東京外為:ドル弱含み、豪景気期待でリスク選好-下値警戒感も

東京外国為替市場では、ドルが弱 含みに推移した。オーストラリアの雇用統計強含みを受けて、リスク 資産向け投資が意識され、低金利のドルから比較的金利の高い通貨に 資金が流れやすい展開となった。

三井住友銀行市場営業部先物為替グループの岡川聡グループ長は、 根本的に「ドル売りの流れが続いている」としたうえで、豪州の経済 指標強含みを背景に豪ドル買い主導の展開になったと説明。ただ、こ の日は米国で30年債の入札が控えており、結果次第では米株の上値が 抑えられる可能性もあることから、リスク資産向け投資に勢いが付き にくい面もあると付け加えている。

午前に発表された豪雇用統計では、10月の雇用者数が前月比2万 4500人増加。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想では、1 万人の減少が見込まれていた。

同統計発表後は、ドルが主要16通貨に対してほぼ全面安の展開と なり、ユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.5016ドルと、前日のニュ ーヨーク時間午後遅くに付けた1.4987ドルからドルが水準を切り下げ た。

しかし、午後の取引にかけて米国の株価指数先物がマイナスに沈 んでおり、ドル売りの動きも鈍化。1.5000ドルを挟んでもみ合う展開 となった。

リスク資産向け投資根強い

前日のニューヨーク市場では、金先物相場は8日続伸し、一時は 1オンス=1119.10ドルまで上げ、過去最高値を更新。また、株式市場 では、S&P500種株価指数が13カ月ぶり高値を付けている。

三菱UFJ証券クレジット市場部為替課長の塩入稔氏は、米金融 当局が政策金利を上げられないという見方が浸透しており、「ドルを買 える材料はない」と指摘。さらに、景気回復のシグナルが維持されて いる状況下で、米株や金先物相場などのリスク資産が上昇基調になる と、「ドル売りに動くしかない」とみている。

ただ、塩入氏は、豪ドルやユーロについて、市場が「高所恐怖症」 になっている面があるともいい、一段のドル売りに慎重な姿勢もくす ぶっているとしている。

APECの影響は限定

一方、この日はシンガポールでアジア太平洋経済協力会議(AP EC)財務相会合が開かれ、日本時間の午後3時過ぎには声明文の内 容が明らかとなった。

声明では、世界経済の回復は「依然として脆弱(ぜいじゃく)」と の認識が示された。また、閣僚らは一部の国・地域の失業率が容認で きない高水準にあり、今後数四半期の成長には起伏があるだろうとの 見解を表明している。

三菱UFJ証の塩入氏は、各国の金融引き締めの話が見込みにく い上に、中国人民元の柔軟性をめぐる問題は以前から議論されている ことで、影響は限定的とみている。

海外市場にかけては、米国で新規失業保険申請件数が発表される ほか、ユーロ圏では9月の鉱工業生産が明らかとなる。また、欧州中 央銀行(ECB)のトリシェ総裁がドイツのフランクフルトで講演を する。

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