債券相場は上昇、長期金利1.5%手前の需要が支え-先物買いも優勢に

債券相場は上昇(利回りは低下)。 長期金利の指標となる新発10年国債利回りが前日には5カ月ぶりに

1.5%手前まで上昇したことで買いが入っており、先物市場でも海外勢 などを中心に売り持ち高を手仕舞う買い戻しが膨らんだ。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、日米両国とも 国債入札が峠を越えつつあることで、短期的な需給不安が解消してきた と分析。「現物市場での押し目買いをきっかけに、米国が祝日を迎える タイミングにもあたって買い戻しが膨らんだ」とも話した。

現物市場で新発10年物の303回債利回りは前日比1ベーシスポイ ント(bp)低い1.46%で始まり、午前は2.5bp低い1.445%での推移と なった。午後にもじりじりと利回りを切り下げて一時は1.425%をつけ た。午後4時10分現在では4bp低い1.43%で取引されている。

303回債利回りは10日午前に1.485%まで上昇して、新発10年債と しては6月16日以来の高い水準を記録した。しかし、その後に藤井裕 久財務相と菅直人国家戦略担当相が新規国債発行を抑制すると発言した ことから、市場の需給悪化懸念はやや和らいでいるようだ。

実際、10年債利回りの1.5%は節目との見方が多いだけに、市場で は投資家の買いが膨らむきっかけを待つ雰囲気が強まっていた。BNP パリバ証券の山脇貴史シニア債券ストラテジストは、市場センチメント が変わったことでこの日は長期ゾーン主導で堅調だったといい、「あす の5年債入札を見てからと思っていたが、慌てて買い戻しが入っている 感じだ」と説明した。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダ ーは、最近の金利上昇に伴って需給懸念を段階的に織り込んできたと指 摘。そのうえで、「日米ともに国債入札といったイベントをこなしつつ あり、足元では過度の金利先高観測が弱まりつつある」ともいう。

先物には買い戻しが優勢

東京先物市場の中心限月12月物は前日比3銭高い137円58銭で始 まり、開始後こそ137円56銭まで上げ幅を縮めた。しかし、日中取引 ではじり高の推移が続き、取引終盤には1週間ぶり高値圏となる137円 92銭をつけており、結局は31銭高の137円86銭で終了した。

先物12月物は週初の取引で137円29銭まで続落して、中心限月と しては8月半ば以来の安値をつけたが、現物市場での買いをきっかけに 短期的な自律反発局面に入っている。

大和住銀投信の伊藤氏は、ここ最近の金利上昇を受けて投資家から 現物買いが入るなか、「為替相場のドル安・円高傾向もあってこれまで の主要な売り手だった海外勢を中心に買い戻しが優勢の展開だ」との見 方を示した。

あす5年債入札、利率0.7%に引き上げか

財務省があす12日に実施する5年国債(11月債)入札で、表面利 率(クーポン)は0.1ポイント引き上げの0.7%が有力視されており、 その場合には9月発行の85回債と銘柄統合されるリオープン発行とな る。発行額は前回債より1000億円多い2兆4000億円程度。

10月以降には国債入札で低調な結果が続いたものの、あすの5年 債入札については無難に通過するとの見方が優勢だ。岡三アセットの山 田氏は、今後も世界的に金融緩和政策が維持される見通しのもとでは、 5年ゾーンに相応の需要があるとみるべきだとしたうえで、「あすの入 札を波乱なくこなせばいったんは金利上振れにもめどが立ってくる」と の見方を示した。

三菱UFJ証券の稲留克俊債券ストラテジストも、銀行勢は貸出動 向の鈍さに直面しており、財政悪化への懸念より金融緩和効果に対する 期待が需要を促すと分析。そのうえで、「2月にも10年債入札は低調 だったが直後の5年債入札は無難だった」ともいい、国債増発に対する 均衡レベルを見出す契機になろうと指摘した。

--取材協力:池田祐美 Editors:Hidenori Yamanaka, Joji Mochida

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