今日の国内市況:TOPIX小反落、債券上昇―円は上下に振れる

日本株相場は、TOPIXが小幅 反落。長期的な世界石油需要見通しの下方修正を受け、石油・石炭製品 や鉱業株が下落。為替の円高警戒感から東京エレクトロンやスズキなど 輸出関連株の一角も売られた。転換社債や新株発行による増資発表を受 け、需給悪化懸念からイオンや日機装も安い。

TOPIXの終値は前日比0.15ポイント(0.02%)安の872.29。 一方、日経平均株価は同95銭(0.01%)高の9871円68銭。ともに前 日比の変化率が0.1%未満という小ささ、東証1部の売買代金も前日比 10%近く減るなど、午後の取引でこう着、様子見ムードが強かった。

東証1部の業種別33指数は21業種が下落、上昇は12。騰落銘柄 状況は値下がり1061と、値上がりの461を大きく上回った。この日の 日経平均は買い先行で始まり、一時78円高まであったが午後には下落 に転じる場面が目立った。国内外で積極的な売買材料に欠け、東証1部 の売買代金は1兆1447億円と、過去1年間の平均1兆4258 億円を大き く下回っている。

取引開始前に発表された9月の機械受注は2カ月連続の増加で、設 備投資の底入れ期待から、朝方はファナックや大日本スクリーン製造な どが上昇したものの、徐々に伸び悩んだ。

石油関連銘柄が終日安かった。国際エネルギー機関(IEA)が、 長期的な世界石油需要見通しをしたことを受け、新日本石油や国際石油 開発帝石などが下落。このほか、増資を発表した銘柄の下げが目立ち、 総額1000億円の転換社債型新株予約権付社債(CB)2本を発行する と発表したイオンが反落。新株発行の発表で1株価値希薄化への懸念が 出ている日機装は大幅安となった。

また、午後の相場の足を引っ張ったのが、為替相場の円高進行だ。 東エレクやアドバンテスト、スズキなど輸出関連株の一角が安い。

一方、33業種の値上がり率上位には電気・ガス、情報・通信など 直近で下げの目立っていたディフェンシブ銘柄が並んだ。長期金利上昇 の一服に加え、通信には一部銘柄にアナリストの投資判断引き上げの材 料もあったが、市場では投資家の景気の先行きに対する不安感の強さを 映したとも受け止められている。

債券相場は上昇

債券相場は上昇(利回りは低下)。長期金利の指標となる新発10 年国債利回りが前日には5カ月ぶりに1.5%手前まで上昇したことで買 いが入っており、先物市場でも海外勢などを中心に売り持ち高を手仕舞 う買い戻しが膨らんだ。

現物市場で新発10年物の303回債利回りは前日比1ベーシスポイ ント(bp)低い1.46%で始まり、午前は2.5bp低い1.445%での推移と なった。午後にもじりじりと利回りを切り下げて一時は4.5bp低い

1.425%をつけた。その後は4bp低い1.43%で取引されている。

303回債利回りは10日午前に1.485%まで上昇して、新発10年債と しては6月16日以来の高い水準を記録した。しかし、その後に藤井裕 久財務相と菅直人国家戦略担当相が新規国債発行を抑制すると発言した ことから、市場の需給悪化懸念はやや和らいでいるようだ。

実際、10年債利回りの1.5%は節目との見方が多いだけに、市場で は投資家の買いが膨らむきっかけを待つ雰囲気が強まっていた。

東京先物市場の中心限月12月物は前日比3銭高い137円58銭で始 まり、開始後こそ137円56銭まで上げ幅を縮めた。しかし、日中取引 ではじり高の推移が続き、取引終盤には1週間ぶり高値圏となる137円 92銭をつけており、結局は31銭高の137円86銭で終了した。

先物12月物は週初の取引で137円29銭まで続落して、中心限月と しては8月半ば以来の安値をつけたが、現物市場での買いをきっかけに 短期的な自律反発局面に入っている。

円が上下に振れる展開

東京外国為替市場では、午後の取引終盤で円が上昇幅を縮小する展 開となった。12日にシンガポールで開かれるアジア太平洋経済協力会 議(APEC)財務相会合を控えて、世界経済の不均衡是正に向けたア ジア通貨への上昇圧力が警戒されていたが、為替相場が主要議題になら ないとの一部報道を受けて、円が売り戻される格好となった。

ドル・円相場は午後に一時1ドル=89円29銭と、円が2日以来、 約1週間ぶりの高値を更新。午後の取引終盤には、日本の政府関係者の 話として、APECでは、為替相場は焦点とならず、中国の人民元に関 する議論は行われない見通しだとの報道が伝わると、89円台後半まで 円が押し戻されている。

ユーロ・円相場も一時1ユーロ=133円81銭と、2営業日ぶりの 水準まで円が上昇したあと、134円台半ばまで円が水準を切り下げてい る。

米財務省関係によると、ガイトナー財務長官はAPEC財務相会合 で、アジア各国における内需拡大の必要性を協議する見通し。

アジア開発銀行(ADB)の黒田東彦総裁は11日、シンガポール でブルームバーグ・テレビジョンとのインタビューに応じ、「人民元の 柔軟性向上を容認することが中国にとって必要であり、適切だ」と指摘 した。「人民元はより柔軟性を増すと確信しており、中国経済にとって もそれが必要だ」と語った。

一方、米金利の先安観がくすぶるなか、ドルで資金を調達して高金 利通貨に投資する流れは根強い。ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で 1ユーロ=1.4939ドルまでドルが上昇する場面がみられたが、この日 の東京市場では1.49ドル台後半を中心に推移。一時は1.5014ドルまで ドルが水準を切り下げている。

3カ月物ドル建てロンドン銀行間取引金利(LIBOR)は過去最 低水準まで低下して推移。また、前日は株価の予想変動率の指標である シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX 指数)が22.84と、10月23日以来の水準まで低下しており、リスク資 産向け投資を回避する動きが鈍っていることも示されている。

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