TOPIX7月来の5日続落、円高と相次ぐ増資、政策懸念の三重苦

東京株式相場は下落し、TOPI Xは4カ月ぶりの5日続落。外国為替市場の円高進行で企業業績の先 行き不透明感が広がり、輸出比率の高い電機や精密機器、機械株中心 に売られた。企業の相次ぐ増資発表や国内景気の先行き警戒も根強く、 午後にかけてじりじりと下げた。

TOPIXの終値は前日比3.42ポイント(0.4%)安の857.00、 日経平均株価は61円25銭(0.6%)安の9729円93銭。

住信アセットマネジメントの三沢淳一株式運用部長は、「円高やバ リュエーションの高さといった問題はあるが、それだけで今の日本株 の低迷は説明できない」と指摘。背景には民主党政権による政策リス クをマーケットが感じ始めていることがあるとし、「産業育成政策不在 の状況がこのまま長期化すれば、日本と海外との競争力格差につなが り、日本株のディスカウント要因になりかねない」と懸念を示した。

前日の欧米株高や米小売り関連統計の内容を好感して両指数とも 上昇して始まったが、朝方の買い一巡後は下落銘柄が徐々に増えた。 TOPIXの連続下落記録は7月13日の9日続落以来、4カ月ぶり。 増資懸念や政策不安が払しょくできない中で円高も進み、「三重苦」の 日本株は米ダウ工業株30 種平均など海外株が年初来高値を更新する 中で、独歩安の様相を呈している。

ドル安の影響で日米明暗

米国の低金利政策が長期継続するとの観測から、16日のニューヨ ーク外国為替市場では、ドルが主要通貨に対し15カ月ぶり安値に下落。 ドル・円相場は1カ月超ぶりの水準となる1ドル=88円76銭まで円 高が進んだ。ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長によ ると、「新興国への輸出拡大につながるドル安は米国経済にとってはプ ラス材料だが、輸出企業の業績面を通じて日本経済には前向きになれ ない要因になる」という。

かざか証券の田部井美彦市場調査部長は、「為替予約の関係で円高 による今期業績への影響は限定的だが、このまま円高が定着すれば来 期業績を見据えた上でマイナスになる」と指摘。新光総合研究所の調 べでは、今期の企業業績は前期比2.3%の経常増益が見込まれている が、田部井氏は「来期は企業業績全体で減益の可能性も出てくる」と 警戒感を示した。

きのう発表の7-9月期の国内総生産(GDP)の1次速報値は、 実質で2四半期連続のプラス成長となったが、国内の物価動向を示す 国内需要デフレーターは過去3番目の下落率を記録した。菅直人副総 理・国家戦略相は17日の会見で、今月の月例経済報告の中にデフレに ついて何らかの表現が加わるとの認識を明らかにしている。内藤証券 の多田晃士東京ディーリング第1部長は、「政府の事業仕分け作業が連 日続けられているが、このまま予算削減が続くようならデフレスパイ ラルに陥る懸念がある」と話した。

最後のサポートラインは死守

TOPIXは続落したが、シティグループ証券が7月安値852 ポ イントの上方にある最後のサポートラインと強調していた857(1月 高値から3月安値までの下げ幅を8月高値から下げた値)はかろうじ て死守した。同証の吉野豊テクニカルアナリストは、これを割り込む とTOPIXで820-805、日経平均では9400-8980円まで調整が拡 大しやすくなると分析していた。

個別では、タッチパネル材料が利益成長をけん引すると評価し、 大和証券SMBCが投資判断を引き上げたKIMOTOが値幅制限い っぱいのストップ高。経営効率の改善で来期から本格的な業績回復が 期待できると野村証券が格上げしたユナイテッドアローズ、着実に顧 客開拓が進んでいると評価し、同証が強気の投資判断を強調したダイ セキも大幅高。オランダのオセ社を連結子会社にすることで合意した キヤノンは急反発した。

半面、公募増資などで最大118億円(手取概算額)を調達するダ イワボウホールディングスが急落し、東証1部値下がり率1位。半導 体デバイスの価格下落などで収益性が低下に向かっているとし、三菱 UFJ証券が格下げしたミツミ電機は7日続落。ビール類や外食市場 の停滞継続を見込み、みずほ証券が格下げしたサッポロホールディン グスは反落した。27年ぶりに株式による資金調達を行う日立製作所は 下げ止まらず4日続落。

東証1部の値上がり銘柄数は361、値下がり1262。売買高は概算 19億1458万株、売買代金は同1兆2420億円。

新興3市場も続落

国内新興市場も続落した。ジャスダック指数の終値は前日比

1.9%安の45.24と5日続落。東証マザーズ指数は2.9%安の373.32 と11日続落で、11月に入ってすべて安い。大証ヘラクレス指数は1.2% 安の521.00と7日続落。

個別では、10月の月次売上高が前年同月比19%増と2カ月連続で 伸び率が鈍化したファンコミュニケーションが急落。売買代金上位で は田中化学研究所やデジタルガレージ、ブイ・テクノロジー、日本通 信などがそろって大幅安となった。

半面、米インテルとAVC(音響・映像・コンピューター)事業 で新製品の開発などについて提携するオンキヨー、アプリックスが連 結子会社化を目指して株式公開買い付け(TOB)を実施するジー・ モードがともにストップ高。売買代金上位では大阪証券取引所、セブ ン銀行、ミクシィが高い。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE