9月機械受注は2カ月連続増-下げ止まりの動きに上方修正

国内民間設備投資の先行指標であ る船舶・電力を除く民需(コア機械受注)は、9月に前月比2カ月連 続で増加した。増加率は事前予想を上回った。この結果、7-9月期 は6四半期連続でマイナスとなったが、内閣府の見通しを大幅に上回 った。内閣府はコア機械受注の基調判断について「下げ止まりに向け た動きが見られる」と6カ月ぶりに上方修正した。

内閣府が11日発表した9月の機械受注統計によると、コア機械受 注(季節調整値)は前月比10.5%増の7380億円となった。前年同月 比では22.0%の減少。内訳は製造業が前月比0.1%減、非製造業が同

18.0%増だった。7-9月期は前期比0.9%減と、内閣府が6月末に 調査・集計したコア機械受注の7-9月期の見通しである前期比

8.6%減を大幅に上回った。

機械受注は各企業が設備用機械をメーカーに発注する段階で集計 するため、実際の設備投資に半年程度先行するとされる。内閣府が同 時に発表した9月末時点で調査・集計した10-12月期のコア機械受注 の見通しは前期比1.0%増と7四半期ぶりにプラスになる。生産や輸 出の持ち直しや企業収益の回復に伴い、設備投資にもようやく下げ止 まりの兆しが出てきた。

マネックス証券の村上尚己チーフエコノミストは統計発表後、「 設備投資の減少にようやく歯止めが掛かっていることを示す点では、 若干明るい材料だ」とし、「日本経済の弱さである設備投資が調整し 続けるリスクは小さくなっている」と指摘。一方で「今回の大幅な 受注増が、近い将来の日本の設備投資回復につながるという期待は 楽観的過ぎる」との慎重な見方も示した。

明確な反転は期待できず

10-12月期の見通しの内訳は、製造業が前期比0.4%増、非製造 業が1.3%増。内閣府の杉原茂景気統計部長は記者説明で10-12月期 の見通しの1.0%増を達成するためには、9月を起点として、10月、 11月、12月の各月が前月から2.8%減でも達成できるとの試算を示し た。杉原氏は見通しについて、「明確に反転する見通しがあるわけで はない」と述べ、輸出や生産の動向に依存するとの認識を示した。

四半期でみると、7-9月期のコア機械受注額は2兆708億円と 2四半期連続で過去最低額を更新した一方、海外からの受注を示す同 期の外需は前期比41.7%増の1兆5973億円となり、6期ぶりにプラ スに転じた。上昇率は統計が比較可能な1987年4月以降で過去最大。

設備の過剰感強い

農林中金総合研究所の南武志主任研究員は、機械受注統計などか ら「設備投資関連が底入れした可能性が強まったと言えるだろう」と する一方、「企業が抱える過剰設備感は依然として強い」と指摘。さ らに、「景気は3月ごろをボトムに持ち直し局面をたどっているもの の、けん引役はアジア新興国向けを中心とした輸出とエコカー減税な どの消費下支え策であり、依然として民間最終需要に自律的な回復 の動きが見られているわけではない」との見方を示した。

バークレイズ・キャピタル証券の森田京平チーフエコノミストも、 機械関連の設備投資が底堅めする一方で、設備投資全体の2-3割を 占める建設関連の設備投資が低迷しているため、「GDP(国内総生 産)ベースの設備投資は10-12月期に底固めしたとしても、その後の 反発力はやや弱そうだ」との見方を示していた。

ブルームバーグ・ニュースの事前調査では9月のコア機械受注の 予測中央値は前月比4.1%増。予想範囲は2.2%減から8.0%増だった。

午前10時18現在のドル円相場は1ドル=89円57銭。統計発表 直前は同89円77銭だった。日経平均株価は同時刻現在、前日比26 円53銭高の9897円26銭。債券先物市場の中心限月(12月限)は同 14銭高の137円69銭で推移している。

最近の企業の動向をみると、設備投資に前向きな動きも散見され る。公的支援を受けて経営再建中のDRAMメーカー、エルピーダメ モリは、2010年3月期(今期)設備投資計画を従来比200億円増額し て約600億円に引き上げた。回路線幅40ナノメートル(ナノは10億 分の1)製品の量産化に応じ今期に投資を前倒しするためという。

また、自動車のマツダは先月発表した資金調達で、最大936億円 のうち600億円を環境・安全対応車に対する研究開発費、残りを設備 投資に充当する計画。しかし、その一方で、キリンホールディングス は2010-12年度の設備投資を約2600億円に抑制する方針だ。07-09 年の現行の中期計画では約3200億円だった。

--取材協力 駅義則 小松哲也 林純子Editor:Hitoshi Ozawa, Masaru Aoki

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 伊藤辰雄 Tatsuo Ito +81-3-3201-3655 tito2@bloomberg.net

To contact the reporter on this story: Jason Clenfield in Tokyo at jclenfield@bloomberg.net; 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo yokubo1@bloomberg.net シンガポール Michael Dwyer mdwyer5@bloomberg.net

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