東京外為:ドル下げ渋り、高金利通貨買い鈍い-米中会談は無難通過

東京外国為替市場では、ドルが午後 の取引にかけて下げ渋った。オーストラリアの利上げペースが市場の期 待よりも緩やかになるとの見方を背景に豪ドルなどの高金利通貨の買い 圧力が後退した。

バークレイズ銀行の逆井雄紀FXストラテジストは、バーナンキ米 連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を受けてドル売りが強まった ものの、豪州の利上げ期待が萎んだことで勢いがそがれ、ドルが買い戻 される格好になったと説明。ただ、基本的なドル安の流れは変わってい ないと言い、海外市場にかけては米国の経済指標や株価動向をみながら 「リスク許容度が高まる内容となれば、ドル売りに拍車がかかる」展開 もあり得るとみている。

豪準備銀行(RBA、中央銀行)がこの日公表した今月3日開催の 金融政策決定会合の議事録では、「経済状況が予想通りに推移すれば、 一層の段階的なキャッシュレートの引き上げが時間の経過とともに適切 となりそうだが、調整のペースは引き続き未解決の問題だ」と判断して いたことが明らかとなった。

議事録公表を受けて、オーストラリアの3カ月連続の利上げを疑問 視する見方が広がる中、豪ドルは下落。前日の相場では対ドルで2008 年8月1日以来の高値を付けたものの、この日は取引が進むにつれて対 ドルや円で売られた。

ユーロ・ドル相場は午前の取引では1ユーロ=1.49ドル台後半を中 心に推移していたが、午後は一時1.4935ドルと、前日のニューヨーク時 間午後遅くに付けた1.4970ドルからドルが水準を切り上げた。

一方、ドル・円相場は1ドル=89円ちょうどを挟んで小幅な値動き に終始した。ドルの下値が88円92銭、上値が89円17銭と、午前の取 引で形成された値幅25銭内の動きが続いた。

米金利先安観がドルに重し

米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は16日、ニュー ヨーク・エコノミック・クラブでの講演で、「融資の流れは依然として 抑制され、経済活動も弱く、失業率も高過ぎる水準にある。将来的に揺 り戻しに直面する可能性がある」との見解を示した。

ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替本部長の斎藤裕司氏は、「低金 利を長期間維持する公算が大きいということで、今までの流れを是認す るもの」と指摘している。

前日の海外市場では、ドルが全面安となり、主要6通貨に対するイ ンターコンチネンタル取引所(ICE)のドル・インデックスは一時

74.679と、昨年8月以来の水準まで低下した。

ドル・円相場は海外市場で一時88円76銭と、10月9日以来の水準 までドルが下落。ユーロ・ドル相場は一時1.5016ドルと、2営業日ぶり のドル安値を付けていた。

米中首脳会談は無難通過

一方、この日は中国の北京で、胡錦濤国家主席と同国を訪問中のオ バマ米大統領が首脳会談を行った。会談後の共同記者会見で、オバマ大 統領は、中国が自国通貨をより市場ベースに基づくよう引き続き移行す る必要があると胡主席に強調したことを明らかにした。

国際通貨基金(IMF)のストロスカーン専務理事が16日に、人民 元は依然として過小評価されているとの認識を示す中、米中首脳の発言 が注目されていたが、相場への影響は限定的だった。

バークレイズ銀の逆井氏は、中国は自国の経済を考えて、すぐに人 民元の切り上げに踏み込むことは難しく、今すぐ何かが変わるという問 題ではないと指摘。今回の米中会談で「具体的な話が出なかったことか ら、結果としてマーケットを動かすまでには到らなかった」と説明して いる。

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