豪ドルはレアルやランドを凌ぐ上昇-RBSは予想引き上げ

ロイヤルバンク・オブ・スコット ランド(RBS)によると、資源に恵まれた主要国オーストラリアの豪 ドルは中国などアジア諸国の高成長という追い風を受け、ブラジル・レ アルや南アフリカ・ランドといった新興国通貨を上回るペースで上昇す る可能性が高い。

内田茜ヴァレリーFXストラテジストはインタビューで「資源輸出 国であるオーストラリアは、アジアの景気回復にけん引されている」と 指摘。同社が豪ドル相場の予想値を、年末に1豪ドル=85円40銭と

0.97米ドル、3月末は88円と1米ドルに引き上げたことを明らかにし た。従来は、年末に1豪ドル=79円90銭と0.94米ドル、3月末は82 円50銭と0.97米ドルだった。

2016年の五輪開催が決まったブラジルや、サッカーW杯を来年主 催する南アフリカは、高成長の新興国の代表格。鉄鉱石や石炭の輸出で アジアの恩恵を受けている面もある。ただ、足元では「レアルには海外 からの投資に対する課税、ランドには当局による通貨高抑制のための為 替介入というリスクがある」と、内田氏は指摘。「高金利に加え、政策 関連のリスクが低い豪ドルに資金が向かいやすい」と述べた。

豪ドルは円に対し、年初来31%超も上昇。10月23日には一時85 円32銭と、米証券リーマン・ブラザーズ・ホールディングスが破たん した直後の08年9月以来の水準に達した。今月2日には約1カ月ぶり の安値79円47銭をつけたが、12日までに84円22銭と6%上昇。対ド ルでは12日、0.9370米ドルと08年8月以来の高値をつけた。

中国がけん引

中国が11日発表した10月の工業生産と小売売上高の伸びは予想を 上回り、10-12月期の実質成長率が6四半期ぶりに10%を超えるとの 見通しが強まった。商品運搬コストの指標バルチック・ドライ指数は、 中国向けの輸送需要増を背景に、12日まで11日続伸した。

オーストラリアの10月の雇用者数は1万人減るとの予想に反し、 2万4500人増えた。同国は9月、世界的な金融危機の発生後に主要20 カ国・地域(G20)で最初に利上げし、10月にも追加利上げした。RB Sは同国が12月にも利上げし、政策金利を3.75%に引き上げると予想 している。

ブラジル・レアルも、円やドルといった低金利通貨に対し、年初か ら上昇。10月26日には対円で54円16銭と、昨年10月以来の高値を記 録した。ただ、今月3日に約1カ月ぶり安値をつけるなど伸び悩んでい る。南ア・ランドは7月1日、12円59銭と約9カ月ぶりの水準を回復 したが、その後は一進一退。RBSは、レアルが年末に51円50銭、ラ ンドは10円60銭と予想している。

日本や米国では低金利政策が長引く公算が大きい。日本銀行は10 月30日、金融危機に対する緊急避難的な企業金融支援策のうち、コマ ーシャル・ペーパー(CP)と社債の買い入れ終了などを決定。ただ、 声明文の冒頭に低金利政策を「当面」維持するなどと新たに明記した。

米連邦準備制度理事会(FRB)が3、4日開いた連邦公開市場委 員会(FOMC)の声明文では、政策金利を「長期にわたり異例な低水 準」に維持する方針をあらためて示した。

ブルームバーグのデータによると、円は10月以降、主要16通貨の うち14通貨に対し、1%以上下落した。対ドル、台湾ドルではほぼ横 ばいとなった。

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