鳩山首相:オバマ大統領と会談へ、対日懸念払しょく目指す(Update1

鳩山由紀夫首相は13日、 米国のオバマ大統領と首脳会談を行う。懸案である米海兵隊普 天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題は最小限の議論に とどめ、決着を先送りする見通しだ。核軍縮や気候変動、アフガ ニスタン支援などでの協力を打ち出し、日米関係を日本外交の 基軸とする姿勢を見せて米国内の鳩山新政権への懸念を払し ょくすることを目指す。

「新しくなることによる懸念を感じている方もいると思う。懸念 を持っておられる方々にその懸念はありませんよ、大丈夫です よ、と伝えることが今回の日米の首脳会議の大きな役割ではな いかと思う」-。鳩山首相は12日夜、首相官邸で記者団に対 し、今回で2回目となる首脳会談の目的を語った。

首相側近の平野博文官房長官は13日午前の記者会見で、 今回の首脳会談の意義について「あくまでも日米間の信頼を重 ねていく、深化させていく上において首相と大統領の信頼関係 をより高める、そういう機会であってほしい」と強調。東アジア共 同体構想が米国に疑心暗鬼を生んでいるのではとの質問に対 しては、「米国の基軸の上にある構想だと思っている、疑心暗鬼 はないとわたしは理解している」と反論した。

普天間

日米関係の最大の懸案として浮上しているのは普天間飛行 場を沖縄県名護市辺野古沖に移設する現行の日米合意の取り 扱いだ。計画通りの実施を求める米側と、見直しの可能性も検 討する鳩山政権の姿勢の違いが表面化。民主党は野党時代に 県外・国外移設を主張してきた経緯もあり、10月に来日したゲ ーツ国防長官は、普天間の移設がなければ在沖縄米海兵隊の グアム移転もないとの考えを記者団に示し、日本政府にクギを 刺した。

しかし日米両政府は10日、普天間飛行場の代替施設につ いての「検証作業」を行うための閣僚レベルのワーキンググルー プ(WG)設置で合意。今回の日米首脳会談で日本側が結論を 米側に伝達する必要はなくなった。

双日総合研究所の吉崎達彦副所長は、普天間問題をめぐる 米国の姿勢について「今までの約束通りやってもらえると思って いるから、当面は様子を見ようということではないか」と分析。そ の上で、「米国がここで普天間のことを持ち出していいことはな い。鳩山政権が対米強硬路線を取って日本国民に受けることの 方が怖いだろう」との見方を示した。

アジア政策

首相の持論である東アジア共同体構想についても米側に説 明する必要性を指摘する声も出ている。鳩山首相は就任直後 のニューヨークで行った中国の胡錦濤国家主席との会談で同 構想を提案したものの、その後のオバマ大統領との会談では説 明していない。

テンプル大学ジャパンキャンパスのロバート・デュジャリ ック現代日本研究所ディレクターは、「鳩山首相は、彼の友愛 や東アジア共同体がどのように米国にとって利益になるのかオ バマ大統領に説明すべきだ」と語った

オバマ大統領の訪日は14日からシンガポールで開かれる アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせたア ジア諸国歴訪の一環。日本には当初、12、13の両日訪れる予 定だったが、テキサス州の陸軍基地で発生した銃乱射事件の 犠牲者追悼式典に出席するため1日延期した。

最初の訪問国となる日本で大統領は14日、アジア政策に 関する演説も行い、アジア外交に関する基本方針を表明する。 ただ、鳩山首相は首脳会談とその後の夕食会終了後にシンガ ポールに向け日本を出発する予定で、大統領の演説には同席 しない。

吉崎氏は今回の訪日について「首脳会談よりも翌日の演説 の方が重い」と指摘。「北京や上海ではなく、東京でやるというこ とはアジアにおける最大の同盟国は日本であることを示してい る」とし、鳩山首相が「それをほったらかしてシンガポールに行 ってしまうのはセンスがない」と語った。

--取材協力:坂巻幸子、丸田不可志 Editor: Hitoshi Sugimoto, Hideki Asai

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