「事業再生ADR手続き」15社申請、債務調整の有力手段に

日本企業の私的債務調整手法である 「事業再生ADR手続き」(裁判外紛争解決手続き)を申請した企業が 昨秋の制度開始から15社に達したことが分かった。商取引への影響が 法的整理に比べて軽微なのがこの手続きの特徴で、債務整理の有力な手 段として企業に定着しつつあるとの見方が出ている。

ADR手続きを唯一扱える事業再生実務家協会(JATP)の原美 弥子事務局長は9日、ブルームバーグ・ニュースのインタビューで「上 場7社、非上場8社がこれまで手続きを申請した」と述べた。上場1社 と泉精器製作所が申請を撤回してJATP正式受理は13社。ブルーム バーグの集計ではアイフルやウィルコムを含む9社が申請していた。

ADR手続きは全金融債権者の合意が必要で、多数決で決められる 法的整理よりも成立要件は厳しい。同時に取引関係者との調整が基本的 に不要で、商取引への影響は少ない。2000年公表の英国の企業再生の枠 組み(ロンドンアプローチ)がモデルで、全国銀行協会が2001年に作 成した「私的整理ガイドライン」より透明性や公正性に優れている。

森・浜田松本法律事務所の飛松純一弁護士は、「債務調整が必要な 上場企業やそれに準ずる企業は、法的整理以外にADR手続きを選択肢 として明確に認識している」と述べた。民事再生法といった法的整理を 今年度に申請した上場企業は6社で、ADR手続き申請企業を下回る。 経営再建中の日本航空もADR手続きを検討したことがあった。

日航は官民共同出資の企業再生支援機構に支援を要請した。支援機 構は日航の資産査定に着手して、支援の可否を年明けに決定する。決定 までの当面の対応として日航はADR手続きを申請するとの報道があ る。原事務局長は日航について「個別案件については事前相談の有無を 含めて一切答えられない」と語った。

【事業再生ADR手続きを申請した上場・非上場企業一覧】

企 業 名 (コード)    業態       発表日        (主な内容)
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ルートイン(ROUTIZ) サービス   09/10/31(中期事業計画の大幅変更)
ウィルコム(DDTKZ)    通信     09/09/24(債務返済期限の延期要請)
アイフル(8515)   その他金融   09/09/18(債務返済期限の延期要請)
さいか屋(8254)      小売り    09/08/04(借入金元本返済一時停止)
日エスコン(8892)    不動産    09/06/22(借入金元本返済一時停止)
ラディアH(4723)   サービス   09/06/15(金融機関からの金融支援)
アジア投資(8518) その他金融   09/05/13(借入金・社債返済期限延期)
コスモスイ(8844)    不動産    09/04/27(借入金元本返済一時停止)
(泉精器は申請後に撤回、民事再生手続きに切り替えて2009年9月7
日に再生手続き開始決定。ブルームバーグが開示資料から集計)
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