富裕層は独立系投資アドバイザーにシフト、総合証券は顧客保持に躍起

ニューヨークで広報関係の幹部 職に就いているスティーブ・ローズさんはモルガン・スタンレー・ス ミス・バーニーに資金を預け続けるべきか、独立系の投資アドバイザ ーに乗り換えるべきかを1年がかりで検討した。その結果、先月乗り 換えを決めたと言う。

ローズさん(56)がモルガン・スタンレー・スミス・バーニー に持っていた投資口座は、資産に対して1%の運用手数料が課せられ ていたが、運用成績は市場平均を下回っていたという。「彼らは販売 するマネージド・ポートフォリオを持っていて、それを売った後は、 それっきりだ」とローズさんは話す。

投資信託保有者の権利擁護団体ファンド・デモクラシーの創設者 マーサー・ブラード氏によると、バンク・オブ・アメリカ(BOA) 傘下のメリルリンチやモルガン・スタンレー・スミス・バーニー、U BSなどの総合証券会社は、ローズさんのようなリテール(小口)顧 客の保持と富裕層投資家向けビジネスの拡大を図るため、あらためて 努力しているという。

キャップジェミニとメリルリンチが6月に公表した調査結果に よると、世界の資産家の3割近くは昨年、ウェルス・マネジメント会 社から資産を引き揚げたか、契約を終了した。46%はアドバイザー への信頼を失ったという。

コンサルタント会社セルリ・アソシエーツによれば、独立系の登 録投資アドバイザーが今年、約500億ドルの資産を取り込む見通し であるのに対し、総合証券会社の預かり資産は1800億ドルの減少が 見込まれるという。

マンハッタン大学のチャールズ・ガイスト教授(金融学)は「証 券ビジネスのリテール分野は何か新しくて魅力のあるものを考える 必要に迫られている。ウェルス・マネジメント業務を今推進している のはこれが理由だ」と指摘した。

ディスカバリー・データベースによると、メリルリンチは先月 96人のアドバイザーを採用。モルガン・スタンレー・スミス・バー ニーも54人を追加した。BOAのウェルス・マネジメント部門のサ リー・クローチェック社長は10月5日の記者会見で、アドバイザー の採用を増やしていると述べ、資産流入も続くとの見通しを示した。 同社は先月、ウェルス・マネジメント事業を重視したマーケティング 戦略で、メリルリンチの雄牛のロゴを復活させることを明らかにして いる。

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