米司法当局による脱税摘発、焦点はスイスから香港に-関係者

米司法当局は脱税の摘発で香港を 新たな標的にしている。司法当局は、スイスの銀行を舞台にした脱税 をめぐる調べで取得した情報から、香港が調査対象に浮上した。

事情に詳しい関係者によると、米司法当局は香港の金融業界の専 門家が脱税でどのような役割を担っているかを解明しようとしている。 これら関係者によれば、司法当局は課税対象となるマネー資産がどれ だけ香港に移されたのか、香港に架空名義口座が設けられているかど うか、どの銀行が関与したかを調査しているという。

これは米当局が、資産額でスイスの銀行最大手のUBSによる米 顧客の脱税ほう助の方法を内部関係者から入手し、これまで秘密とさ れていたスイスの銀行を通じた課税逃れの仕組みを解明したことを受 けたものだ。

UBSは脱税をほう助したとされる問題で、2月に米当局による 起訴を回避するために7億8000万ドルの支払いと顧客250人の口座情 を開示することで和解。8月にはさらに4450口座の情報供与で合意し た。

元米連邦検事で、現在はDLAパイパーに勤務するピーター・ザ イデンバーグ氏は香港について、「当局は、ここが摘発の対象が多い環 境であり、極めて多数の脱税が行われていると信じるに足る根拠を持 っているに違いない」と指摘した。

4人のUBS顧客が香港の法人を利用

2月の米当局とUBSとの和解以降、6人のUBS顧客が裁判で 有罪を認めた。これら顧客は、バンカーと弁護士、アドバイザーが連 携して収入と資産を隠匿したと説明。6人全員がスイス以外のペーパ ーカンパニーに資金を隠し、そのうち玩具会社オーナーのジェフリ ー・チャーニック受刑囚を含む4人が香港の法人を利用していた。

チャーニック受刑囚の有罪が確定した10月30日の判決でマイケ ル・ベナリー検察官は、同受刑囚の聴取をきっかけにスイスや特に「香 港のような租税回避地」などでの金融機関の調査が始まったと説明し た。

同受刑囚は検察当局に対し、香港の法人名義の800万ドルのUB S口座に手数料を隠したことを認めた。

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