日航:事業再生ADR、つなぎ融資-社長、道筋つけ進退判断

経営再建中の日本航空は13日、 企業の私的債務調整手法の「事業再生ADR手続き」(裁判外紛争解決 手続き)を申請し、受理されたと発表した。ADR手続きに入ると、 日航は金融機関に対して借入金の一時返済猶予などの措置をとること ができる。

日航の金山佳正取締役は同日の決算発表会見で、つなぎ融資に関 して、金融機関と調整中とし、11月末までに必要な融資が実行される ことに期待を示した。その後、金山氏は国土交通省での会見で、「期末 までに1250億円を調達する必要がある」とし、そのうち1000億円は 銀行への融資要請、250億円は航空機を使った保証融資制度の利用を 考えていることを明らかにした。

日航は官民共同で10月に設立された企業再生支援機構に支援要 請しているが、支援機構は資産査定を行っており、支援の可否の判断 が年明け以降になる見通し。当面の課題は資金繰りで、前原誠司国土 交通相は10日夕の緊急会見で、日航が11月中に資金繰りに窮すると の報告を受けているとした上で、つなぎ融資を日本政策投資銀行が行 うことで関係閣僚が合意したと発表している。

日航の西松遥社長は同日の決算会見で、事業再生ADRを活用し て支援機構と協力していくと強調、「国民のみなさまに納得していただ ける改善計画を早期に策定したい」と語った。また、「責任を痛感して いる」とし、進退問題について、再建の道筋をつけて「しっかり道筋 がついた段階で決めたい」と語った。

今回日航が申請したADRは、事業継続を前提とし倒産企業が活 用する手法とは違う。当事者間の話し合いをベースとして紛争を解決 する手続きが特徴。

過去最悪の決算

日航は同日、4-9月期の連結純損益が1312億円の赤字だったと 発表した。前年同期は367億円の黒字。世界的な景気後退で旅客需要 が低迷したことなどが響いた。

4-9月期の売上高は前年同期比29%減の7640億円。営業損益 は958億円の赤字で、前年同期が302億円の黒字だった。通期の業績 予想については、開示を見送った。日航の金山取締役は「過去最悪の 決算となった」とし、「通期の見通しの開示は混乱を招くことになり撤 回した」と述べた。

債務超過ではないかとの記者団からの質問に対し、西松社長は「手 法が違うと思っている」と指摘。国交相の直轄専門家チーム「JAL 再生タスクフォース」により「そういうふうにされているが、支援機 構はこれから策定する」とし、「いまそのことについて明確に説明する 時期ではない」と述べるにとどめた。

今回の決算短信は、支援機構の検討結果を踏まえたものでなく、 今後の協議で変更の可能性があるとし、事業再生計画案で関係者との 合意が行われていないため、継続企業の前提に関する重要な不確実性 が認められるとした。また、継続企業を前提に作成していないなどと もしている。

アメリカンとの提携がスムーズ

提携交渉について、日航の西松社長は、米デルタ航空やアメリカ ン航空とそれぞれ交渉中とし、「検討中であり、いまは答えられない」 と述べた。世界第2位のアメリカン航空は国際航空連合ワンワールド 内で主導的な立場にある。西松社長は「スムーズにいくようにと考えれ ばアメリカン航空だろう」とし、「アライアンスを移行すれば金もかか るし、システムも構築しなければならない」などと指摘した。

世界最大のデルタ航空が中心となる国際航空連合スカイチームに は日本の航空会社が参加しておらず、アジア地域の路線網の確保で出 遅れている。3極目にあたるスターアライアンスには全日本空輸が加 盟。3つの国際航空連合は激しい競争を展開している。

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