シタデル投資銀行の「力」となるか、デスーザ氏の後任エドスパー氏

ヘッジファンド会社シタデル・イ ンベストメント・グループが新設した投資銀行部門責任者に10月に起 用されたパトリック・エドスパー氏(43)は、米銀JPモルガン・チ ェースで12年間、ヘッジファンド同様の運用を手掛けた人物だ。

ロシア語と数学、ビジネスと金融で学位を持つエドスパー氏はス ウェーデン生まれ。昨年シタデル入りした同氏は、同社を創業したケ ン・グリフィン最高経営責任者(CEO)が約1年前に投資銀行部門 シタデル・セキュリティーズのトップに起用したロヒット・デスーザ 氏が退社したため、その後任となった。

エドスパー氏はJPモルガンで、同行の自己資金取引を主に担当 していた。企業顧客への対応経験が限られた事実は、シタデルの投資 銀行部門の責任者としての役割に障害となる可能性があると、人材あ っせん会社、ボイデン・グローバル・エグゼクティブ・サーチのマネ ジングディレクター、ジョアンヌ・ブランソーバー氏は指摘する。

ブランソーバー氏はエドスパー氏について、「書類上では理想的な 候補者ではない。結局はトレーダーであり、フルサービスの投資銀行 を経営する経験の広さに欠けている」と述べた上で、「強いチームを抱 えれば、うまくいくかもしれない」とも話した。

エドスパー氏は2004年、ニューヨーク近代美術館の再オープン を記念する夕食会でグリフィンCEOと同席し、知り合った。2人は その後も連絡を取り合い、エドスパー氏は昨年、同CEOから提示さ れたシタデルの債券世界責任者および欧州事業責任者のロンドン在勤 ポジションを受け入れた。

退社

エドスパー氏は電話インタビューで、「大銀行で機敏かつ創造的に 活動するのは困難だ」と述べている。

シタデルは、エドスパー氏はJPモルガンで顧客に対応しており、 企業再建やM&A(合併・買収)に助言するシタデル部門のトップ、 トッド・カプラン氏の経験も生かせると説明。

同社の広報担当、ケイティー・スプリング氏はエドスパー氏には 「事業構築と顧客対応で際立った実績がある」と語る。また、デスー ザ氏の退社前の9月のインタビューで、グリフィンCEOは自身が経 営できなければ。エドスパー氏を経営者に選ぶだろうと述べている。

デスーザ氏は、シタデルがゴールドマン・サックス・グループと 競うような投資銀行を始めるために採用されて1年で退社した。同氏 とグリフィンCEOの2人をよく知る人物は、同CEOが新部門の収 入を迅速に伸ばせなかったデスーザ氏に我慢できなくなったとみてい る。同氏含め、シタデルでは08年初め以降、少なくとも7人の幹部が 去った。

異名

エドスパー氏を知る人物は、同氏の性格について、歯に衣着せず 物を言い、強硬な面があると指摘する。最初に就職したリーマン・ブ ラザーズ・ホールディングスでは、毎日の価格データ収集の仕事でほ とんどの前任者がトレーダーに怒鳴られるのを恐れ断念するなかでも、 同氏はデータを受け取るまで2時間もトレーダーの背後に立ち続け、 絶対的な力を意味する「ジャガーノート」の異名を取ったという。

しかしエドスパー氏のこの性格が、シタデルを1990年に23歳で 設立し、140億ドル規模のヘッジファンド運用会社に成長させたグリ フィンCEOとの間にあつれきを生む可能性を、双方を知る関係者は 指摘する。

エドスパー氏は同CEOとの関係について、「議論が白熱したこと もあるが、ほとんどが建設的に終わっている」と語っている。

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