米国債:ほぼ変わらず、10年債入札好調も織り込み済み

米国債相場はほぼ変わらず。米 財務省が実施した10年債入札は好調だったものの、市場の関心は12 日の30年債入札に移った。

10年債入札の最高落札利回りは3.470%と、入札直前の市場予 想の3.475%を下回った。投資家の需要を測る指標の応札倍率は

2.81倍と、過去10回の入札の平均2.61倍を上回った。アトラン タ連銀のロックハート総裁は、戦後最悪のリセッション(景気後退) からの回復は緩やかなものだろうと述べた。

BNPパリバ・セキュリティーズの金利ストラテジスト、サブ ラト・プラカシュ氏は、「10年債入札は非常に好調だったが、市場 の関心は30年債入札に移っている」と指摘。「30年債は別の生き物 だ。入札前には幾分のスティープ化がみられるかもしれない」と述べ た。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時29分現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の3.48%。同年債(表面利率

3.625%、2019年8月償還)価格は2/32下げて101 7/32。

30年債利回りは1bp上昇の4.41%。発行日取引の同年債利回 りは4.45%。

入札にかけて相場上昇

この日の10年債入札で、海外の中央銀行を含む間接入札の割合 は47.3%。前回10月の入札では47.4%だった。過去10回の入札の 平均は36.2%。

スタイフェル・ニコラスのボルティモア部門で政府債トレーディ ング責任者を務めるマーティン・ミッチェル氏は「順調な入札だっ た」と指摘。「10年債相場は入札前に上昇、一部投資家の応札意欲を そぐリスクがあったものの、需要は引き続き堅調だった」と述べた。

前回10月7日実施の10年債入札(発行額200億ドル)では、 最高落札利回りが3.210%。応札倍率は3.01倍と、ブルームバーグ が1994年に集計を開始して以来2番目に高い水準だった。

ミラー・タバクの主任経済ストラテジスト、ダン・グリーンハウ ス氏は顧客向けリポートで、「応札倍率データは財務省の無視できない 国債販売能力を裏付けている。しかし、この事実は、国債発行増や財 政赤字拡大をめぐる懸念によってかき消される傾向があるようだ」と 指摘した。

国債のリターン

前日実施された400億ドルの3年債入札は、1981年に3年債の 定期入札が開始されて以来最大の規模だった。最高落札利回りは

1.404%と、入札直前の市場予想1.419%を下回った。財務省は12 日に30年債としては過去最大規模となる160億ドルの入札を実施す る。

米国は景気刺激策の財源として前例のない規模で国債を発行。流 通市場で取引される米国債総額は6兆9500億ドルに膨らんでいる。 9月には過去最高の7兆100億ドルに達していた。

メリルリンチの米国債マスター指数によると、米国債の今年7月 1日以降の投資収益率は1.796%。今年上期の収益率は1978年の同 指数集計開始以来の最悪を記録していた。米国債相場は今年上期、金 融市場の安定化と財政赤字拡大を背景に下落。国債の安全需要が後退 した。

米2年債と10年債の利回り格差は2.64ポイントに縮小。今月 6日には7月27日以来の最大となる2.70ポイントまで拡大してい た。

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