日米のLIBOR、6カ月物まで逆転現象拡大の可能性-JPモルガン

JPモルガン証券の徳勝礼子シニ ア債券ストラテジストは、ロンドン銀行間貸出金利(LIBOR)で6 カ月物の米ドルが円を下回る可能性があると指摘した。ドルの余剰感が 強まっているためで、3カ月物から5カ月物はすでにドルが円を下回る 日米短期金利の逆転現象が起きている。

12日の6カ月物のLIBORでは、円の0.5175%に対して、ドル は0.52438%まで低下し、金利格差は0.7ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)と、1993年5月以来、約16年半ぶりの水準に縮小した。

LIBORの指標となる3カ月物では8月24日以降、4カ月物は 9月7日以降、5カ月物は10月29日以降、ドルが円を下回っており、 こうした状況が長めのターム物に広がっている。

徳勝氏は、「6カ月物は来週にも逆転しそうだ。米国はドルの余剰 が強まって運用難に陥っている。FRB(米連邦準備制度理事会)は短 期の資金供給を縮小しているが、MBS(住宅ローン担保証券)の買い 取りは続けており、大量の資金供給からバランスシートはあまり縮小し ていない」という。

FRBは緊急危機対応からの出口戦略として短期の資金供給を縮小 し、資金吸収手段としてターム物のリバースレポ・オペの導入を準備す るなど、過剰流動性の回収を進める姿勢だが、MBSの買い入れは最大 1兆2500億ドル(約113兆円)まで拡大する方針を示している。この ため、米商業銀行がFRB口座に法定以上に抱える超過準備額は過去最 高の1兆ドルを超えている。

また、徳勝氏は、「失業率の悪化からFRBの利上げは2011年以 降に後ずれするリスクもある」との見方も示しており、ドルLIBOR の低下圧力は続きそうだ。

円スワップ取引への影響

一方、円金利スワップ市場では、固定金利と交換する変動金利とし て標準的に使われる6カ月物の円LIBORがドルLIBORに比べて 下げ渋っているため、短中期ゾーンのスワップレートに影響を与えてい るとの指摘もある。

徳勝氏によると、「6カ月物のLIBORを下限に2年物のスワッ プレートがこれ以上、下がらなくなっており、固定金利を受けてキャリ ー(期間収益)を稼ぐ銀行は5年物まで取引期間を伸ばしている」とい う。

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