11月16日の米国マーケットサマリー:ドルが15カ月ぶり安値

ニューヨークの為替・株式・ 債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.4976 1.4903 ドル/円 89.05 89.66 ユーロ/円 133.35 133.63

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 10,406.96 +136.49 +1.3% S&P500種 1,109.30 +15.82 +1.4% ナスダック総合指数 2,197.85 +29.97 +1.4%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .77% -.04 米国債10年物 3.34% -.07 米国債30年物 4.28% -.07

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金(ドル/オンス) 1,139.20 +22.50 +2.01% 原油先物 (ドル/バレル) 78.85 +2.50 +3.27%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルが対主要通貨に対して15カ 月ぶり安値に下落。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長 が「強いドル」に言及したものの、FRBの政策対応を疑問視する声 が広がった。

ドルは対ユーロで一時1ユーロ=1.4881ドルまで上昇した。バ ーナンキ議長はニューヨークでの講演で、FRBはドルの価格変動を 「注視」しており、「金融政策と米国経済の基調的な強さとが相まっ て強いドルを確実なものにする」と述べたことが背景。この発言後 10分以内には、ドルは再び下落に転じた。FRBが政策金利をゼロ 付近で維持する必要に迫られるとの観測が広がりドル買いが後退した。

RBSセキュリティーズの外国為替戦略責任者、アラン・ラスキ ン氏は、「バーナンキ議長は口先によるドル支援に乗り出した」と指 摘。「同時に、議長はなお経済の課題も認識しており政策金利を長期 にわたり低水準に据え置くだろう。ドルを支える政策を確実にする方 法など想像さえできない」と述べた。

ニューヨーク時間午後2時40分現在、主要6通貨に対するイン ターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は前週末比0.8%低 下の74.720。一時は08年8月以来の安値となる74.679を付けた。

◎米国株式市場

米株式相場は続伸。主な株価指数は1年1カ月ぶりの高値を付け た。商品相場の上昇と小売売上高の回復に加え、アジア太平洋経済協 力会議(APEC)首脳会議が景気刺激策を維持するとの宣言を採択 したことを好感し、買いが膨らんだ。

S&P500種のエネルギー株指数を構成する40銘柄のうち、エ クソンモービルなど39銘柄が上昇した。原油相場が6週間ぶりの大 幅高となったことが材料。10月の小売売上高が前月比1.4%増加し たことを背景に、ターゲットやシアーズ・ホールディングスが上昇し た。アメリカン・エキスプレス(アメックス)は大幅高。ローンのデ フォルト(債務不履行)が6カ月連続で減少したことがきっかけ。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価 指数は前週末比1.5%高の1109.30。ダウ工業株30種平均は136.49 ドル(1.3%)上昇の10406.96ドル。

◎米国債市場

米国債相場は上昇。2年債利回りは1月以来の低水準を付けた。 バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が経済の「向かい 風」に言及、この影響で政策金利は「長期にわたって」過去最低水準 に据え置かれるとの認識をあらためて示したことが材料。

2年債と30年債の利回り格差は3.50ポイントと、前週末13日 の3.54ポイントから縮小。バーナンキ議長はニューヨーク・エコノ ミック・クラブで講演し、「銀行の貸し渋りの影響で、一部の企業は 事業拡大や雇用の能力が限定される」と述べた。

HSBCセキュリティーズUSAの金利ストラテジスト、ローレ ンス・ダイヤー氏はFRB議長発言について、「連邦公開市場委員会 (FOMC)が前回の会合後に発表した、経済が非常に長期的な減速 に直面しておりインフレの問題はないとのメッセージと非常に合致し ていた」とし、「政策金利はより長期にわたって低水準が続くとの見 方を支持するものだ」と指摘した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後2時半現在、2年債利回りは前週末比3ベーシスポイント(b p、1bp=0.01ポイント)低下の0.78%。一時は0.77%と、1 月23日以来の低水準を付けた。2年債(表面利率1%、2011年10 月償還)価格は2/32上げて100 14/32。

30年債利回りは8bp下げて4.27%。10年債利回りは7bp低 下し3.36%

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は上昇、過去6営業日のうちで4度目の 最高値更新となった。投資家はドル下落に対する代替投資として金に 買いを入れている。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE) のドル指数はこの日最大0.9%低下、年初からの低下率は8.1%とな った。ドルは年初から29%値上がりしている。過去最低水準にある 金利や政府支出の拡大でドルは下落している。

ヘッジファンド、ゴールド・アロー・キャピタル・マネジメン トのパートナー、ヘイスベルト・フルーネウェーゲン氏は「誰もが究 極の通貨である金を求めている。これほどまでに金利が低いのであれ ば、ドル下落は不思議ではない。またドルを保有する魅力もない。投 資家の間では価値の低い通貨に対する保険が必要だとの認識が高まっ ている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前営業日比22.50ドル(2%)高の1オンス=1139.20ド ルで取引を終了した。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は大幅反発。過去6週間で最大の値上がり だった。ドルが下落した一方で、S&P500種株価指数が1年1カ月 ぶり高値に上昇し、世界経済とエネルギー需要が回復しつつあるとの 信頼感につながった。

投資家はドル安を受けて代替投資としての原油に買いを入れた。 この日は、10月の米小売売上高が予想以上に伸びたことやアジア太 平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が景気刺激策の維持を宣言し たことが好感され、株式相場が上昇した。石油消費で世界3位の日本 の7-9月(第3四半期)国内総生産は4.8%増加した。

BNPパリバ(ニューヨーク)のブローカー、リック・ネイビ ー氏は「ドルが下落し、株が上昇している。両方とも金相場の支援材 料だ。投資資金が引き続き流入している。それも相場を一段と押し上 げるだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前 営業日比2.55ドル(3.34%)高の1バレル=78.90ドルで終了した。

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