三國陽夫氏:27年目の格付け事業、年末で終了-元同友会副代表幹事

格付け会社、三國事務所(三國陽 夫代表)は9日、約26年間にわたる格付け情報の提供事業を12月31 日で終了すると発表した。三國氏(70)は、2010年1月末をメドに東 京・港区の事務所を閉鎖し、杉並区の自宅に活動拠点を移す。

同事務所は1983年7月から、国内大手企業や銀行の社債と長・短 期債務の格付け情報、財務分析を載せた「三國債券格付け情報」を内 外の機関投資家や金融機関に提供してきた。格付け対象企業は1500社 に上るという。

三國氏には社債格付けの解説書のほか、日本の通貨政策に関する 著作も多い。「円デフレ」(02年、東洋経済新報社)や「黒字亡国」 (05年、文芸春秋社)などでは、過度の輸出依存や円安歓迎が日本経 済にもたらした負の側面を論じた。02年には米ブルッキングス研究所 から「Japan’s Policy Trap」(R・タガート・マーフィー氏と共著) を出版した。

米国発の金融危機が世界的に深刻化した昨年12月、三國氏はイン タビューで、日本政府は外貨準備で保有する米国債の一部を放棄し、 米国経済の再建を支援すべきだと主張。無策のままなら、1ドル=50 円程度まで円高・ドル安が進みかねないとの見方を示した。円は1月 21日、対ドルで一時87円13銭と、95年7月以来13年半ぶりの高値 をつけた。

オバマ米大統領らによる景気刺激策や税収減を背景に、米国の財 政赤字は09年度(08年10月-09年9月)に1兆4171億ドル。過去 最大だった前年度の3倍超に膨らんだ。既発債の残高は9月に7兆ド ルを超えた。海外投資家の米国債保有額は8月に3兆4488億ドル。日 本は7310億ドルで、中国(7971億ドル)に次ぐ規模だった。

同氏は1939年生まれ。63年に東京大学を卒業し、野村証券に入社。 69年には日本人で初めて、CFA協会認定の証券アナリストとなった。 75年に退社。社債などの格付けを主業務とする三國事務所を設立し、 代表取締役に就任した。2002年4月から04年3月まで、経済同友会の 副代表幹事をつとめた。

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