ドイツ銀行シミンスキー氏:原油価格は来年半ばに60ドルまで下落も

ドイツ銀行のエネルギー担当主任 エコノミスト、アダム・シミンスキー氏(ワシントンDC在勤)は12 日、ブルームバーグ・ニュースの電話取材に応じ、米国と中国で行わ れている経済対策が終わる2010年半ばごろに、ニューヨーク原油の先 物価格が1バレル=60ドルまで反落するとの見方を示した。

同氏は、10年の平均価格については65ドルを予想。ブルームバ ーグ・ニュースのデータによると、アナリスト36人の予想(中央値) は75ドル。シミンスキー氏はアナリストの予想中央値を下回る見通し であることについて、「在庫水準が高い。生産能力に余剰がある上、景 気が若干減速する可能性がある」と説明した。

シミンスキー氏によると経済協力開発機構(OECD)加盟国は 現在、消費量の61日分に相当する原油在庫を保有しており、これは通 常の水準を5-6日分上回るという。「消費量が日量約5000万バレル であることを考えると、3億バレルという膨大な在庫が存在すること になる。この在庫の解消には結構な日数が必要だ」と指摘した。

米国エネルギー省のデータによると、先進国30カ国の民間企業が 保有する原油・製品の在庫は、第3四半期(7-9月期)末に27億 6000万バレルまで増加。急激な在庫増で原油価格が10ドルまで下落 した1998年の水準(27億7000万バレル)に迫った。

40ドルを割り込むような下落はなし

同氏は「まったく予想していなかったようなレベルの景気の減速」 でも起こらない限り、09年初めのような40ドルを割り込む水準まで 原油価格が急落することはないと話す。「景気は順当に回復しており、 価格急落を防止するためのOPEC加盟国間の結束も十分強い」と語 った。

シミンスキー氏は、年内の原油価格については上昇する可能性も あるという。現在の堅調な原油相場の背景にはドル安があることから、 1ユーロ=1.55ドルまで下落することがあれば、「12月中に85ドルと いう高値を付けることもあり得る」と予想した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は日本 時間午後1時22分現在、79.24ドルで取引されている。

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