今日の国内市況:TOPIX4日続落、債券上値重い―ドルが軟調

東京株式相場は、TOPIXが4 日続落。増資による1株価値の希薄化観測が広がった三菱UFJフィナ ンシャル・グループのほか、増資発表の日立製作所や三井化学がそろっ て急落した。需給悪化懸念を背景に、東証1部の33業種では銀行、証 券など金融セクターの下げが目立った。半導体市況の下落や景気先行き 懸念から電機株も安い。

TOPIXの終値は前週末比6.38ポイント(0.7%)安の860.42。 東証1部銘柄のうち、約7割が安かった。一方、ファーストリテイリン グの押し上げ効果(34円)により、一部銘柄の影響を受けやすい日経 平均株価は20円87銭(0.2%)高の9791円18銭と3日ぶりに反発。

先週末13日の米国株、16日のアジア株指数が総じて上昇する中で、 日本株は海外の動きから取り残された感が強かった。時価総額全体の動 きを示すTOPIXは一時857ポイントまで下げ、7月13日の852ポ イントに接近。来年以降の景気先行き懸念が根強く、以前から増資観測 が出ていた銘柄も、悪材料出尽くしとはなりにくくなっている。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたアナリスト調査によると、三 菱UFJは今週中にも1兆円程度の増資を発表する可能性がある。また、 三井化学は公募増資などで最大643億円を調達すると13日に発表、日 立は16日に公募増資などで最大4157億円を調達することを明らかに した。金融機関を中心に大型増資ラッシュの様相を呈している。

TOPIXの下げを主導したのは銀行、証券、その他金融株。三井 住友フィナンシャルグループの下落率は三菱UFJを上回るなど、下げ が大きかった。

このほか、13日の台湾のDRAM市況は、ベンチマークとされる 容量1ギガ(ギガは10億)ビット品の指標が3.3%安と急落。これを 受け、東芝やエルピーダメモリ、NECエレクトロニクスなど半導体関 連株も安い。

一方、朝方発表された日本の7-9月期GDP(国内総生産)成長 率は、個人消費や民間設備投資の貢献から市場予想を上回り、足元の景 気が回復基調にあることを示した。設備投資の代表銘柄であるファナッ クは日経平均の上昇寄与度で、ファーストリテイリングに次ぐ2位だっ た。

もっとも、既に終わった7-9月期の改善だけでは、時価総額全体 の値動きを示すTOPIXをプラスに押し上げるには力不足だった。

東証1部の売買高は概算18億4482万株、売買代金は同1兆1562 億円。値上がり銘柄数は421、値下がり銘柄数は1186。

債券相場は上値の重い展開

債券相場は上値の重い展開。前週半ば以降に相場が急騰したことの 反動を警戒する見方から、先物は日中を通してもみ合い推移に終始した。 一方、現物市場では金利上昇時に投資家の買いが入るとの期待が相場を 下支えしていた。

東京先物市場の中心限月12月物は前週末比11銭安い138円77銭 で始まった。開始直後の売りをこなすと買いが優勢となって、一時は6 銭高の138円94銭まで上昇した。その後、午後に入ると再びマイナス 圏での推移となったが、取引終盤にかけてはじりじりと下げ幅を縮めて おり、結局は2銭安の138円86銭で取引を終えた。

先物12月物は9日の日中安値137円29銭から13日の高値139円 2銭まで、わずか4営業日で1円73銭も上昇したことから、急ピッチ の相場上昇に対する警戒感が広がった。

しかし、現物市場では金利上昇時の買いが見込まれており、先物相 場も日中は底堅さを維持する展開となった

現物市場で新発10年物の303回債利回りは前週末比0.5ベーシス ポイント(bp)高い1.345%で始まった。買いが膨らむと徐々に水準を 切り下げ、午前10時過ぎには1bp低い1.33%をつけた。その後は

1.33-1.34%での推移が続いており、午前4時10分現在では1bp低い

1.33%での取引だ。

303回債利回りは前週後半にかけて急ピッチで低下したため、10 日午前につけた1.485%は当面の天井との見方が有力だ。短期的には株 価反発などを嫌気して売りが優勢となっても、金利上昇時には投資家か らの需要が膨らむ公算が大きい。前週末の米債相場が金融緩和政策の長 期化観測から続伸したことも支えとなっており、今週は1.3%台後半で の投資家の買いを探る展開が見込まれている。

一方、国債需給の不透明感はなお根強いことから、投資家が金利低 下に追随してまで買いに動く公算は小さいとの指摘もあった。

ドルが軟調

東京外国為替市場ではドルが軟調。米国の低金利政策の継続見通し を背景に、ドルを借り入れ高利回り資産に投資する「ドル・キャリー取 引」が続くとの観測がドルの重しとなった。

一方、海外時間に米国の小売売上高の発表や米連邦準備制度理事会 (FRB)のバーナンキ議長の講演を控えて、米長期金利や米国株の動 向に注目が集まる中、積極的にドルの下値を追う動きは限られた。17 日の米中首脳会談を前に、人民元の切り上げ問題の行方を見極めたいと の意向も様子見姿勢を強めた。

ブルームバーグ・データによると、ドルはメキシコ・ペソとブラジ ル・レアルを除く主要14通貨に対して前週末比で弱含みとなっている。 対ユーロでは1ユーロ=1.49ドル台前半から一時、1.4977ドルと2営 業日ぶりの水準までじりじりとドル安が進んだ。

ドル・円相場は1ドル=89円台前半から半ばで方向感に乏しい展 開が続いた。日本の7-9月期の国内総生産(GDP)が発表され、事 前予想を上回る成長率となったが、円相場への影響は限定的となった。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によればこ の日発表される10月の米小売売上高は前月比0.9%増と前月(同

1.5%減)からプラスに転じる見通しだ。その他にも今週は生産者およ び消費者物価指数や鉱工業生産、住宅着工など米国で経済指標の発表が 相次ぐ。

前週末の海外市場では11月の米ロイター・ミシガン大学消費者マ インド指数(速報値)消費者マインド指数の予想外に低下したことから FRBが当面、低金利政策を継続させるとの観測が強まり、ドル売りに つながった。

また、市場では、中国人民銀行(中央銀行)が先週発表した四半期 報告で人民元の安定を維持するとの文言が取り除かれたことで、世界経 済が回復に向かうのに伴い、中国当局が人民元の対ドルでの上昇を容認 するのではないかと観測が広がっている。

こうした中、中国商務省の姚堅報道官は16日、ドル安が進行する 中で、人民元など一部通貨の相場上昇を求めることは「世界経済の回復 に寄与せず、公平でもない」と指摘。オバマ米大統領の初の公式訪問が スタートする中、通貨人民元の上昇容認を求める声を退ける姿勢を示し た。

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