今日の国内市況:日本株は下落、債券は上昇-ドル弱含み

日本株相場は下落。政府の事業仕 分けに伴う薬価引き下げの可能性が警戒され、武田薬品工業や塩野義製 薬など医薬品株が売られた。増資による1株価値希薄化の懸念で、日本 郵船が52週安値を更新するなど海運株も安い。

日経平均株価の終値は前日比67円19銭(0.7%)安の9804円49 銭。TOPIXは同4.59ポイント(0.5%)安の867.70。

東証1部の業種別33指数は、電機や医薬品、化学、小売、その他 金融、海運など28業種が下落。上昇は輸送用機器、精密機器など5。 騰落銘柄数は値下がり1311、値上がり263と、全体の約8割が安い。 売買代金は1兆2374億円と、過去1年間の平均1兆4247億円を引き続 き大きく下回った。

低金利政策が維持されるとの見方で、11日の米ダウ工業株30種平 均とS&P500種株価指数が2008年10月以来の高値を更新した流れを 受け、朝方は買い先行で始まったが、午後になって下落基調を強めた。

ブルームバーグ・データによると、過去3カ月の日本、アジア株指 数の騰落率は日経平均6.1%安、TOPIX9.7%安とマイナスとなっ ているのに対し、中国シンセン指数は9%高、インドのSENSEX30 種は12%高、ベトナムVN指数は9.8%高と大幅上昇している。

政策の先行き不安を日本株の低迷要因に挙げる向きが多い中、この 日も民主党政権による政策が売りのきっかけとなった。きょう売られた のは医薬品株だ。行政刷新会議のワーキンググループが11日の「事業 仕分け」で、先発医薬品の価格について「後発品の薬価を目指して引き 下げる」と確認したなどと日本経済新聞朝刊などが報道。薬価が引き下 げられれば業績に影響を与えかねないと懸念され、医薬品指数はTOP IXの下落寄与度2位となった。

また、相次ぐ企業による増資も相場の上値を抑え、きょうは海運株 の下げが目立った。日本郵船は12日、公募増資などにより手取り概算 で最大1425億円を調達すると発表。船舶への設備投資などに充当する。 公募増資などで最大4億6000万株の新株を発行する計画だ。1株価値 の希薄化懸念などから、海運株が総じて下落。海運指数は東証業種別 33指数の値下がり率2位。

半面、国内企業の決算発表が一巡し、業績を分析したアナリストの リポートが材料視され始めた。注目されたのが自動車株。ゴールドマ ン・サックス証券は11日、自動車メーカーの上期決算の総括レポート を発表。コスト削減を先行して実施するホンダをコンビクションリスト 「買い」に追加し、米国主導の収益改善を期待できる富士重工業の投資 判断を「中立」から「買い」に上げた。

債券上昇、5年入札順調で

債券相場は上昇(利回りは低下)。5年国債の入札結果が順調だっ たことから、国債供給に伴う需給悪化懸念が弱まった。現物債には前日 に続いて買いが膨らんでおり、新発10年債利回りは午後に1.3%台後 半に急低下した。

現物市場で新発10年物の303回債利回りは前日比0.5ベーシスポ イント(bp)低い1.425%で始まった。しばらく1.415-1.425%で推移 した後に買い進まれる展開となり、午後には一時6bp低い1.37%をつ けている。一日の金利の下げ幅としてはほぼ1年ぶりの大きさ。

財務省は午後零時45分に5年国債(85回債、11月発行)の入札結 果を発表。最低落札価格100円3銭、平均落札価格は100円5銭。最低 価格は事前予想の100円2銭を上回り、最低と平均価格の格差(テー ル)は前回債の4銭から2銭に縮小した。一方、応札倍率はほぼ6年ぶ り低水準となった前回の2.17倍から3.70倍に上昇した。

東京先物市場の中心限月12月物は前日比2銭安い137円84銭で始 まり、直後にこの日の安値となる137円82銭をつけた。いったんは137 円90銭付近でもみ合っていたが、その後の日中取引ではじりじりと買 い進まれて、一時は10月22日以来の高値圏となる138円51銭まで上 昇。結局は63銭高の138円49銭で終了した。

先物12月物は週初には137円29銭まで続落して、中心限月として は8月半ば以来の安値をつけた。しかし、現物市場での買いをきっかけ に急反発に転じたため、これまで主要な売り手であった海外勢を中心に 持ち高調整の買いが膨らんだとみられる。

ドル弱含み、豪景気期待でリスク選好

東京外国為替市場では、ドルが弱含みに推移した。オーストラリア の雇用統計強含みを受けて、リスク資産向け投資が意識され、低金利の ドルから比較的金利の高い通貨に資金が流れやすい展開となった。

午前に発表された豪雇用統計では、10月の雇用者数が前月比2万 4500人増加。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想では、1 万人の減少が見込まれていた。

同統計発表後は、ドルが主要16通貨に対してほぼ全面安の展開と なり、ユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.5016ドルと、前日のニュ ーヨーク時間午後遅くに付けた1.4987ドルからドルが水準を切り下げ た。

しかし、午後の取引にかけて米国の株価指数先物がマイナスに沈ん でおり、ドル売りの動きも鈍化。1.5000ドルを挟んでもみ合う展開と なった。

前日のニューヨーク市場では、金先物相場は8日続伸し、一時は1 オンス=1119.10ドルまで上げ、過去最高値を更新。また、株式市場で は、S&P500種株価指数が13カ月ぶり高値を付けている。

一方、この日はシンガポールでアジア太平洋経済協力会議(APE C)財務相会合が開かれ、日本時間の午後3時過ぎには声明文の内容が 明らかとなった。

声明では、世界経済の回復は「依然として脆弱(ぜいじゃく)」と の認識が示された。また、閣僚らは一部の国・地域の失業率が容認でき ない高水準にあり、今後数四半期の成長には起伏があるだろうとの見解 を表明している。

海外市場にかけては、米国で新規失業保険申請件数が発表されるほ か、ユーロ圏では9月の鉱工業生産が明らかとなる。また、欧州中央銀 行(ECB)のトリシェ総裁がドイツのフランクフルトで講演をする。

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