アイルランドの危険な賭け、実行段階に-バッドバンク法きょう成立

【記者:Dara Doyle, Ian Guider】

11月12日(ブルームバーグ):アイルランド現代史で最も危険な 賭けが理論の領域から現実世界に移ろうとしている。国家資産管理機 関(NAMA)、いわゆるバッドバンクを設立する法案が12日、アイ ルランド議会を通過し、同法が成立する見通しだ。

NAMAはアイルランドの国内総生産(GDP)の実に約3分の 1に相当する540億ユーロ(約7兆2800億円)を投じて、国内大手金 融機関の不動産ローン債権を買い取る。銀行融資の促進を図る狙いが あり、先月公表された計画によれば、年内に買い取りを開始する予定 だ。

アイルランド議会は現地時間午後3時半(日本時間13日午前零時 半)までにバッドバンク法案の採決を行う。政府は欧州連合(EU) の行政執行機関、欧州委員会から月内に最終承認を得たい考え。

昨年来の金融危機の影響で、アイルランドの主要株価指数は急落 し、債券のスプレッド(利回り格差)も少なくとも10年ぶりの水準に 上昇。欧州で最も活力に満ちた経済という同国に対する評価は崩れ去 った。不動産価格が2007年のピークから平均50%下げたことで、 アイルランド銀行やアライド・アイリッシュ銀行を中心に金融機関が 抱える不良債権も急増している。

ダブリンに拠点を置くKBCアセット・マネジメント(運用資産 84億ユーロ)のエコノミスト、オーエン・ファーイ氏は「これはわれ われが行う過去最大の金融の実験だ」と指摘。「アイルランドの危機の 解決を図る新たな措置であり、ドイツ国債に対するスプレッドは今後 3、4年で縮小するはずだ」と話す。

アイルランド10年物国債のドイツ国債に対するスプレッドは3 月時点の284ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)から137b pに低下しているものの、過去10年の平均(28bp)をなお大幅に上 回っている。

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