が16日の講演でドル相場 について発言したことは「非常に重要だ」との見解を述べた。

オバマ米大統領と人民元

オバマ米大統領は、中国の胡錦濤国家主席との首脳会談で、より 市場メカニズムに基づいた為替相場への移行を継続する必要性を強調 した。

人民銀は11日に公表した四半期報告で、政策当局が人民元の相 場形成メカニズムを「国際的な資本の流れと主要通貨の動きに基づい て改善していく」との方針を表明した。

原題:Dollar Rises as U.S. Output Trails Forecast, Deters

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