日立:最大4157億円の資本増強、新株発行とCB-財務改善

国内電機最大手の日立製作所は16 日、公募増資と転換社債型新株予約権付社債(CB)発行により最大 4157億円を調達すると発表した。株式による資金調達は27年ぶり。

公募増資は最大で、16日現在の発行済み総数の34.1%に当たる11 億5000万株を新規発行し、手取りで最大3183億円を調達する。うち 6000万株は主幹事を務める野村証券に割り当て、残りは公募とする。 今回の増資報道を受けて16日午前の日立株は急落、一時9.5%安を付 けた。

払い込みは公募増資が12月14-17日で、野村への割り当ては12 月25日。新株の発行価格と実際の調達額は12月7-10日に決める。 日立広報担の佐藤正直氏によると、連結自己資本比率は9月末の 10.9%から、調達資金を借入金返済に充当しなかった場合の試算で 14%程度に改善する見通し。

CBも1000億円発行する。年限5年で、払い込み日は12月14 日-17日。手取り額は974億円。

調達する資金は、電力・産業システム事業に1100億円、情報通信 システム事業の強化に1200億円、有利子負債の返済に残り約1557億円 を充てる。日立マクセルなど上場5子会社を株式公開買い付け(TO B)により全額出資子会社にするための短期借入金の返済も含む。

割引率3-5%

日立の新株の発行価格について、野村証から投資家に送られたEメ ールによれば、3%から5%の割引率で条件決定する見通しだ。

トヨタアセットマネジメントの浜崎優シニアストラテジストは「積 極的なエクイティ・ファイナンスで今まで以上に利益率が上がる構造は 見えず、投資家から支持を得られるかも心もとない」と話した。しんき んアセットマネジメント投信の藤原直樹投信グループ長は「財務改善に それなりの効果があるだろう。あとはいかに事業構造の改革を進めるか だ」と語った。

同社は前期(2009年3月期)に過去最大7873億円の純損失を計上 し、今期もリストラ負担などで2300億円の純損失を想定している。同 社の三好崇司副社長は、前期以降これまで決算発表などで資本増強の必 要性を認め「幅広い観点で検討する」と繰り返しコメント、7月の会見 では自己資本比率を「数年以内に20%に戻したい」と語っていた。

国内電機各社の大半は昨秋以来の世界的な不況で財務が悪化。3月 末に自己資本比率が8.2%に落ち込んだ東芝が6月に総額5000億円規 模の資本増強を実施。NECも今月6日、普通株発行を通じて最大1340 億円の資金調達を行うと発表した。

--取材協力:安真理子、近藤雅岐

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