11月11日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルが一時、主要通貨に対して1 年3カ月ぶり安値をつけた。米連邦準備制度理事会(FRB)が政策 金利を事実上ゼロで維持するとの見方が背景。

ストラテジストらは、1ユーロ=1.5050ドルを一段のドル売り が促される節目とみていたが、この水準以上のドル安にはならなかっ たことからその後ドルは反転し、対ユーロで上昇した。

ポンドは対ユーロで大幅安。イングランド銀行(BOE)のキン グ総裁が、ポンド下落は経済の不均衡是正を図る一助となるだろうと 述べたことが嫌気された。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨戦略世界責任者、マー ク・チャンドラー氏は「ドルへのセンチメントはまだ総じてネガティ ブだ」と述べ、ユーロは「依然として、年初来高値に非常に近い距離 にいる」と続けた。

ニューヨーク時間午後4時25分現在、主要6通貨に対するイン ターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は75.098。前日は

75.021だった。この日は一時、0.3%高の74.774と、2008年8月以 来の最低を付けた。

ドルは対ユーロで1ユーロ=1.4980ドル、一時はロンドン時間 の引けにかけて1.5048ドルを付ける場面もあった。ユーロは10月 26日、対ドルで1ユーロ=1.5063ドルを記録し、1年3カ月ぶり高 値をつけた。

有利な米輸出企業

年初からドルはユーロに対して6.6%下落。米調査会社ベスポー ク・インベストメント・グループがまとめたデータによると、米輸出 企業の株価パフォーマンスは国内で事業展開している米企業に比べて 27ポイント上回っている。

中国人民元

ドル下落に連動し、人民元も下落。過去1年間で元は対ユーロで 17%安、対円では8%値下がりしており、中国の輸出競争国から同国 に対して元上昇を容認するよう圧力が強まっている。

オバマ米大統領は9日、ロイター通信のインタビューに応じ、来 週北京で中国の胡錦濤国家主席と会談する際に、為替問題を取り上げ ることを明らかにした。

ブルームバーグのデータによれば、1年物の元先物(ノンデリバ ラブル・フォワード、NDF)は、前日比0.4%高の1ドル=6.8120 元。現物相場6.8259元から3.2%上昇を見込んでいる。

中国政府は08年7月以降、人民元の対ドル相場を1ドル=6.83 元近辺で維持している。人民元はこれより前の3年間で21%上昇し た。

四半期金融政策報告書

中国人民銀行(中央銀行)は11日発表した四半期金融政策報告 書で、為替政策は世界の資本の流れと主要通貨の変動を考慮に入れる と記述した。当局者はこれまで、人民元相場は「基本的には安定した 水準」の維持を目指していた。

中国の10月鉱工業生産は前年同月比で16%拡大、同月の貿易黒 字も増加した。

ドルは対円ではほぼ変わらずの1ドル=89円82銭、前日は同89 円81銭だった。ユーロは円に対して1ユーロ=134円56銭(前日は 134円65銭)だった。

◎米国株式市場

米株式相場は上昇。世界的な株高の流れを引き継ぎ、S&P500 種株価指数は13カ月ぶり高値を付けた。中国の10月の工業生産の伸 びが加速したほか、米金融当局者らの発言が過去最低水準の政策金利 維持を示唆したと受け止められ、買いが優勢となった。

ダウ工業株30種平均は、終値ベースで2008年10月以来の高値。 バンク・オブ・アメリカ(BOA)やホーム・デポが上昇をけん引し た。またトール・ブラザーズが16%高となるなど、住宅建設株が買 われた。同社の09年8-10月(第4四半期)暫定決算で受注件数の 増加と解約ペースの鈍化が示されたことに反応した。ただドルが持ち 直したことで商品相場が上昇分の大半を失うなか、主要株価指数は上 げ幅を縮めた。

S&P500種株価指数は前日比0.5%高の1098.51と、08年10 月3日以来の高値で終了。ダウ工業株30種平均は44.29ドル (0.4%)上昇の10291.26ドル。ニューヨーク証券取引所(NYS E)の騰落比率は2対1。

