ベアーS両被告は「ウォール街のスケープゴート」-無罪評決の陪審員

米ベアー・スターンズの元ヘッ ジファンドマネジャーで証券詐欺の罪に問われたラルフ・シオフィ被 告(53)とマシュー・タニン被告(48)に10日の裁判で無罪評決を 下した陪審の1人は、検察側の主張が的外れだったとして、資金があ れば自らも両被告のファンドに投資するだろうとの見方を示した。

裁判では、女性8人と男性4人で構成する陪審が過去1カ月に及 んだ審理に参加後、この日は9時間足らずの協議で無罪評決に至った。 評決後のインタビューで複数の陪審員は、両被告が投資家を欺いて 16億ドル(約1400億円)の損失を負わせたと検察側は証明するこ とができなかったと指摘、セラフェーン・スティンプソン氏は両被告 が「ウォール街のスケープゴート」にされたと述べた。

サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン証券などに主 に投資した両被告のファンドは2007年に破たん。それから1年弱で ベアー・スターンズも救済合併された。両被告は10月13日の公判 で、共謀と証券詐欺、有線通信不正行為の罪に問われ、有罪が確定す れば最長20年の禁固刑が科されるはずだった。

スティンプソン氏は、両被告が有罪になるだろうと思って裁判に 臨んだが、証言が進んで弁護側が「検察側を論破」するにつれ、考え が変わり始めたと述べた。検察側は両被告の書いた電子メールの内容 を根拠に、2人がファンド破たん前の数カ月間に自らの資金を同ファ ンドに振り向けていると投資家に説明したものの、実際にはそうした 行動は取らなかったと主張。弁護側は送付された電子メールの内容は もっとあいまいだったと反論した。

さらに陪審の1人、アラム・ホン氏は、両被告が寝る間も惜しん で午前4時に働いていた証拠を弁護側が示したことに注目。「この事 件が本当に詐欺なら、被告はそこまで一生懸命には働かなかっただろ う」と述べ、自己資金があれば、両被告に運用してもらいたいと語っ た。

両被告は依然、米証券取引委員会(SEC)や投資家による訴訟 を抱えている。

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