今日の国内市況:株は上昇・債券堅調、ポンド急落-英国格下げ懸念

日本株相場は上昇。世界的な低金 利政策の継続観測から欧米株式や国際商品相場が上げ、株式市場の資 金流動性も維持されるとの見方が広がった。銀行や証券、その他金融 株が東証1部33業種の上昇率上位に並び、金融株と連動性が高い不動 産株も上昇。特に銀行株は、亀井静香金融・郵政担当相の発言を受け、 増資ラッシュに対する警戒感が後退したことも支援材料となった。

ただ、為替の円高傾向などを懸念し、午後後半は輸出株中心に伸 び悩んだ。日経平均株価の終値は前日比61円74銭(0.6%)高の9870 円73銭。TOPIXは同1.77ポイント(0.2%)高の872.44。業種別 33指数は17業種が上昇、16業種が下落。

日経平均は朝方に一時170円高の9979円まで上昇、6営業日ぶり の高値水準を回復した。東証1部の値上がり銘柄数が1000を超す場面 もあった。前週末の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議 を受けた世界的な低金利政策の継続観測が追い風となった。

9日の米国株市場では、ダウ工業株30種平均が約1年1カ月ぶり の高値を更新。欧州市場では英FT100指数が同1.8%高、仏CAC40 指数が同2.1%高、独DAX指数が同2.4%高と総じて上げた。世界同 時株高の流れが、東京市場にも波及した格好だ。

投資家心理が改善する中、じりじりと値を上げたのが銀行株。亀 井金融相は10日午前の閣議後会見で、自己資本比率規制で4%が最低 ラインの地方銀行など国内基準行について「責任を果たすような融資 活動をやっているなら、一時的にそうなっても、業務改善命令とか言 う話ではない」と述べ、直ちに行政処分の対象にはしない考えを示し た。

もっとも、午後の日本株相場は右肩下がり。円相場が対ドルで一 時1ドル=89円69銭まで上昇。トヨタ自動車など自動車関連株の一角 が弱含んだ。前日上げの目立った保険株も反落。東証1部の売買代金 は1兆2678億円と、過去1年間の平均1兆4268億円を下回った。

債券は堅調-増発抑制期待

債券相場は堅調(利回りは低下)。朝方は株高を警戒して売りが先 行したが、藤井裕久財務相と菅直人国家戦略担当相の発言を受け、新 規国債発行抑制への期待が強まり、買いが優勢となった。この日実施 された40年債入札が順調な結果となったことも好感された。

東京先物市場の中心限月12月物は、前日比4銭安の137円34銭 で始まった後、137円32銭まで下げた後、買いが優勢となった。午後 に入り、40年債入札が順調に終わると買いが増え、一時は23銭高の 137円61銭まで上昇。17銭高の137円55銭で引けた。

菅直人国家戦略担当相は閣議後会見で、鳩山由紀夫首相が2010年 度の新規国債発行額を44兆円以下に抑制する方針を表明していること について、可能だとの見方を示した。藤井財務相も午前に、長期金利 の上昇傾向を「非常に危惧(きぐ)している」と発言。国債増発懸念 の是正を「何としてもしなければならない」と強調した。

現物債市場で新発10年物の303回債利回りは、前日比0.5ベーシ スポイント(bp)低い1.47%で始まり、1bp高い1.485%に上昇。新 発10年債利回りとしては6月16日(1.505%)以来、約5カ月ぶりの 高水準をつけた。その後は一時、1.455%まで低下。その後は1.47%で 取引された。

財務省がこの日実施した40年利付国債(2回債、11月発行)の利 回り競争入札では、最高落札利回りが2.33%。市場予想の2.35%を下 回った。応札倍率は3.45倍となり、前回債の2.85倍から上昇した。 表面利率(クーポン)は2.2%。

ポンド急落-格下げ懸念

東京外国為替市場では午後の取引でポンドが下落。格付け会社フ ィッチ・レーティングスが英国の格下げの可能性に言及したことがき っかけとなり、ポンド売りが活発化した。

ポンドは対ドルで1ポンド=1.67ドル台半ばから一時、1.6603ド ルまで下落。対ユーロでも1ユーロ=0.8940ポンド付近から0.9016 ポンド付近まで下落。対円でも1ポンド=150円台後半から、一時149 円3銭まで売られた。

フィッチの世界ソブリン格付け責任者、デービッド・ライリー氏 は、「AAA」格付けを有する国の中で英国が最もリスクが高い国の一 つだとの見方を示した。

オーストラリア・ドルやカナダ・ドル、ニュージーランド・ドル は対ドルで10月下旬以来の高値水準から反落。週明け以降、米国の低 金利政策の継続期待や世界的な株高、商品高を背景に資源国通貨買い が強まっていたが、米国の祝日をあすに控え、この日の東京市場では 買い持ち高を縮小する動きが見られた。

ユーロ・ドルも前日の海外市場で2週間ぶりに1ユーロ=1.50ド ル台を回復したが、東京市場では伸び悩み、一時は1.4951ドルまでユ ーロが弱含む場面が見られた。

一方、ドル・円相場は1ドル=90円ちょうど前後から89円台後半 で方向感に乏しい展開が続いた。90円がストライク(権利行使価格) のオプションがあり、それに絡んだ売り買いが交錯しやすいとの指摘 が聞かれた。

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