レイモンド・ジェームズ・アソシエーツ(フロリダ州)のチーフ 投資ストラテジスト、ジェフリー・ソー氏は「ベアマーケット・ラリ ー(弱気相場における反発局面)は終わったと言う人がいるが、的外 れな見方だ」と語った。

FRBの景気認識

米ダラス連銀のフィッシャー総裁は10日、米国の経済成長とイ ンフレが2011年にかけて理想的な水準を下回る可能性があり、現行 の金融政策スタンスは「適切だ」との認識を示した。またサンフラン シスコ連銀のイエレン総裁はフェニックスでの講演で、「雇用なき回 復」との見方を強めた。アトランタ連銀のロックハート総裁は、今四 半期(10-12月)以降について、「比較的緩やかなペースでの経済成 長」を予想した。

ミラー・タバクの株式ストラテジスト、ピーター・ブックバー氏 は顧客への電子メールで、「FRBは依然として、世界一の経済大国 である米国が0.25%を上回る政策金利に耐えられないと考えてい る」と指摘。「『魚雷を避けよ、全速力で前進』の戦略は続く」と付け 加えた。

金融株と建設株

金融株指数は1.4%高と、S&P500種を構成する10業種の中で 最も上げた。

ゴールドマン・サックス・グループは1.9%高の179.85ドル。 BOAは2.5%上昇の16.43ドル。ウェルズ・ファーゴは2.5%上げ て28.80ドル。

住宅建設株指数を構成する12銘柄はすべて上昇。同指数は

6.9%高と、上昇率は5月以降で最大となった。トール・ブラザーズ は3.02ドル高の21.41ドル。

このほか、パルト・ホームズやKBホーム、レナー、D.R.ホ ートンも大幅高となった。ホーム・デポは1.8%上昇。

アジア株式市場では、MSCIアジア太平洋指数が4営業日続伸。 中国の10月の工業生産は前年同月比16.1%増と、2008年3月以来、 最も高い伸びとなった。また貿易黒字は9月の水準の2倍近くに拡大 した。

ギャムコ・インベスターズ(ニューヨーク州)の成長株担当最高 投資責任者(CIO)、ハワード・ウォード氏は「今回の上昇には持 続性がある」と指摘。「先週見られた景気に関するさまざまなプラス のニュースの後でのこうした好調な経済指標は、回復が本物だという 見方を強めるものだ」と述べた。

産金で米最大手のニューモント・マイニングは1.6%高の51.24 ドル。ニューヨーク金先物相場は一時、1オンス=1119.10ドルと過 去最高値を更新した。ドル先安感からヘッジ手段としての需要が高ま った。

◎米国債市場

11日の米国債市場はベテランズデーの祝日で休場。取引は12日 に再開される。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は8日続伸。一時は1オンス=1119.10 ドルまで上げ、過去最高値を更新した。ドル安を受け、代替投資とし ての需要が強まるとの見方から買いが続いた。

8日連続高は2006年1月以来で最長。主要6通貨に対するイン ターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は1年3カ月ぶりの 低水準を付けた後、上げに転じた。インド中央銀行は先月、準備の多 様化に向けて金を購入した。

ラサール・フューチャーズ・グループ(シカゴ)の金属トレーダ ー、マット・ジーマン氏は「中銀の金購入意欲が相場を下支えている。 ドルだけでなく、すべての通貨に対して疑問の声が上がっている。投 資家は金を保有への安心感を強めている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前日比12.10ドル(1.1%)高の1オンス=1114.60ドルで 取引を終了した。月初からは7.1%高。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は反発。中国の原油輸入が生産増大を背景 に過去2番目の高水準に達したことを材料に買いが入った。

中国通関当局のデータによれば、10月の原油輸入から輸出を差 し引いた純輸入高はほぼ1900万トン(日量450万バレル)。10月に は鉱工業生産と貿易黒字も拡大し、中国の景気回復の強さを示した。 中国は米国に次ぐ石油消費国。

