東工取ゴム:取引時間延長が裏目-アジアから不評で修正検討へ

取引時間の延長で出来高増 につなげたい東京工業品取引所。その思惑とは裏腹にゴム市場で は海外投資家から不評を買っている。日中取引終了後に休止時間 を設けたことで、特にアジアからの参加者が市場に縛られること になり、かえって出来高を減らす結果に。東工取は取引時間をも とに戻すことも含め、修正する方向で検討に入った。

東工取ゴム市場の取引時間は現在、午前9時から午後7時ま で。その間、午後3時半から午後5時までは取引をいったん休止 する。今年5月の新取引システム導入に伴い、ゴムの取引時間を 1時間半延長した。東工取は利便性向上につながると判断したが、 主要な市場参加者であるタイなど東南アジアの当業者や投資家ら にとっては、日本との時差の関係もあり「使い勝手のよくない市 場」になってしまったという。

時間延長で取引機会が増えたにもかかわらず、市場の流動性 は著しく低下。4月に36万2953枚あった月間出来高は5月にシ ステム障害が発生したこともあり20万5373枚に減少。その後は いったん30万枚強まで回復したが、10月は23万枚台まで落ち 込んだ。

東工取からシンガポール商取へ

取引時間の延長でアジア地域から不満が出たのは、東工取の ゴム相場が国際指標価格となっているからだ。ゴム以外の銘柄に ついて時間延長に対する苦情はほとんど出ていないのが実情。 2008年の年間出来高をみると、ゴム市場で海外からの出来高が 24%超を占め、金や原油などと比較しても圧倒的な海外比率とな っている。

出来高の減少について、カネツ商事・国際部の佐藤洋子主任 は、東工取ゴム市場の主要な利用者が集まるタイでは「ゴム現物 価格は先物の動きを参考に売買される。東工取が市場を3時半か ら5時まで閉めてしまう空白の時間は東工取の先物価格を利用で きないので、現物が活発に動くはずの時間帯に値段が決められな くなった」と指摘。

タイのゴム協会に加盟する「タイ・ファ・ラバー・パブリッ ク」社のイェウ・コン・ヒン副社長は「日本時間で午後7時まで の取引時間では長すぎ、現物の取引に集中できなくなった。時間 延長は取引の質を低下させた。また、サーキットブレーカー制度 の導入したことや、積荷検査が厳しくなった」などと指摘。タイ のゴム関係者は東工取からシンガポール商品取引所(SICO M)にシフトしつつあるという。

主力銘柄のゴムだけに東工取は弾力的に対応する方針だ。同 取の早川一成常務は12日、「取引時間をもとに戻すことを含め て、修正を検討していく」と述べた。

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