ダラス連銀総裁:米成長は10、11年にかけ最適水準下回る公算

米ダラス連銀のフィッシャー総 裁は10日、米国の経済成長とインフレが2011年にかけて理想的な 水準を下回る可能性があり、現行の金融政策スタンスは「適切だ」と の認識を示した。

フィッシャー総裁はテキサス州での講演で、「2010年と恐らく11 年について最も公算が高いとみられるのは、成長が最適な水準に及ば ず、失業は引き続き厄介な問題で、インフレが依然抑制されているこ とだ」と予想。「われわれの現在の政策は適切だ」と言明した。同総裁 はまた、講演後の質疑応答で、ドルは「ある程度秩序ある下落」を経 験していると述べた。

米連邦準備制度理事会(FRB)は先週の連邦公開市場委員会(F OMC)で、政策金利を「長期にわたり」実質ゼロ水準に維持する方 針をあらためて示した。10月の米失業率は1983年以来初めてとなる 10%台となり、米銀は7-9月(第3四半期)にも、企業と個人向け の融資基準引き締めを続けた。

同総裁はオースティンでの講演の準備原稿で、「雇用の大幅な拡大 はしばらく先になる可能性があり、失業率が大きく低下するまでには さらに時間がかかるだろう」と分析。「インフレ圧力よりもデフレ圧力 が差し迫っている」との認識を示した。

05年から現職のフィッシャー総裁は今年、FOMCの議決権を持 っていない。同総裁は昨年、FOMC会合で引き締め方向の金融政策 を支持し、5回にわたって政策決定に異議を唱えた。

与信回復にはかなりの時間要する

フィッシャー総裁はまた、FOMCの4日の声明には米経済が上 向いているとの主張への「多くの警告」が盛り込まれていたと指摘。 さらに、「銀行の与信の完全な回復はまだであり、かなりの時間を要す るだろう」と述べた。

同総裁は、FRBが長期にわたって政策金利を「異例な低水準」 に据え置くと表明したことによる「リスクに特に留意している」とし た上で、これが米ドルを借りて他通貨建ての証券に投資するキャリー トレードを後押しし得ると説明。「これが秩序を乱す影響をもたらすと すれば、FOMCなどの当局が適切な対処法を策定することを期待す る」と述べた。

フィッシャー総裁は質疑応答で、米商業用不動産市場の縮小はま だ「完全に終わっていない」との見方を示した。またFRBの3000 億ドル規模の米国債買い取り措置について、「債務のマネタイゼーショ ンをめぐる認識を懸念している」ことから、支持していないと明言。 債務穴埋めのための紙幣増刷を「われわれは行わない」と強調した。

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