食糧やエネルギー関連の商品に投資するヘッジファンド、ラウン ド・アース・キャピタルのパートナー、ジョン・キルダフ氏は「中国 の統計が強い支援材料であることは明らかだ。輸入統計は常に高く、 需給要因では原油高を説明できないとする見方への反論となってい る」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前 日比23セント(0.29%)高の1バレル=79.28ドルで終了した。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は上昇。3週間ぶり高値まで買い進まれた。時価総 額で仏銀3位のクレディ・アグリコルとセメントメーカーのスイス企 業ホルシムの決算がアナリスト予想を上回ったほか、中国の鉱工業生 産の増加が買い材料だった。

クレディ・アグリコルとホルシムはいずれも上昇。オーストラリ アの鉱山会社BHPビリトンと英豪系リオ・ティント・グループを中 心に買いが入り、鉱山株指数は1年2カ月ぶり高値に上昇した。日本 の9月機械受注が前月比で増加したのが好感された。

オランダの金融サービス大手INGグループも上昇。同社四半期 決算は評価損の縮小が寄与し、黒字を計上した。

ダウ欧州600指数は前日比0.4%高の246.2と、終値では10月 2日以来の高値で引けた。同指数は今年3月9日の年初来安値から 56%回復した。

ベアリング・アセット・マネジメントのディレクター、ジェーム ズ・バックレー氏(ロンドン在勤)は、「大手企業が比較的良好な決 算を発表したほか、中国の鉱工業生産統計も追い風となり、相場が上 昇した。決算発表期はほぼ終わったが、十分な買い材料として相場を 押し上げている」と述べた。

◎欧州債券市場

欧州債相場は前日からほぼ変わらず。ドイツが50億ユーロ規模 の国債入札を実施したのに加え、株式相場の上昇で国債需要が後退し た。

10年債利回りは一時、9月23日の高水準まで0.5ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)に近づいた。先進国の銘柄で構成する MSCI世界指数は上昇。フランス3位の銀行、クレディ・アグリコ ルの7-9月(第3四半期)利益が予想を上回ったほか、10月の中 国工業生産が増加した。

WestLBの債券ストラテジスト、ジョン・デービーズ氏(ロ ンドン在勤)は、「株式相場は経済データより若干先行している公算 がある。そのため10年債利回りは現行水準にとどまることが可能だ ろう」と語った。

ロンドン時間午後4時24分現在、10年債利回りは3.34%と、前 日からほぼ変わらず。一時は3.39%まで上げた。同国債(表面利率

3.25%、2020年1月償還)価格は前日比0.01ポイント下げ99.25。 欧州各国の10年債もほぼ変わらずだった。

ドイツがこの日実施した入札結果は、応札倍率が1.4倍となった。 過去3回の平均は1.6倍だった。同国は今年、過去最大の3290億ユ ーロ規模の国債入札を計画。前年は2200億ユーロだった。

◎英国債市場

英国債相場は上昇。2年債利回りは一時、約18年ぶり低水準を 付けた。イングランド銀行(英中央銀行)のキング総裁がインフレ率 が中期的に目標を下回る水準にとどまるとの見方を示したことがきっ かけだった。

キング総裁はこの日、資産買い取り継続について当局者は「予断 を持っていない」と発言。イングランド銀はインフレ率が今後3年の ほとんどの期間に2%の目標を下回るとの見通しを示した。これを受 けて、10年債は上げに転じた。

カリヨンの債券ストラテジスト、オーランド・グリーン氏(ロン ドン在勤)は「多くの市場関係者が予想していたよりもハト派的なコ メントだった。当局者はインフレ率が短期的に上昇すると予想してい るが、中長期的には鈍化し、景気回復の強さには大いに論争の余地が あるとみている。これが国債相場の上昇要因となった」と語った。

2年債利回りはロンドン時間午後4時45分現在、前日比5ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.71%。一時は

0.698%まで下げ、ブルームバーグがデータ集計を開始した1992年1 月以来の最低水準となった。同国債(表面利率4.25%、2011年3月 償還)価格は0.06ポイント上げ104.66。10年債利回りは3.76%と、 前日から3bp低下した。

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