短期市場:TB1年入札、増発を無難消化-利回り上昇で需要増加も

財務省がこの日実施した国庫短期証 券(TB)1年物の入札は無難に消化された。TBの需給悪化で発行増 額の影響が警戒されたが、落札利回りが上昇したことで需要の増加も指 摘された。

TB68回債の入札結果は、最高利回りが前回より1.3ベーシスポイン ト(bp)高い0.1883%と4カ月ぶりの高水準になった。平均利回りは

1.5bp上昇の0.1873%だった。応札倍率は4.13倍と前回(3.58倍)から 上昇。入札後は0.18-0.185%で少額の取引が成立した。

今回のTB1年物の発行額は前回より2000億円多い2兆5000億円。 市場関係者によると、発行額の6割近い1兆4000億-5000億円程度が 落札先不明とされており、銀行などの投資家が直接落札したとの見方 も出ていた。

東短リサーチの寺田寿明研究員は、事前予想の0.19%に比べて、や や強い入札結果だったと指摘。「この利回り水準なら、ある程度、投資 家の需要もあっただろう。確実に落札する動きが影響したのではないか 」との見方を示した。

前週11日のTB3カ月物入札は、予想外の投資家需要を背景に、入 札後の買い戻しで利回りが急低下した経緯もあり、今回はディーラーの 積極的な応札を予想する声もあった。

国内大手銀行の短期商品ディーラーは、日本銀行による低金利政策 の長期化見通しが強まる中、日銀オペを使えば0.13-0.14%で資金が確 保できるため、0.18%以上の利回りなら安心して買えるという。この日 は新発TB6カ月物の0.17%も買われた。2年利付債利回りの低下傾向 も投資家の買いを促す要因だったとみられている。

慎重な姿勢も

一方、東短の寺田氏は、「何か起こった場合を考えると、今の1年 物の水準を買うのは抵抗感を持つ参加者もいるだろう」という。政府が 税収不足を補うため、TBをさらに増発する可能性があるうえ、1年物 はもともと投資家層が薄く、流動性が低いためだ。

また、今週は18日に3カ月物(発行額5.7兆円)、19日に2カ月 物(3.5兆円)と、TBの入札が3日連続で実施され、ディーラーの在 庫が膨らむリスクもある。

国内証券のTBディーラーは、日銀がいくら低金利政策の時間軸を 延ばしても、資金供給オペを増やしてレポ(現金担保付債券貸借)金利 を押し下げなければ、TB1年物までの利回り曲線はこれ以上、平たん 化しづらいとの見方を示した。

翌日物0.10-0.12%、日銀オペ0.13%

無担保コール翌日物は前日の加重平均金利0.106%に比べ、0.105% を中心に底堅く推移した。この日は国債決済日にあたるうえ、準備預金 の積み上げを進める国内銀行の調達需要が根強かった。午後に一部金融 機関で0.11-0.12%まで資金を確保する動きも見られた。

午前の国債買い現先オペは、スポットネクスト物(19日-20日) 6000億円とターム物(19日-27日)6000億円の最低落札金利が0.13% だった。午後の本店共通担保オペ4000億円(18日-12月3日)の最低 金利も0.13%で横ばいだった。

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