CFO集め国際会計基準を集中討議、改定論議巻き返しへ-経産省

経済産業省は、日本でも義務化が 検討されている国際会計基準(IFRS)の問題点を集中討議するた め、国内主要23社の最高財務責任者(CFO)など担当役員を集めた 定期会合を始める。実務・経営上の影響を中心に年度内に意見を取り まとめ、国際的な基準改定論議で日本企業に不利な方向で見直しが進 む退職給付積立金の評価方法などでも巻き返しにつなげたい考え。

同省関係者が12日明らかにした。討議の場は同省が設置する「企 業財務委員会」で、初会合は16日に開く。三菱電機の佐藤行弘常任顧 問(元副社長)が委員長を務め、トヨタ自動車やソニーなど23社の財 務担当役員や、日本経団連関係者などが参加。主な論点は、①企業経 営・実務からみた国際会計基準の問題点②非上場、中小企業に配慮し た会計基準③社会貢献度や企業統治など財務情報以外の基準による企 業評価の在り方-など。

経産省や企業が特に問題視しているのは退職給付金の会計基準。 IFRSの設定主体である国際会計基準審議会(IASB)による見 直し作業では、現行の日本基準のように、将来の支給額に対する積み 立て不足額を何年間かに分けて償却する方法を認めず、発生した年度 に一括して財務内容に反映させる「即時計上」へ変更する方向で検討 が進んでいる。

三菱総合研究所の主任研究員で公認会計士の岡崎文一氏は、日本 企業では、あらかじめ給付額が保証された確定給付型年金の割合が多 く、円高や株安などの相場変動で生じた年金資金の積み立て不足を単 年度ごとに財務に反映させると、利益の振れが大きくなる可能性があ ると指摘。「企業業績が本業以外の要因に左右され、経営のかじ取りが 難しくなる」との懸念を示している。

IFRSは金融・資本取引のグローバル化を背景に、2005年に欧 州連合(EU)が域内で活動する企業に義務付けるなど、100カ国超 が導入済み。現在、基準の見直しが行われており、岡崎氏は「日本に 影響の大きそうな項目がいくつかある」と指摘、わが国としても「自 らに有利な方向へ議論をもっていく努力が必要だ」と話す。

日本はこれまで国内の会計ルールについて、個別基準ごとにIF RSとの共通化作業を進めてきた。一方で、IFRSの一括受け入れ に向けた検討も行っており、10年3月期末決算からは企業が任意に導 入できるほか、12年をめどに強制適用の是非も判断することになって いる。

--取材協力:河元伸吾 Editor:Masaru Aoki,Hitoshi Ozawa

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