米国債諮問委がひそかに警告-インフレ抑制でも米国債利回り上昇か

オプション市場は、インフレが抑 制され続けても、米国債の増発によって利回りが上昇するとの投資家 懸念の高まりを示している。

バークレイズのデータによると、米国債利回りの上昇に備えるヘ ッジコストは、金利スワップのオプション価格構造のゆがみを示すい わゆるスキューで測ると、過去最高の37ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)余り。2007年8月の信用市場逼迫(ひっぱく)以前の 平均のほぼ40倍の高さに達している。スキューは、10年物金利スワ ップで固定金利を支払う権利を得る1年物オプションと、同スワップ で固定金利を受け取る権利を得る1年物オプションのインプライドボ ラティリティの差。金利上昇期待が高まると通常、拡大する。

このスキュー急上昇は、米国債発行諮問委員会(TBAC)が今 月3日付の全67ページの報告書の36ページ目に指摘。同じページに は、現在の5年後から5年間のインフレ期待を示すブレーク・イーブ ン・インフレ率(BEI)が物価上昇期待の抑制を示している現状も 掲載した。

ゴールドマン・サックス・グループや米パシフィック・インベス トメント・マネジメント(PIMCO)など13の金融機関・運用会社 の代表者で構成するTBACは、米連邦準備制度理事会(FRB)が 米国債買い取りを終了するなかで、2年連続でほぼ2兆ドル規模とな る米国債発行が投資家に重しとなるリスクに着目した。

誰もがヘッジ

ヨーロッパ・アラブ・バンクの米国債担当責任者、ムーラド・チ ョードリー氏はBEIについて、「予見可能な将来においてインフレが 問題となっておらず、一部は依然としてデフレリスクを見ていること を示しているが、それでも全員が利回り上昇に備えてヘッジしている」 と指摘する。

住宅ローン金利から社債利回りまでベンチマークとなる米国債利 回りが上昇すれば、リセッション(景気後退)からの脱却に米経済が 苦戦して失業率上昇で個人消費が抑制されるなか、企業や個人の借り 入れコストを抑えようとするバーナンキFRB議長の試みが奏功しな くなる恐れがある。

BGキャンター・マーケット・データによると、米10年物国債(表 面金利3.375%、2019年11月償還)の利回りは先週末で3.42%。10 年国債利回りは1月15日に付けた今年最低の2.14%から反発してい る。ブルームバーグ・ニュースがまとめた調査によれば、来年6月末ま でに3.8%に上昇し、来年末が4.16%と見込まれる。

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