武藤前日銀副総裁:来年マイナス成長も-追加政策が議論に

日本銀行の前副総裁の武藤敏郎大 和総研理事長は11日夕、都内で開かれた情報提供会社ジャパン・ビジ ネス・プレス主催の講演会で、日本経済は来年前半にマイナス成長に なる可能性が否定できないとした上で、仮にそうなった場合は、追加 的な財政政策、金融政策が課題になる可能性がある、と述べた。

武藤氏は国内の景気について「回復しつつある」としながらも、 「景気回復の持続可能性が高いかどうかは若干の留保が必要だ」と指 摘。国内の実質GDP(国内総生産)成長率は「来年前半に四半期ベ ースでマイナスになる可能性も否定できない」として、「来年前半に踊 り場になる可能性がかなり高い」と語った。また、物価についても「デ フレがかなり長続きする可能性がある」との見方を示した。

その上で「仮に四半期ベースで成長率がマイナスになると、いろ んな議論が出てきて、さらなる財政政策、金融政策をどうしたらよい かが課題となる可能性があり、かなり話がややこしくなる」と述べた。

武藤氏はまた、日銀の金融政策について「デフレに対する対応と、 出口政策というものもあり、かじ取りが難しい」と述べた。日銀は先 月30日公表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、2011年 度まで3年連続で消費者物価指数(除く生鮮食品)が下落するとの見 通しを示した。

物価を上げるのは財政政策の方が得意

武藤氏はインフレターゲットの是非について問われ、「望ましい物 価上昇率の水準を聞かれれば、たぶんゼロではないプラスの数字」と しながらも、「それを目指すと宣言するだけでは実現はできない」と述 べた。

さらに、「中央銀行は物価を下げるのは得意だが、物価を上げるの はむしろ得意ではない」として、物価を上げるという点では「需要を 作ればよいので、財政政策の方が本当は得意だ」と語った。

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