FRB議長:なお重大な試練に直面、「ドル相場を注視」

バーナンキ米連邦準備制度理事 会(FRB)議長は16日、銀行融資の縮小と低迷する労働市場と いう経済の「向かい風」が、米国の景気回復ペースを抑制すること になるだろうとの見解を示した。

バーナンキ議長はニューヨーク・エコノミック・クラブで講演 し、「なお重大な試練に直面している」と語り、「融資の流れは依 然として抑制され、経済活動も弱く、失業率も高過ぎる水準にある。 将来的に揺り戻しに直面する可能性がある」と続けた。

さらに、同議長はFRBがドル相場の動向を「注視している」 と指摘。「最大限の雇用と物価安定を目指す金融政策の遂行と米国 経済の基調的な強さとが相まって強いドルを確実なものにするだろ う」と述べた。

同議長は近い将来の利上げを支持するかどうかについては示 唆しなかった。この日の講演内容は、連邦公開市場委員会(FOM C)が今月4日の会合後に発表した声明の主要部分を繰り返してお り、バーナンキ議長は、低レベルでの資源活用とインフレ抑制トレ ンド、安定したインフレ期待を含む経済状況が「長期にわたって」 フェデラルファンド(FF)金利誘導目標の異例な低水準を正当化 する可能性が高いと引き続き想定していると述べた。

引き締めへ「広範な準備」

その上で同議長は、「当然のことながら、経済状況や見通しに 大きな変化がみられた場合には金融政策見通しも同様に変化するだ ろう」と語り、FRBは「経済見通しから必要だと判断される」場 合に備え、金融引き締めのための「幅広い措置」を用意していると 続けた。

バーナンキ議長は、投資家は金融危機で安全逃避先としてのド ル買いを進め、ドルが「急上昇」したと指摘、今は市場が改善し世 界経済も安定化しつつあることから、「こうした安全への逃避買い が抑制され、ドルもこの動きに合わせてこれまでの値上がり分を削 っている。FRBは引き続きこうした市場の動きを注視していく」 と述べた。

さらに「ドル相場変動の影響に注意している。引き続き、最大 限の雇用と物価安定というわれわれの2つの責務に対するリスクを 防げるよう金融政策を策定していく」と述べた。

来年の経済見通しについては、「穏やかな経済成長が続くとみ ている」と述べたが詳細については語らなかった。バーナンキ議長 は需要には「拡大の兆し」がみられ、住宅部門も差し押さえなどの 「深刻な問題」を抱えつつも、2010年は「経済成長に小さいなが らも貢献する」可能性があると指摘した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE