監視委:投資銀行から競走馬や美術ファンドまで検査対象拡大

証券取引等監視委員会が検査対象を 拡大している。欧米の投資銀行や国内証券などから、個人投資家の資金 を集めて運用するファンドなどに対象を広げ、検査官を増員して実態の 把握に乗り出した。今月に入り、競走馬やコンテンポラリー・アートに 投資するファンドなどに立ち入り検査に入った。

9日現在、現代美術品を投資対象とするファンドArt Investment Bank(東京都中央区)、 競走馬を投資対象とするエプソム愛馬会(東京 都世田谷区)とその系列会社ジャパンホースマンクラブなどを立入り検 査している。取引・運用の状況や内部管理体制などを調べる。日本の金 融当局がこうした種類のファンドを検査するのは初めて。

証券監視委は今年度に入り、個人投資家を対象にした流動性の低い 金融商品を扱う9つのファンドを検査している。昨年度はこれら第2種 金融商品取引業者の検査はゼロだった。日銀の統計によれば、日本の個 人投資家は796兆円と多額の現・預金を抱え、貯蓄から投資への流れを 加速するにはこうした個人投資家の保護がカギとなる。

証券検査課の其田修一課長はインタビューで、「証券監視委の検査対 象範囲は拡大している」との認識を示した。その上で「集団投資スキー ムを持つファンドなど新たな検査対象の実態を把握し、個人投資家の保 護に努めたい」と述べた。検査対象の拡大を通じ、「検査手法やノウハウ の確立に取り組みたい」という。

証券会社検査

証券監視委は昨年度の検査で国内証券89社、外国証券7社を立入り 検査した。5年前の国内107社、外証17社と比較すると大きく減少して いる。個人投資家などの保護を重視した金融商品取引法が2007年9月に 改定の後施行されたのを受け、検査対象に関する金融当局の関心も、そ れに応じて広がってきた。

日本証券経済研究所の理事で、早稲田大学大学院で証券規制を教え る佐賀卓雄氏は、「ルールを作らないと投資家が犠牲になる。その際一番 弱いのは個人投資家だ」と述べた。また「ワインやラーメン、グラビア アイドルに至るまで、昨今ファンドはさまざまで規制の枠組みを確立す るのは好ましい」として、金融当局の検査対象の拡大を評価した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE